小学校 教科書・教材|知が啓く。教科書の啓林館
英語

コミュニケーションを図る喜びを実感する英語学習とは
~2年間のBlue Sky elementaryを使った実践を通して~

岐阜聖徳学園大学附属小学校 小木曽 美幸

1.はじめに

子どもは自分が言いたいことが言えてはじめて意欲が生まれる。子ども達にとって,英語の語法よりも先に言いたいことがある。自分の言いたいことを伝えられた時の感動が,その後の英語学習への意欲や自信につながると考える。そのために,言いたくなるような場面を設定し,子どもが何かを伝えたい,伝えなければならないと思う「必要感」を感じさせることを大切にしている。それと同時に,自分が伝えたいことはどのように表現すれば的確に伝わるかを知る場として,「学び合いの場」を設定することで子どもの学ぶ意欲を引き出し,表現力を高める指導を心がけている。コミュニケーションは,言葉を使って自分を表現し,相手を理解し,自分とは異なる価値観を認識しながら,様々なことを共有していく楽しい活動である。このようなコミュニケーションを教室の中で実感できるように工夫していく必要がある。
そして『英語活動でしか味わえない楽しさ』をより多く味わわせ,外国語を用いてコミュニケーションを図ることが楽しいという子ども達を育てていきたい。

2.実践事例①

~Blue Sky elementary 5 Unit 6 ”I want to go to France. ”行きたい国~

Goal:行きたい国の魅力を紹介できるようになり,友達を旅行にさそおう!

★単元との出会いが大切

各Unitの導入で,まずALTとJTEがmodel skitを見せた。
本単元では,ポスターを見せながら話した。

ALTが作成したポスター

JTE : Where do you want to go?

ALT: I want to go to Turkey.

JTE : Why?

ALT : Because in Turkey we can eat Turkish Pizza.
It’s delicious. And we can visit the natural hot springs
in Denizil. It’s beautiful. Also we can drink tea.
There are popular drinks in Turkey. So Let’s go to
Turkey someday.

「どんな会話をしていると思う?」と聞くと,「トルコに行きたい!と話してる。」「トルコでは,トルコピザが食べれる。」「トルコに温泉ってあるの?」「このドリンク飲んでみたい。おいしそう。」「トルコに行ってみたくなった。」など,英語を聞いただけでいろいろなイメージを膨らませ,どんな会話をしているのかを推測し,思ったことを次々と発言していく。どんな会話をしているのかが分かると,「英語ではこんなふうに言うんだね。」と初めての表現との出会い。この時の子ども達の表情は嬉しそうであり,この単元ではどんな表現を学習していき,どんな活動が待っているのだろうと子ども達の期待が膨らむ。最初の段階で,単元全体を見通せたり,Goalにはどんな活動が待っているのかを子ども達が知ることができるとより楽しく学習できると考える。

★学習活動 ~iPadを使って~

いよいよ学習活動に入っていく。行きたい国やその国でしたいことについての話を聞きながら,表現の仕方を学んでいく。
今回は穴埋め形式にし,聞こえた単語を動かして文章を完成させていくことを行った。iPadを使っての活動だったので,どの子も真剣に取り組んでいた。

P.62 Listen and Guess

★単元のGoal ~ポスター作り&プレゼンテーション~

繰り返し,本単元で大切にしていきたい表現の練習を行った後,いよいよ単元のGoalへと進めた。この活動をする日を,子ども達はとても楽しみにしていた。
一人ひとりが自分の行きたい国を一つ決め,その国の情報をたくさん集めた。eat, drink, see, play, visit, buy についてリサーチをした後,ポスター作りを行った。ポスターを作った後は,一人ひとりがプレゼンテーションを行うため,その国の魅力を友達に伝えられるよう,個人やペアで練習する姿もあった。

