1.単元名
みて!きいて!わたしのかぞく
2.単元の目標
・ 家族の様子や生活に関心を持ち,すすんでしらべ,知らなかった一面を発見する。
・ 自分も大切な家族の一員であることを感じ,家族が喜ぶことをしたいという気持ちを持つ。
・ 聞いてきたこと,見てきたことを自分なりの方法で楽しく表現する。 |
3.単元について
○教師のねがい
本校では『子どもが自らの世界を拓く学習』を主題に研究を進めており,そのために総合的な学習の時間の目標として『子ども自身が,自分のめあてを持ち,それにむかって主体的な学習(活動)ができるような子どもを育てる』と掲げ研究をすすめている。
それを受けて,1年生の生活科では楽しんでさまざまな人やものと出会い,多くのことを見つけたり,疑問を持って質問したり自分からはたらきかける活動を体験させたい。
そこで,学級の目標を『じぶんからすすんで人やものとかかわろうとする子』とし,取り組みをすすめている。
また,小学校での学習はじめの時期であるので,クラスの友達と学習する楽しさを味わわせるために,学習の基本となる人の話を最後まで聞き,自分の思いを表現できる子を育てたいと考えている。
そのために,『みてみてきいて』や朝の会お話,休み時間の様子,つぶやきなどから子どもたちの関係や関心事をしっかりと見ることで,子どもたちの思いを受け止めて学習をすすめていきたい。
○子どもたちの様子 体を動かすことが大好きで,活発な子どもたちである。話好きな子も多く,登校途中で見つけたものや家庭であったことなど,色々なお話をしたり聞いたりして楽しむことができる子が多い。
子どもたちは,1学期の学校たんけんで,いろいろなものを見つけたり質問したりする活動をしてきた。初めて見るものに興味を示しこんなものがあったと紹介し合い,校務員室たんけんでは,校務員さんに色々なお話を聞いたり仕事を見せてもらったりした。また,「どんな先生がいるか知りたい。」という子がいて二学期になってからも先生にインタビューするなどの活動をした。子どもたちの様子を見ていると,色々なことに興味を持ち活発に足を運んでたんけんする子と,それほど関心がなくみんながするから仕方なくしている感じの子や見つけてきたことの話を聞くだけの子がいた。しかしどの子もこのような体験を通して学校のことを知り,自分の学校における存在にも気付いてきている。
しかし,やはり1年生の子どもたちの生活の中心は家庭であり,一番身近な(好きな)人は家族である。学習の準備をする,朝ご飯を食べる,早寝早起きをするなど基本的な生活習慣は家庭によるものが多い。そこで,大好きな家族にインタビューするなど,調べる楽しさを味わわせたいと考えた。
家庭訪問や懇談で,保護者と子どもの話をする時よく聞くのは「家と学校じゃ,違うんですね。」という言葉。子どもたちは学校での顔を見せながら生活しているんだなぁと感じる。家は居て当たり前の場所であり,帰る場所であり,家族は近くにいて当たり前の人に感じている。だから一番自然体の自分を見せている。単元に入る前に,今個々の子どもたちが家族についてどんな思いを持っているか知ることが必要である。
ぼくのおとうさんはいまはとうきょうでしごとをしてかえってこないけど,いっしゅうかんにいっかいしかかえって(こないので)さびしいけどどようびにまたかえってきていっしょにむそたえきまであるきにいってくれて,いえにかえったらやきゅうをしてくれてうれしいよ。うちのルールはなにもかも30ぷんまでしかできないルールがあります。 |
ぼくのおかあさんはきれいずきです。やすみのときはどこかにつれていってくれます。でもそうじをするととまらないのでどいてといわれます。おうちではあいさつをしないとおこられます。ぼくはえがとくいでおかあさんはえがとくいじゃないです。 |
ぼくのおかあさんは,キヤマネージャーをしています。こまっている人をたすけるしごとをしています。たまにおそではあるときもあります。そのあいだにぼくはおばあちゃんとあそんだりさんぽしたりしています。でもにちようびとかどようびとかしごとがあったりしごとがないときもあります。 でも,スイミングがあるときおかあさんはぼくのことをみてるのかみてないのかわかりません。おかあさんはゲームもやるときもあります。
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子どもたちは,自分の家族のことを喜んで書いていた。家庭外で仕事を持つ方が多く,ほとんどの子が両親の家庭外での仕事のことに触れて書いていて,おうちでの仕事について書いている子はほとんどなかった。おうちでの仕事はあまりにも当たり前すぎて自分のためにしてくれていることに気付いている子は少ない。
