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生活

関わりの中で自分の成長に気付き,2年生へ向かう意欲へつなぐ生活科学習
―1年生活科「もうすぐ 2年生」の実践―

元善通寺市立中央小学校 芳之内 麻衣

1.はじめに

様々な学習や活動をこの1年で積み重ね,1年生の児童はできることや自信をもって行動することが少しずつ増えてきた。しかし,自分自身の成長については,日々の生活の中では実感しにくく,教師の支援があって気付くことが多い。そのような中で,年3回計画している新1年生との交流会は,児童が自分の成長を実感することのできる機会となっている。お兄さん,お姉さんとして新1年生と接し,「楽しかったからまたやりたい。」「優しくすることができた。」と感想を述べていた。こうした姿から,新1年生との交流は,園児との関わりを楽しむだけでなく,自分の成長を実感する機会にもなるのではないかと考えた。そこで,1年間を振り返る活動とともに,新1年生との関わりを通して,自分の成長に気付き,その気付きを2年生へ向かう意欲へとつなげてほしいと考え,実践を行った。

本実践では,「関わりの中で自分の成長に気付き,2年生へ向かう意欲へつなぐ」ことを主題に,「①振り返る②関わる③つなぐ」という3段階で単元を構成し,児童が自分の内面の成長を実感することができるよう工夫した。

2.単元について

(1)単元名「もうすぐ 2年生」

(2)学習指導要領との関連

【第3章生活科の内容 第2節生活科の内容】

(8)自分たちの生活や地域の出来事を身近な人々と伝え合う活動を通して,相手のことを想像したり伝えたいことや伝え方を選んだりすることができ,身近な人々と関わることのよさや楽しさが分かるとともに,進んで触れ合い交流しようとする。

(9)自分自身の生活や成長を振り返る活動を通して,自分のことや支えてくれた人々について考えることができ,自分が大きくなったこと,役割が増えたことなどが分かるとともに,これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち,これからの成長への願いをもって,意欲的に生活しようとする。

(3)単元目標

入学してからの1年間を振り返ったり,新しい1年生との関わりを深めたりする活動を通して,自分のことや支えてくれた人々について考えることができ,自分が大きくなったこと,自分でできるようになったこと,役割が増えたことなどがわかるとともに,これからの成長への願いをもって意欲的に生活することができるようにする。

(4)本単元における評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度
入学してからの1年間を振り返ったり,新しい1年生との関わりを深めたりする活動を通して,自分が大きくなったこと,自分でできるようになったこと,役割が増えたことなどがわかっている。 入学してからの1年間を振り返ったり,新しい1年生との関わりを深めたりする活動を通して,自分のことや支えてくれた人々について考えている。 入学してからの1年間を振り返ったり,新しい1年生との関わりを深めたりする活動を通して,これからの成長への願いをもって意欲的に生活しようとしている。

(5)単元計画  全12時間(教科関連;国語科「小学校のことをしょうかいしよう」

単元構成 時数 学習活動 手立て・支援 評価規準
振り返る 1 1年間で楽しかった出来事を思い出す。
  • 入学当初や学校生活の写真を提示する。
  • 個人で書きためている振り返りカードや日記等を見返す時間を設定する。
  • ペアや全体で共通点や違いに気付くための話し合いの場を設定する。
  • なぜ楽しかったのか理由をつけて話すことで友達の意見と比べることができるようにする。
入学してからの1年間で,楽しい思い出や発見,たくさんの経験を積み重ねてきたことに気付いている。
【知・技】
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自分ができるようになったことを見つけて,まとめる。
  • 4月の頃と比べて,どんなことができるようになったか,学習面や生活面などの視点を示す。
  • 話し合った内容をもとに,できるようになったことを個人でまとめた後,全体で話し合い,自分では気付けなかったことにも目を向けられるようにする時間を設定する。
  • 漢字・計算や係活動,食や身辺整理など様々な面で気付いている児童の発言を取り上げて価値づける。
自分でできるようになったことや自分の役割が増えたことなど,自分が成長したことに気付いている。
【知・技】

