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理科

(2年)密閉容器内での銅の酸化について

(令和3年度以降用教科書「未来へひろがるサイエンス」2年p.194図60)

図60は実験として設定しておりませんが,もし,先生が演示される場合は,安全対策のために以下の点をご注意願います。なお安全上,生徒実験は控えていただきますようお願いいたします。

①丸底フラスコ内の気体の熱膨張について

丸底フラスコ内の酸素が銅と理論通りに反応すれば,反応後に残る酸素の物質量(mol)は,反応前の酸素の物質量の約1/3となります(反応後,室温に戻ると約1/3気圧)。

著者・編集部で追試実験を行っておりますが,正しく操作を行い,速やかに酸素と銅が反応すれば,加熱による酸素の熱膨張によってフラスコが割れることはありません。一方,フラスコのゴム栓がゆるかった場合など,条件によっては,ゴム栓が外れたり,飛んだりすることがあります。以下の点に十分ご注意願います。

※ 図60のゴム管とピンチコックの代わりに,ガラス管の先にゴム風船をかぶせて実験を行うこともできます。この場合,ゴム風船の膨張は,最大で300cm3フラスコの球部よりもやや小さい程度の大きさで,張りつめた状態ではありません。なお,ゴム風船の膨張・収縮での浮力の影響により,質量保存の厳密な確認はできにくくなります。

②加熱の終了のタイミングについて

ガスバーナーで加熱していくと,銅粉が赤く光った状態になります。この状態になったら,そのまま反応が進行するので,加熱をやめ,丸底フラスコを火からはずします。加熱を続けた場合,フラスコにひびが入ることがありますので,十分にご注意願います。

加熱後のフラスコは熱くなっているので,やけどには十分注意してください。十分に放冷した後に質量を測定してください。