また,それぞれの家で約束事があるようで『おふろそうじをする』『つくえふき』などの手伝いをするものや『おやつを食べ過ぎない』『ゲームは30分』『9時までにねる』という生活にかかわるもの,その他にも『おかねはおとうさんにぜんぶわたしている時に使う』『お風呂から出る時は,お父さんにシャワーをかけて,たかいたかいをしてもらいます。』などと書いている子もいた。各家庭によって色々なかたちやルールがあることも子どもたちは知らない。
○家族の魅力
ア,みんな大好き
様々な学習材がある中,どれをとっても子どもによって関心の度合いが違うが,家族はどの子にとっても関心があり,肯定的に捉えていること。
イ,いつも近くに
1年生の子どもたちは,まだ活動範囲が狭く子どもによっても違う。見たい聞きたいことがあっても遠い所には,一人では行けないこともあるが,家族は身近にいるので,見たいことや聞きたいことがあればいつでも見せてもらうことができること。
ウ,みんな違ってみんないい
さまざまな家族のかたちがあり,25人の子どもたちに25種類の『違い』があるため,自分の家族についての発見だけでなく友達の話を聞いて,新たな発見ができる可能性があること。
このような魅力を生かして学習を進め,子どもたちが一層家族が大好きで「自分も家族を喜ばせる何かをしたい。」と思うような学習になればと考えている。
また,本単元では,おうちの方の協力が欠かせなくなる。子どもたちがそれぞれ家に帰って自分の家で調べる時,おうちの様子を紹介する時など必要に応じて家庭との連絡をとり,時にはゲストティーチャーとして招待するなど,考えていきたい。また家族との連絡を密にし,子どもがこの学習で嫌な思いをすることのないよう配慮していきたい。
4.つけたい力と具体的な手だて
ア,自分からすすんでおうちの人のことをしらべ,家族への愛情を感じる(かかわりに関する力)
本単元では,学校たんけんをしたように『おうちの人たんけん』をたっぷりさせたい。おうちにいる家族,その人のすること,おうちにあるものとそれに関わる人,いろいろ自分で見たり聞いたりして,知らなかったことと出会わせたい。
特に自分のためにしてくれていることや家族の自分への思いに気付かせるためにインタビューカードを見て,一人ひとりの子に「ここをもう少し詳しく聞いたら?」「どうしておうちの人はこんなことをしてるの?」など質問したり「すごいな。いいな。」と褒めることで,もっと聞いてこよう,見つけてこようという気持ちを持たせたい。
また,調べたことを紹介し合うことで「へえ,あの子のところは,そんなやり方をしてるんや。」と比べることで違いを見つけて自分の生活をよりよくしていこうと関心を持ったり,何より自分のうちのいいところや自分らしさを発見し,大好きになってもらいたい。
イ,自分なりのいろいろな表現を楽しむ(表現方法に関する力)
好きな人のことを調べると,自然とみんなに聞いてほしいという思いが出てくると思われる。
色々な紹介の方法を知らせ,自分なりの方法を考えさせたい。またお話の苦手な子が堂々と話せた時や,表現を工夫している時には大いにほめたり,自分のできることを見てもらって友達に認められたりしてやってよかったという気持ちを持たせたい。
他の子が紹介するのを見て,自分もその方法にチャレンジするなど楽しんで活動させたい。
5.単元計画 (全20時間+α)
第1次 おうちの人ちょうさをしよう! 8時間
1,おうちの人のしごとは?(1)
お家の人がしていることを出し合う。
2,おうちの人ちょうさをしよう!(各家庭)
3,おうちの人をみんなにしょうかいしよう。(6)+α
紹介する準備をする。
(絵,工作,実物,動作化,写真,音,ビデオなど)
おかあさんのいえのしごとは,しょっきあらいです。しょっきあらいは,いつもぴんぴかにあらっています。しょっきはいっぱいあるときもぴんぴかにあらっていました。
きをつけているところは,しょっきをわらないようにあらう。よごれをきれいにおとす |
おとうさんは,かふぇのこうひいをつくるかかりで,こうひいのまめとかもよくしっています。それで,まめもうまいやつしかつかいません。
おとうさんは,こうひいとうまくつくれます。 |
ママのがんばっていることは,へやをきれいにすることです。ママのじまんできるところは,りょうりとかおやつをつくるのがじまんできる
ところです。
すごくおいしいのは,ドーナツとかんてんと,プリンです。 |
