1. 研究の背景と課題
(1)導入:生態系学習の現代的要請
現代の学習指導要領は,教育の最重要課題として「持続可能な社会の創り手」の育成を掲げている。この理念に基づき,高等学校「生物基礎」における生態系学習は,単なる知識伝達に留まらない極めて重要な役割を担う。地球規模の環境問題が深刻化する中,生徒が生命を尊重し,自然環境保全に主体的に寄与する態度を養うには,生態系の仕組みに関する科学的知見を基盤とした深い学びが不可欠である。しかし,従来の科学教育では,知識と行動が結びつかない「知識-行動ギャップ」が長年の課題として指摘されてきた。本研究は,この課題に応答し,生徒の主体的な探究態度と生命倫理観を育み,社会科学的な論点を含む複雑な課題への思考力(Socio-Scientific Reasoning)を涵養するための革新的な教育実践モデルを提案するものである。
(2)従来型授業の限界と課題の分析
新しいアプローチの必要性を論理的に示すため,本セクションでは,従来から広く行われてきた理科の授業方法が内包する具体的な問題点を多角的に分析する。これらの障壁を理解することが,本実践モデルの設計思想を理解する上で不可欠である。
教員引率による校内植生ガイドの問題点
教員がガイド役となり,生徒を引率して校内の植生を解説する手法は一般的であるが,以下の課題を抱えている。
* 物理的な制約: 1クラス40人規模の集団では,後方にいる生徒は教員の声を聞き取ることさえ困難であり,学習機会に著しい不平等が生じる。
* 受動的な学習態度: 特に植物への関心が低い生徒にとって,この活動は単に列について歩くだけの「行列への追従」に陥りがちである。学習へのエンゲージメントが低い状態では,生徒は受け身の姿勢に終始してしまう。
* 限定的な学習効果: フィールドワーク後のレポート課題も,活動への参加態度そのものが受動的であるため,表面的な記述に留まることが多く,深い学びへと繋がりにくいのが実情である。
植物図鑑を用いた生徒主体の調べ学習の問題点
生徒の主体性を促すために植物図鑑を用いた調べ学習も試みられるが,これもまた別のジレンマを抱えている。
* 情報過多による混乱: 学習への動機付けが不十分な生徒にとって,市販の植物図鑑は情報量が過剰であり,かえって混乱を招き,「全ての植物が同じに見える」という状況に陥る可能性がある。
* 教材準備の負担と形式の限界: この問題を避けるため,教員が事前にクラス全員分の葉を準備し,判定基準を講義する方法も考えられる。しかし,これは教員にとって大きな負担となる上,結局は講義形式に回帰してしまい,生徒の受動的な学びを助長するというジレンマから抜け出せない。
協働学習における役割の固定化
学習指導要領で推奨される「協働学習」においても,理科特有の問題が存在する。理科の協働学習は,知識勾配が原因で「教える-教えられる」という役割の非対称性が固定化されやすく,真の対話的学習を阻害する一因となりうる。理科が得意な生徒が常に教える側に,苦手な生徒が常に教えられる側に固定されてしまう危険性があると考える。
これらの課題は,生徒一人ひとりの内発的な動機付け,すなわちエンゲージメントを高める仕組みがなければ,根本的な解決が難しいことを示唆している。この課題を克服するアプローチとして,ゲーミフィケーションに着目した。
(3)本研究の必要性
これらの従来型授業の限界は,生徒がエコロジーの知見を自らの生活や価値観と結びつけて捉える「自分事化」を阻害するという,より根本的な課題に繋がる。生態系の科学的理解が伴わないままでは,例えば「ペットボトルのキャップを集めてワクチンを寄付する」といった活動が,輸送コストなどを考慮すると非本質的である可能性に気づくことができない。
このような課題を克服するためには,生徒の内発的動機付けを巧みに引き出し,受動的な知識の受容者から能動的な探究者へと変容させる新たな教育実践モデルの構築が急務である。本研究は,この必要性に応えるための具体的なプログラムを設計・実践し,その教育効果を検証することを目的とする。
2. 研究目的
(1)導入:研究の核心的ねらい