子ども達が作成したポスター

今回のプレゼンテーションは2人ずつ行った。聞いている人に,どちらの国に行きたいかをジャッジしてもらう形式にしたため,話す人はより自分の国の魅力を伝えなければいけない。どの子も”We can visit (see, eat…) ~ .”” It’s ~ .” などの表現を工夫して,その国の魅力を伝え,友達を誘うことができた。また自分の国を選んでもらえた時は,とても嬉しそうだった。

★子ども達の感想より
・みんなの前で話すことは緊張したけれど,みんな真剣に聞いてくれて嬉しかった。
・自信を持って英語を話すことができた。
・いろいろな表現の仕方があることが分かった。
・自分の国の魅力を一生懸命伝えることができた。またやりたいです。

3.実践事例②

~Blue Sky elementary 6 Unit 2 ”Welcome to Japan. ”日本のしょうかい~

Goal:自分の住む地域でできることを,外国の人に紹介できるようになろう。

子ども達が作成したポスター

この単元では,”You can visit (see, eat) ~ in (地名). ””It’s beautiful (fun, exciting, delicious).” や”This is ~ . ””It’s delicious(beautiful, fun, exciting).”などの表現を使いながら日本各地の特色や文化を紹介することを行う。初めにmodel skitを見せたところ,「5年生の時にもやったのと似てる!」「またプレゼンするの楽しみ!」などの声が上がった。今回出てきた表現が5年生の時に行ったのと似ていたため,すぐに理解することができた。一通りの学習活動を行ったあと,紹介したい都道府県を決め,何を紹介するのかをリサーチした。その後,プレゼンへと進めた。

S : Welcome to Hokkaido. Hokkaido is big. You can eat Sapporo ramen in Hokkaido. It’s delicious and famous. You can see ice berg. It’s beautiful. Also you can visit snow festival. It’s beautiful. Many people come to this festival. And you can drink Hokkaido milk. It’s delicious. Thank you.

プレゼンテーションの様子

どの子も日本の文化や各都道府県の特色に興味をもち,その魅力が伝わるように語句を選び,相手にわかりやすく話すことができた。

★子ども達の感想より
・プレゼンを聞きながら,いろいろな都道府県のことが知れて楽しかった。
・5年生の時よりも,自信をもって英語を話すことができた。
・英語で話すことが楽しかったので,このようなプレゼンをまたやりたい。

ZoomでNZの子どもと会話をしている様子

今回は,本校の姉妹校でもあるニュージーランドのダニーデン市にある,ジョージ・ストリート・ノーマル・スクールの子ども達にも,Zoomを通して日本の魅力を伝えた。緊張しながらも,自信を持って話すことができた。現地の子ども達は,とても日本に興味があり,たくさんの質問がきた。日本の子ども達は自分の知っている単語や表現を使いながら,質問に答えていた。話し終えた後には,相手に通じた喜びと,英語でコミュニケーションを図ることができた嬉しさでいっぱいだった。こういった機会を,今後もたくさん作っていき,少しでも英語を話すことの楽しさを味わわせたいと考える。

4.おわりに

子ども達は,新たな発見を楽しみにしている。英語の授業を構成する際には,身近なトピックを題材にしている。「日本語ではこう言うけど,英語では何て言うのだろう。」という疑問からスタートする。今までに学習した表現に似ていると,「ここが変わっただけで,こんな意味になるんだ。」と英語のおもしろさにも気づくだろう。このように子どもは,新しい表現を自分のものにしていくのである。また,仲間と英語でコミュニケーションをすることはとても楽しい活動である。相手の知らなかったことを知ることができたり,自分と同じなのだと感じたりすることができる瞬間である。これまで学んだことが十分に発揮でき,仲間との関わりを通して,自分のことを伝えることができたり,自分のことを分かってもらえたりしていくことに喜びを実感していくのである。英語を使って伝え合うことができたという体験を積み重ねること,そのために,子ども達があきらめずに考えたり,仲間の言うことに耳を傾けたりする姿を認めながら授業を進めていきたいと考える。

<参考文献>