子どもたちの反応 |
・おかあさんは,おさらあらいがじょうずですごいね。 |
・うまいこうひいって,どんなのかな。のんでみたいな。 |
・おいしいごはんやおやつをつくってくれるのは,いいなぁ。
すごいなあ。 |
みんなのおうちの人はたいへんなんだね。それに,みんなすごい!っていってるね。みんな,すごいところがあるんだなあ。うちにもすごい人,いるかな。 |
第2次 かぞくのすごい!をしょうかいします 6時間+α
1,かぞくの『すごい!』ちょうさをしよう(各家庭)
2,かぞくの『すごい!』をみんなに教えてあげよう。
・どんな方法で教えようかな。(準備)(2)+各家庭
・かぞくの『すごい!』をしょうかいします。(4)+朝の会
おにいちゃんは,お手玉がじょうずですごいです。いまは,3こをれんしゅうしています。 |
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ままは,ふらいぱんでおこのみやきとかひっくりかえすこともあります。それがすごいとおもいます。 |
第3次 みんなにやってあげたいな 6時間
1,自分ができることはなんだろう(家庭で)
お友達がやっていることを真似たり,家族が喜ぶことを考えたりして実行する。
2,こんなことしたよ!(3)+国語
やってみて,できるようになったことや,喜んでもらったこと振り返り,書いたりお話したりする。
6.授業の実際と子どもたちの表現活動
○1学期の様子 『みて!きいて!』シリーズのはじめは,『みて!きいて!わたしのいきもの』でスタートした。ザリガニやかたつむり,カメなど自分がお世話している生き物についてお話した。
生きものは大好きな子が多く,1学期から飼っているザリガニを今もお世話し続けている子や,いろいろな生きものを見つけてきて違うものを飼うのを楽しんでいる子がいる。
また,学校たんけんでは,一番ふしぎなものがいっぱいある校務員室に関心を持った。そこで,校務員室にどんなものがあるか何度も見に行ったり,校務員の栗山先生に校務員室の道具などがどのように使われるのか,畳の部屋はなぜあるのか,などふしぎなことについて質問した。 |
子どもたちの表現
生き物のお話をする時は,本物を見せながら話すという約束で,一人で話せない子は,2,3人でお話した。
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自分からすすんで色々なことを見つけに行くことができる子とそうでない子がいたが,やはり人とかかわることはとても楽しそうな様子で,実際の仕事の様子を見せてもらうと,すごい!と感嘆の声があがった。
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校内で見つけたものは,自分が書いた探検カードをもとに時には絵を見せながら話した。
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○2学期になって
9月『みて!きいて!うちのおじいちゃんおばあちゃん』の学習をした。敬老の日におじいちゃんおばあちゃんに聞きたいことをインタビューした。
一緒に住んでいる子は少ないので,遠くにいて会えないおじいちゃんおばあちゃんには電話でインタビューをした。
初めてのインタビューで,何を聞いていいのかわからない子もいたが,ご家族の協力もあって,子どもたちは思い思いにインタビューカードに聞いたことを書いてきた。
そして,インタビューしてきたことを,みんなにしょうかいしようと準備した。
子どもたちは絵を描いたり写真を持ってきたりして,みんなに教えたいことをお話した。しかし,やはり一緒に生活をしていない子も多いため,あまり詳しくわからない子もいて,時々会っておこづかいをもらったり,遊びに行ってごちそうを食べさせてもらう,などの話題で盛り上がった。 |
インタビューカードに,聞いたことを書き込んできた
絵を描いて「おばあちゃんのハンバーグはおいしいよ。」とお話した子もいた。 |
○本単元に入って |
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きょう,おふろをひさしぶりにあらった。ときどきやって,おもった。
おかあさんたちは,いつもしごとをやって,えらいなーとおもった。
ぼくは,いまはときどきしかないけど,おとなになったら,じぶんでやらなきゃいけないのが,ショックです。
わけは,いつもずっとしごとをしないといけないからです。 |