本研究は,生態系学習における従来法の課題を克服するため,ゲーミフィケーション,ICT(Google Earth),そしてNVC(非暴力コミュニケーション)という3つの要素を戦略的に統合した革新的な学習プログラムを設計・実践し,その教育的有効性を多角的に検証することを核心的なねらいとする。この統合的アプローチにより,生徒の学習エンゲージメントを高め,生態系知識の「自分事化」を促進し,現代社会で求められる21世紀型スキルを育成することを目指す。
(2)具体的な研究目標の提示
本研究が達成を目指す具体的な目標は,以下の3点である。
* 学習エンゲージメントの向上
ゲーミフィケーションの導入が,動物に比べて静的な植物のような対象への興味をいかに引き出すかを検証する。「謎を解きたい」というモチベーションを利用したクエスト型の活動を通じて,生徒の受動的な学習態度を打破し,学習指導要領が重視する「主体的で対話的な深い学び」を促進するプロセスを明らかにする。
* 生態系知識の「自分事化」の促進
ICTツール(Google Earth)を用いて生態系の学びをローカルな文脈(学校)からグローバルな文脈(地球)へと拡張する。さらにNVCを用いた内省を通じて,獲得した知識と自らの情動を結びつける。このプロセスが,我々の言う「自分事化」—すなわち,知識を個人の価値観体系へと内面化させ,教育理論における倫理的エンゲージメントや環境配慮的態度(pro-environmental dispositions)を涵養する—メカニズムを解明する。
* 21世紀型スキルの育成
Google Earthや生成AIといった高度なデジタルツールを活用する過程で,生徒に求められる能力を検証する。具体的には,AIが生成した情報の真偽を確かめる「ファクトチェック能力」,複数のデジタルツールを連携させて成果物を構築する「デジタル・ワークフロー構築能力」,そしてチームで複雑な課題に取り組む「協働性」や「創造性」といった,AI時代に不可欠な21世紀型スキルの育成効果を明らかにする。
(3)小括と次章への移行
本研究は,これらの目標を達成することを通じて,現代の生態系学習における最重要課題である「知識と情動の統合」に対する具体的な解決策を提示する。次章では,これらの目標を実現するために設計された,二段階から成る統合的学習プログラムの具体的な内容について詳述する。
3. 研究方法:統合的学習プログラムの設計
(1)導入:プログラムの全体構造
本研究で実践する学習プログラムは,生徒の学習動機とエンゲージメントを段階的に引き上げることを目的とした,戦略的な2つのフェーズで構成された学習エコシステムである。第一次実践の「バイオームクエスト」は前提となる条件を醸成する役割を果たす。この土台の上に,第二次実践「ワタシ ノ ハコブネ」が構築され,高まったエネルギーをICTとNVCを用いて地球規模の課題探究と深い自己内省へと接続する。この二段階構造は,学習の入口から出口まで一貫した教育体験を提供するための重要な設計思想に基づいている。
(2)第一次実践:ゲーミフィケーションによる動機付け「バイオームクエスト」
このフェーズは,学校の敷地内を舞台に行う謎解き型のフィールドワークであり,生徒を知識の受動的な受容者から,能動的な探究者へと変容させることを目的とする。
* 設計思想
本実践は,「謎を解きたい」という人間の根源的な欲求を学習の駆動力として利用する。これにより,植物に対する当初の興味関心の度合いに関わらず,全ての生徒が主体的に活動に参加できるデザインとなっている。活用可能なゲーミフィケーションが持つ要素として,藤川大祐(2016)は,以下のAからKまでの項目を挙げている。
● A. 問題解決を促す
● B. 初心者から専門家や熟達者まで興味が持てるようにする
● C. 大きな課題を対処可能なSTEPに分解する
● D. チームワークを促進する
● E. プレーヤーにコントロールの感覚を持たせる
● F. 参加者それぞれが個人的な経験をする
● G. 独創的な考え方に報いる
● H. 革新的な実験を阻む失敗への恐怖を減らす
● I. 多様な興味やスキルセットを支援する
● J. 自信を持たせる
● K. 楽観的な態度
* 活動内容
① ストーリー設定: 学習は『植物によりお菓子が奪われ,箱に封印された。この箱の鍵を探しにいく』というファンタジー調のストーリーで導入され,生徒は世界の危機を救う冒険者として冒険の書に従い,活動を開始する。