入学したころの自分と今の自分を比べて,できるようになったことを振り返り,まとめたり,伝えたりしている。
【思・判・表】
関わる 4 新1年生との交流(体験入学)を計画する。
  • 今までの1,2学期の就学前教育施設との交流会で新1年生が楽しんでいたことや,困っていたことを想起させ,新1年生の立場から考えられるようにする。
  • 入学当時の気持ちを思い出すことで,新1年生への気持ちを高める。
新1年生のために自分たちにできることがあることや関わることの楽しさ,そのよさに気付いている。
【知・技】
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体験入学に向けて準備をする。
  • 国語科と関連させながら,どのような活動ができるか話し合う。
  • 相手意識がもてるように,「こういう時はどうする?」と問い掛ける。
新1年生が喜んでくれそうなことを相手の立場になって考えたり,予想したりしながら,計画や準備をしている。
【思・判・表】
8 新1年生と関わり体験入学を行う。
  • 新1年生の様子を見て活動ができるように声を掛け,活動できている児童への価値づけをする。
新1年生に喜んでもらえるように意欲的に活動しようとしている。
【主】
9 体験入学の振り返りをする。
  • 活動の様子の写真を見せながら,振り返る。
  • 相手の様子を見て活動できていたことを取り上げ,内面の成長に気付くようにする。
新1年生との交流を通して,できるようになったことや自分の役割が増えたこと,自分の成長やよさに気付いている。
【知・技】
つなぐ 10
11
新1年生を迎える準備をする。
  • 体験入学を通して,新1年生が入学するまでにできることを考える。
2年生に進級する喜びの気持ちをもって,意欲的に準備をしようとしている。
【主】
12 2年生になって頑張りたいことを話し合う。
  • これまでの学習を通して,どんな2年生になりたいか考える。
  • できるようになったことを2年生でどう活かしたいか,問い掛ける。
自分の成長やよさに気付き,進級への意欲を高めている。
【主】

3.授業実践

(1)振り返る「1年間を振り返って」

○ 思い出ビンゴ

ペアで交流する際に,楽しかったことを話し合ったが,理由をつけることで,「同じ思い出を選んでいたけど,友達はわけが違っていたよ。」と比べていた。また,全体で話し合うときには,人気な出来事をランキングにまとめ,児童と1年間の思い出を共有することができた。

○ できるようになったこと

生活面,学習面,係活動,清掃活動など,様々な場面でできるようになったことなどを,それぞれの視点から話し合い,カードにまとめた。どうしてできるようになったのかを問い返すことで,「友達が教えてくれたからできるようになった。」「上級生が掃除の仕方を教えてくれた。」など,周囲の人との関わりを思い出し,自分の成長が多くの人に支えられていたことに気付く姿が見られた。

(2)関わる「新1年生との交流会(体験入学)」

○ 体験入学の準備

「振り返る」活動をもとに,1年間で楽しい思い出ができ,できることが増えたことを押さえた上で,入学した頃はどんな気持ちだったか想起させた。初めは,楽しみの他にも不安や緊張があったが,上級生に支えられ解消したことから,今度は自分たちが新しい1年生にどんなことができるか考えた。これまで1,2学期の就学前施設との交流では「一緒にプールで遊んで楽しかった。」「自分たちが作った秋のおもちゃで楽しんでもらえて嬉しかった。」と自分たちが楽しかった活動を新1年生にも体験してもらえたことが嬉しかったと感じていた。しかし,今度は入学してくる新1年生のために相手を意識してできることを計画しようとする姿が見られた。「小学校ではどんな1年間を過ごすのか教えてあげよう。」「名前をたくさん書くから,書き方の練習をしよう。」など相手を意識して,準備する姿が見られた。

○ 体験入学

当日はグループごとに,「小学校の紹介」「はさみの使い方(折り紙飾りを作ろう)」「名前の練習」「読み聞かせ」を行った。自分のグループが発表するとき以外は,新1年生の様子を見て,困っている子に声を掛けるなど,積極的に関わる姿が見られた。体験入学後の振り返りでは,「困っている子に声を掛けていたね。」「安心してできるように話していたね。」と教師が児童の姿を価値付けた。すると,「前は教えてもらっていたけど,今日は教えてあげることができた。」「新1年生が笑ってくれて嬉しかった。」という発言が聞かれた。新1年生との関わりを通して,相手のことを考えて行動できた自分の成長に気付く姿が見られた。このことからも,児童が自分の成長を実感し,上級生としての自覚を高めていることが分かった。

(3)つなぐ「2年生への準備」

○ 新しい1年生を迎える準備

内面の成長に気付いた児童たちは,さらに上級生としてできることを考えた。新1年生がわくわくするような教室になるよう飾り付けをしたいとなった。4月の頃の写真を手がかりに,どんな準備をしたらよいか話し合い,「1年間の出来事の絵(背面掲示)」「輪飾り・お花紙」「入学おめでとうの言葉の掲示」をそれぞれ分担して行うことになった。実際に作ったものを掲示していくことで,自分たちが新1年生を迎える側になることを実感し,上級生としての意識を高めていった。

○ 2年生になって頑張りたいこと

これまでの活動を通して,どんな2年生になりたいか話し合った。児童の意見は大きく2つに分かれ,「新1年生にしてあげたいこと」と「2年生で学習や生活の面でできるようになりたいこと」にまとまった。新1年生に対しては,教室の案内をしたい,片付けの仕方を教えたい,一緒に遊びたいなどの意見が出た。2年生でできるようになりたいことでは,新しい学習ができるようになることや今はまだできないこと,苦手なことをできるようになることなどの意見が出た。新1年生に対する意識や自分自身のより良い成長に目を向ける姿が見られた。

4.成果と課題

(1)成果

(2)課題

【参考文献】