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ある子の作文を子どもたちに紹介し,おうちの人はみんなが学校に行っているあいだにどんなことをしているのだろう。どんなことをがんばっているのだろう。とおうちの人ちょうさをすることになった。
1週間後,おうちの人ちょうさを元に,紹介をする準備をした。聞いてきたことをぜんぶお話する子,ひとつのことを選んでくわしくお話しようとする子がいた。Aさんの作文の流れもあって,調べてきたのはほとんど両親のしごとについてである。
また,紹介の仕方には絵や写真のほかにもこんな方法があると,以下の方法をあげた。
・かみしばいをつくって
・ペープサートでおはなしをつくって
・ビデオをみせて
・ほんものをみせて
・じぶんがおうちの人のまねをして
・こうさくをつくって
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おうちの人ちょうさパート1
おうちの人にインタビューしたこと,絵や写真,自分が感じたことを書くなどした。 |
これは,おかあさんがおふろをあらっているところです。おかあさんは,しごとがいっぱいあります。
今から,おかあさんのしごとをしょうかいしていきます。
せんたくをほす。
あさごはんのかたづけ。
いもうとをようちえんにおくる(中略)
おうちのしごとで,すきなことときらいなことをききました。すきなことはしょっきあらいとせんたくをほすこと,きらいなことは,ごはんのメニューを考えること。じまんできることもききました。いつもげんきなことが,じまんできるそうです。 |
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紙芝居を見せてお話する子 |
わたしのおかあさんは,がっこうのせんせいをしています。なんかしごととかがあったら,いくのがすごいです。せんせいのしごとは,たいへんだとおもいます。
よる8じぐらいにかえってきます。しんどいのにがんばってしているからやすませてあげたいとおもいます。せんせいだから,なにかおべんきょうもはなしあいもしているとおもいます。これが,おんがくをおしえているえです。 (後略) |
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ペープサートを使って |
子どもたちの発表の中,またそれを聞いた子どもたちの感想の中に増えてきたのが,「すごい」の言葉。そこで,担任が子どもたちに「すごいって,どんなこと?」と聞くと,「朝から晩までおしごととかしてること。」「おりょうりとか何でも作れること。」「走るのが速いこと。」などが出てきた。
そこで,『すごい!』を「がんばっていること」や「うまくできること」として,今度は家族の『すごい!』探しをすることになった。
ある日の朝の会の時間,家族紹介で「わたしのお母さんのすごいところは,どうなつをつくるのがすごいので,ほんのまねをしておいしくつくったのかなぁって,思いました。」とお話した子が,ドーナツを作ってもらって持ってきてくれた。 |
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思わぬおいしいおやつに子どもたちは大喜びで,
「なかが,ふかふかしてておいしい。」
「うちのお母さんも,ドーナツを作ってくれる。」
「うちのドーナツは,おいもを入れる。」
「きなこがおいしいな。」
「食べるのもったいない。ずっと食べていたいくらい美味しいです。」
などと感想を述べた。
その翌日,また別の子でこれもおかあさんのお料理自慢をした子が,クッキーを一緒に焼いて持ってきた。
これも,みんなで美味しくいただき,持ってきた子はみんなの感想を自由帳に書いて嬉しそうに持ち帰った。
また同日,朝の会で,お父さんの力じまんをお話した子がいた。
ふだんは,話すのをはずかしがって,あまり自分からは発言しない子が,お話したいことを紙に書いて持ってきた。みんなが「え〜〜!すげ〜!」と驚くと,嬉しそうな,自慢げな顔でにっこり微笑んだ。
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お母さんの自慢の手作りおやつを美味しそうに食べる子どもたち |
『すごい!』しょうかいは,もう生活の授業を待たずに子どもたちの中で始まっているようである。家族のことを自慢したいという気持ちは,子どもたちの中に強くあるのだなぁと改めて感じた。