➁ 使用ツール: 生徒は各自のタブレット端末を用い,クラウド上で共有される「自作のデジタル植物図鑑」や,各地点に設置された「QRコードで提示される問題」にアクセスする。解答の正誤判定や次の目的地への誘導には「Googleフォームによる行動制御」が用いられ,ゲーム進行を円滑にする。
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③ 学習プロセス: 生徒は3〜4人のチームを組み,地図(古文書)を頼りに敷地内の各チェックポイントを巡る。各地点では,目の前の植物を観察し,デジタル図鑑や教科書を駆使して謎を解き明かす。全ての謎を解くことで最終目的地が示され,チームで協力して目的を達成する。



なお,使用教科書は[生基 706]啓林館i版生物基礎である。
活動の様子を以下に示す。

(3)第二次実践:ICTとNVCによる「自分事化」の深化「ワタシ ノ ハコブネ」
第一次実践で醸成された高い学習意欲を,地球規模の生態系問題への探究へと接続するのが,第二次実践「ワタシ ノ ハコブネ」である。
* 設計思想
本実践では,Google Earthを単なる地図アプリとしてではなく,「地理的文脈化を促進するメタ認知ツール」として位置づけている。教科書に書かれた生態系の抽象的な知識を,地球上の具体的な座標にマッピングさせることで,生徒は環境問題のスケールの大きさと,それが自らの生活と無関係ではないという近接性を同時に体感することができる。
* 学習コンテンツの設計
生徒はチームで協働し,「私たちの地球を未来へ遺すため世界旅行スタディツアー」をGoogle Earth上で作成する。ツアーには,教科書(p192-209)の内容に基づき,以下の多様なテーマを盛り込むことが求められる。特に,「最大の環境破壊および人権侵害である戦争」というテーマは,生態系学習を自然科学の枠内に留めず,人権や平和といった社会科学的な文脈にまで拡張する意図的な設計であり,生徒に複合的な視点を提供する。
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* 情報リテラシー指導
本実践では,ChatGPTやGeminiといった生成AIの活用を積極的に許容する。ただし,その利用には厳格なルールを課す。評価基準に「情報の出典の裏はとったか?(ファクトチェック)」「参照元を表示できているか?」という項目を設けることで,AIから得た情報を含め,全ての情報源を批判的に吟味し,出典を明記する学問的誠実さ(アカデミック・インテグリティ)の指導を試みた。これは,AI時代の新たな情報リテラシー教育のモデルを提示するものである。
(4)成果共有と内省のプロセス:ワールドカフェとNVCの適用
学習の最終段階である振り返りのプロセスは,知識と情動を統合し「自分事化」を促す,本研究の中核的な評価手法である。
以下に生徒がGoogleEarthのプロジェクト機能を用いて作成した成果物の一部を示す。

*ワールドカフェ方式
成果発表は,固定的なプレゼンテーションではなく,生徒が自由に歩き回り対話するワールドカフェ方式で行われる。これにより,生徒は自チーム以外の多様な視点に触れ,自己の学びを客観視する機会を得る。発表の焦点は,成果物の内容そのものよりも,「何を考え何を学んだのか?」というメタ認知的な問いに置かれ,学習プロセスの内省を促す。聴衆からは付箋によるフィードバックを得るようにデザインした。
発表の様子を以下に示す。

* NVC(非暴力コミュニケーション)の適用
聴衆からのフィードバック(付箋)には,NVCのフレームワークが導入される。生徒は提供された「感情リスト」と「ニーズリスト」を参考に,発表を聞いて自身の中に生じた感情(Feeling)を特定し,その感情の背景にある自らの価値観・欲求(Needs)を探る。最終的に,そのニーズを満たすための未来の行動(Request)へと繋げることで,内省を構造化する。このプロセスこそが,生態系問題に対する倫理的責任感を育む鍵となる。特筆すべきは,付箋を物理的に発表者の体に貼るという行為である。これはフィードバックを非人格的な評価から共感的な対話へと転換させ,感情的な繋がりを可視化する強力な手法であり,対立を生まないフィードバック環境と心理的安全性を醸成する上で重要な役割を果たす。
(5)小括
