剰余類

どんな整数でも3でわると,あまりは0,1,2のいずれかになります。一般に,ある整数を整数mでわると,あまりは0,1,2,…,m-1のいずれかになります。このとき,あまりが同じ整数どうしを同じ仲間と考えて1 つの集合に含めると,すべての整数は,それぞれは共通部分を持たないm個の集合に分けることができます。このm個の集合を,mでわったときの剰余類といいます。
剰余類という見方について,教科書では,3や4でわったときのあまりに着目して数表を塗る課題を取り上げており,この活動によって児童が数の並び方や規則性に気づくことを期待しています。

剰余類による類別という考え方は,身近な生活の中にも見かけることができます。いちばん卑近な例としては,偶数・奇数という分類があります。この偶数・奇数という分類は,整数を2でわったときのあまりが0 になるもの(偶数)と1になるもの(奇数)で分ける方法であり,剰余類を考えていることに他なりません。
また,カレンダーも7でわったときの剰余類と考えることができます。つまり,月内の同じ曜日にあたる日にちは同じ剰余類に属します。例えば,13日が水曜日のとき,その月の水曜日にあたる6,20,27日はどれも7でわるとあまりが6になります。7でわったときのあまりは0,1,2,…,6 の7通りになるので,この場合の剰余類は7 つあり,それぞれに曜日が割りあてられているわけです。