中学校の教科書・教材|知が啓く。教科書の啓林館
理科

(1年)水素を発生させ,集めて性質を確かめる実験について

(令和3年度以降用教科書「未来へひろがるサイエンス」 1年p.160の図25)

実験の際には教科書や指導書の注意事項と併せて,以下の点に十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。

【実験を行う際の注意点】

万が一,水素と酸素(空気)の混合気体に火を近づけると,引火して爆発し,ガラス器具が破損したり,中の水溶液が飛散したりするなどの危険性がありますので,ご注意願います。併せて,以下の注意点①~⑤を守っていただきますよう,お願いいたします。

① 必ず保護眼鏡を着用する。

② 亜鉛3gは「花状(華状)」のものを用いる(「粉末状」の亜鉛を用いてはいけない)。また,塩酸の濃度は8%,量は5㎝3とする。
「粉末状」の亜鉛を用いたり,教科書の条件より濃い濃度(あるいは過剰量)の塩酸を使用したりすると,激しく反応したり,過剰に水素が発生したりするため危険である。亜鉛は必ず花状(華状)のものを使用し,指定量を必ず守る。また,水溶液の調製は指導者が行う。

③ 水素の気体発生装置には「試験管」を用いる(三角フラスコで代用しない)。
教科書の条件は,ごく少量の水素を安全に捕集できるよう,亜鉛と塩酸の量・濃度および発生装置の大きさや形状を調整している。万が一,発生装置の試験管を三角フラスコで代用してしまうと,容器内の酸素(空気)と水素が混合する可能性が高くなるとともに,破裂の危険性が高まる。絶対に試験管を用いるようにする。

④ 気体を捕集した1本目の試験管は使わない。
気体を捕集した1本目の試験管には,発生装置の試験管の中に元々あった酸素(空気)と水素が混合している可能性がある。

⑤ 水素に点火するときは,水素を試験管にとって発生装置から離れた場所で行う。絶対に発生装置のガラス管の先に火を近づけない。
絶対に「発生装置の試験管やガラス管」に火を近づけてはいけない。また,発生装置から1m以内は火気厳禁にする。

※ 本実験に限らず,事前に予備実験を必ず行うとともに,器具に不具合がないことをご確認願います。