以上のように,本プログラムは,ゲーミフィケーションによる初期の動機付けから,ICTを活用したグローバルな課題探究,そしてNVCを用いた深い自己内省へと至る,一貫した学習体験として設計されている。次の章では,このプログラムの教育効果を測定するための具体的な評価計画について述べる。
4. 評価計画
(1)導入:評価の多角的アプローチ
本研究における評価は,プログラムを通じて生徒が獲得した認知的な学習成果(知識・技能)と,内面で生じた情動的な変容(価値観・態度)の両側面から行う。定量的データ(アンケート)と定性的データ(成果物,内省記述)を組み合わせる多角的なアプローチにより,提案する学習プログラムの教育効果を総合的に分析する。
(2)認知的・技能的成果の評価
生徒の知識の応用力やICTスキルを,客観的な基準に基づいて評価する。
* 成果物評価(ルーブリック)
第二次実践「ワタシ ノ ハコブネ」で作成されたGoogle Earthツアーは,以下のルーブリックに基づいて評価される。これにより,生徒は明確な到達目標を意識しながら探究活動に取り組むことができる。
● 知識の理解と応用: 教科書p184-209の内容と差し替えても遜色のない,正確で深い内容か。また,自分で説明できない言葉を用いていないか。
● 創造性と独自性: 教科書にはないオリジナルな要素が少なくとも一つ織り込まれているか。
● 情報倫理: 情報の出典の裏をとり(ファクトチェック),参照元を正確に表示できているか。
● 協働性: チーム全員で情報を共有しながら協働し,成果物に貢献できているか。
● ICTスキル評価 成果物の質を分析することで,生徒のICTスキルを評価する。具体的には,Google Earth上で画像,YouTube動画,タイムラプスの画面録画といった多様なメディアを効果的に統合する能力や,Canva,生成AIなど複数のデジタルツールを連携させて一つのプロジェクトを完成させるデジタル・ワークフロー構築能力を評価の対象とする。
(3)情動的変容の評価
本研究の核心である,生態系知識の「自分事化」の度合いを,定量的・定性的な手法で評価する。
* アンケート調査(定量的評価)
第一次実践「バイオームクエスト」の終了後に実施したアンケート調査は,プログラムが生徒のエンゲージメントに与えた影響を定量的に示す。例えば,「植物に対して興味・関心がわいたか」という問いに対し,「かなり持った」(28.9%),「これまでよりは持った」(52.0%)といった回答が得られた。総じて,報告書が結論付けているように,実に97.1%の生徒が肯定的な関心の変化を示しており,本プログラムがエンゲージメント向上に極めて有効であったことを示す強力な定量的エビデンスとなっている。
* 内省記述の分析(定性的評価)
第二次実践後の振り返り活動で収集される以下のデータを質的に分析し,生徒の価値観や倫理観の変容を詳細に評価する。
* NVCに基づくフィードバック(付箋)の内容
ワールドカフェでの対話を通じて生徒たちが記述した「気づき」や「感情」の内容を分析し,他者の学びが自己の内省に与えた影響を考察する。
* 振り返り記述(R80)
プロジェクト全体を80字程度で要約した記述を分析し,生徒一人ひとりがこの学習体験をどのように意味づけ,内面化したかを評価する。
5. 期待される成果と教育的意義
(1)本研究がもたらす価値
本研究から期待される成果は,単一の授業における成功事例の報告に留まらない。それは,他教科や他校においても応用可能な,生徒の学習を「自分事化」させるための普遍的な教育モデルを提示することにある。本稿で提案するフレームワークは,知識の伝達が困難な現代的課題に対し,生徒の内面からアプローチするための具体的な方法論を提供する。
(2)期待される具体的成果
本研究を通じて,以下の3つの具体的成果が得られると期待される。
① 生徒の学習意欲と探究能力の向上
ゲーミフィケーション要素を取り入れた「バイオームクエスト」は,従来の受動的な学習態度を打破し,生徒の知的好奇心と探究心を刺激する。理科が苦手な生徒でも,チームで協働しながら主体的に課題解決に取り組むようになり,中には授業終了のチャイムが鳴った後も活動を続けるチームが見られるなど,極めて高い学習意欲を引き出す効果が期待される。
また,教科書のp176-179のようなグラフィカルなバイオームや植物の参考資料も効果的に用いることができ,読み込む姿が確認できた。
➁ 生態系問題に対する倫理的責任感の醸成