家族の学習に入ってから,『みてみてきいて』の中でも,家族に関する話を書いてくる子が増えた。普段から家族の行動や家族と一緒にしたことなどを意識してきた気がする。
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○授業実践
第1次の家族紹介では,ほとんどの子が両親の仕事について紹介した。子どもたちは「いろんなおしごとをしているんだね。」「いえによってちがいがあるんだな。」ということに気付いている。そしてその中で,「すごいです。」「すごいね!」と家族の頑張っている姿を賞賛している。
この学習を受けて第2次では,もう一度その子なりに自分の家族を見つめ直し「かぞくのすごい!」を探し,紹介する準備をした。子どもたちの探してきたすごい!は,大きく分けて3つに分かれている。
a,1次の家族紹介で友達が話したことからヒントを得て,おうちの人の仕事についての『すごい!』を探してきた子。
b,1次ではなかった,兄弟姉妹,祖父母,両親の特技の『すごい!』を見つけてきた子。
c,自分ががんばっていて『すごい!』ことを紹介したい子。
また,紹介の仕方も,前回の友達の紹介を見て,よりわかりやすく見せたいと,準備している。そんな友達の『すごい!』紹介を聞いてみんなで楽しみたい。自分が探したすごいを,みんなに「すごいね!」と言われることで誇らしい気持ちを持てたり,自信につながったりすることを願う。また,伝え合うことを通して,自分の家との違いや相似点など,新たな気付きに期待したい。
めあて 自分なりの表現でかぞくの『すごい!』をしょうかいしたり,
友だちのしょうかいを自分のかぞくと比べながら聞いたりして楽しむ。
7.成果と課題
児童の感想より
かぞくのべんきょうをして,みんないろいろなすごいがあることがわかりました。ぼくも,すごいところがあるのかな。
みんなのまえではなすのははずかしいけど,しつもんとかしてくれたのがうれしかったです。かぞくのビデオをみるのがおもしろかったです。
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わたしのかぞくは,みんながんばっているところがあります。わたしもおみそしるや,ばんごはんをつくるのをがんばっています。ぴあのもがんばっています。みんなも,がんばっていることがあるかもしれません。
かぞくのべんきょうは,みんなのかぞくのことがわかっておもしろかったです。
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○子どもたちは,家族紹介が大好きで,本時までにも色々なものを持ってきたり,クイズを考えてきたりして,朝の会でも授業でも毎日家族のお話をしていた。今までとは違った家族の一面を見つけることができた。
○二度の家族調査,家族紹介をしたことで,聞き取って書いたりまとめたり,様々な表現を工夫して友達にお話したりできる子が増えた。
●はじめは,子どもたちも色々質問したり,自分の家と比べたりできていたのだが,繰り返し紹介したので,最後はだんだんとマンネリ化してきてしまった。1年生ということもあり,聞くのに集中が続かないこともあった。紹介の仕方に工夫が必要である。
●授業では,教師の出番,出方が難しい。できるだけ子ども同士で伝え合ってもらいたいが,やはり,「今日の授業では,こんな風になってほしい。」という子どもの姿を描いて望む必要がある。また,紹介にむけて,子どもたちが自信を持ってお話できるように,発表者と事前に綿密に打ち合わせておく(練習しておく)などの前準備が必要である。
●子どもたちの感想から,私が『かぞくちょうさ・しょうかい』に重きを置いたため,ねらいのひとつである『自分の役割を果たそうとする』ところまでいけなかった気がする。今後機会があれば,そこにねらいの主眼を置いてやってみたい。
最後に,ある子の保護者から,こんなお便りをいただいた。その子が,お兄ちゃんのお手玉を「かぞくのすごい!」で発表した次の日である。
昨日は「すごい!」紹介で,お兄ちゃんのお手玉ビデオと共に頑張って紹介できたようで,報告してくれました。兄の担任の先生も来てくれてたとか!・・中略・・「すごい!」紹介,ステキな取り組みですね。誇らしげな兄が今回一番観ていてかわいかったです。 |
あまり進んで発表しない子だが,大好きな兄を紹介できて,とても満足していた。また,他 にも家族みんなでビデオを撮ったり,子どもたちが発表するために協力してくれた家庭が多く,ありがたく思う。家族の協力があってこそ,成立する単元だと思う。 |