高等学校の教科書・教材|知が啓く。教科書の啓林館
英語

英語で表現する力を育む4技能バランス型授業とその効果
~Vision Quest Ⅰ・Ⅱとスマートレクチャーコレクションの活用~

佐賀県教諭 山口 司

1.学校および生徒の概況

この実践は私が昨年まで勤務していた公立高校(1学年7クラス・共学)でのものである。東大をはじめとする旧帝大系や医学部のような最難関レベルに数十名が進学する地域トップの進学校である。英語科全体が新しい実践に対して前向きで,全ての教師がいわゆるアクティブラーニング型授業に取り組んでいる。生徒もそうした授業に対して反応がよく,英語を使ってのコミュニケーションに積極的である。また,県の施策として生徒全員が学習用PCを所有し,全教室に電子黒板が配備され,Wi-Fi環境が整っている。

2.表現活動を授業の軸に据えた4技能バランス型授業

採用していた英語表現の検定教科書「Vision Quest」は,文法シラバス的要素の色濃い教科書ではあるが,各レッスンに表現タスク “Use it”や“GOAL!”が設定されている。これを参考にして活動を設定し,授業の中心に据えた。文法演習問題Exerciseは,生徒が各自で予習し,配布される解答を使って自己添削の後,必要に応じて教師が解説を加えるスタイルであった。50分授業で,基本例文の音読や明示的文法指導は最大20分にとどめ,残りは生徒が話したり,書いたり,友人の作品を読んだりする時間として確保した。

3.授業実践の例

(1)英語表現Ⅰ(1年次)