NVCを用いた内省プロセスは,地球環境問題という壮大なテーマを,生徒一人ひとりの内面的な価値観(例:「安心・安全」を求めるニーズ)と直接結びつける。この「知識と情動の統合」こそが,学習内容の「自分事化」,すなわち知識の価値観への内面化を達成させる核心的なメカニズムである。特に,第一次実践のゲーミフィケーション(要素D: チームワークの促進)を通じて醸成された協働的な信頼関係と心理的安全性が,生徒がNVCの場で自らの感情やニーズを率直に共有できる環境を創出した。この相乗効果により,生徒は生態系問題を単なる科学的知識としてではなく,自らの倫理的責任が問われる課題として捉え,持続的な行動変容へと繋げることが期待される。
③ AI時代の情報リテラシー教育モデルの提示
生成AIの利用を前提としつつ,ファクトチェックと出典明記を厳格に義務付ける指導方針は,今後の情報教育における有効なモデルとなる。AIのリスクを管理しながらその利便性を教育に最大限活用する本実践は,生徒が情報の発信者・受信者として責任ある態度を身につけるための,具体的かつ先進的な指導法を提示する。
(3)教育的意義と今後の展望
本研究が提示する実践は,学習指導要領の理念である「持続可能な社会の創り手」を育成するための,知識・技能・情動を統合した具体的な方法論である。本研究が提示する核心的な貢献は,「ICTによる地理的文脈化とNVCによる情動的評価を組み合わせた教育フレームワーク」という,新たな教育モデルの提案にある。
このフレームワークは,知的理解と倫理的コミットメントの両方が求められる複雑な社会科学的課題(Socio-Scientific Issues)を扱う上で,高い汎用性を持つ。生物基礎にとどまらず,歴史的事象の地理的背景を探る地理歴史や,社会課題を多角的に考察する総合的な探究の時間など,あらゆる教科に応用可能である。今後の展望として,このモデルを他教科へ展開し,その教育効果をさらに広く検証していくことで,教科横断的な深い学びを実現する新たな教育パラダイムの構築に貢献できるものと考える。
6. 倫理的配慮
本研究の実施にあたっては,生徒の権利と安全を最優先とし,以下の倫理的配慮を徹底する。
* 個人情報の保護 Google Earthを用いた活動において,生徒が自宅やその周辺をプロジェクトに追加する際には,プライバシー保護の重要性を十分に指導する。具体的には,「外部に公開されるものではないが,特に自宅を用いる場合は個人情報なので大体の位置とかにしましょう」と注意喚起を行い,個人の特定に繋がる情報が過度に共有されることを防ぐ。
* 著作権の尊重 インターネット上から収集する画像や資料の利用に関しては,著作権法を遵守するよう指導する。本実践は「非公開の教育活動」であるため一定の範囲での利用が認められるが,それに留まらず,知的所有権を尊重する姿勢を育むため,素材集サイト「Canvaの素材は商用利用も可能であるため」とその活用を積極的に推奨し,適切な著作権意識の育成に努める。
* 学問的誠実性の担保 研究活動および成果物作成において,アカデミック・インテグリティの重要性を強調する。全ての参照情報について,参考にしたサイトの出典URLを明記することを義務付け,他者の知的財産を尊重する姿勢と,情報の信頼性を担保する学術的な作法を指導する。
【参考・引用文献】
1 文部科学省.『学習指導要領(平成30年度告示)解説 理科編理数編』.114-129
2 SDGs達成の担い手育成推進事業.https://www.mext.go.jp/unesco/018/index.htm.
2025年9月19日
3 武蔵村山市ボランティア・市民活動センター.http://musashimurayama.org/.2025年9月28日
4 文部科学省.『学習指導要領(平成30年度告示)解説 理科編理数編』.123
6 井上明人(2012).『ゲーミフィケーション―がビジネスを変える』.NHK 出版
7 藤川大祐(2016).『ゲーミフィケーションを活用した「学びこむ」授業の開発』.千葉大学教育学部研究紀要第64巻
使用教科書 [生基 706]啓林館i版生物基礎
協力 滋賀県立河瀬中学校・高等学校 故・青木善慶 教諭




























































