1・2年
いろぞめをしよう              
徳島県阿南市立山口小学校
勝瀬 奈々子

1.活動について

 色水遊びは幼稚園や保育所で多くの児童が体験しており,大好きな遊びの一つにあげられます。児童の学びの連続性を考えると,草花の色染めは,生活科の学習においても是非取り入れていきたい活動ではないかと考えます。色染めには,草花の染料を煮出して取り出す方法が一般的でよく染まるのですが,小学校の低学年の発達段階を考慮すると,火を使わず簡単にできる方法が適切であると思います。自分で処理できる方法を体験させておくと,家庭生活の中でもいろいろと試すことができ,生活化が期待できます。

 模様をつける活動では,輪ゴムでくくったり,布を等分に折ったりと手先を使います。近年,手先が不器用になってきているので,生活科の活動の中でも教師は意識して手先を使う活動を取り入れていきたいと考えています。また,模様のつけ方は一度だけでは良くわからないので,繰り返して体験させてやります。どんな模様にしようかと工夫することを楽しみます。活動を通して児童は,花びらには色素(色)をもっていることや植物の不思議やおもしろさ,生活の中に取入れていくことの楽しさを学びます。

2.活動の場面

草花あそび
草花をそだてよう
自然や身近なものであそぼう

3.活動方法

(1) 準備
 
<材料と用具>
花びら(がくやしべを取り除いたもの) …… 50 g
米酢 …… 500 ml
…… 2 l
ボウルまたはバケツ,ごみネット,ゴム手袋
輪ゴム,割り箸,アイスクリームのへら等
 
<花びら染めに適した花>
赤・紫系の花  ☆黄色の花は適しません。
ゼラニウム,ホウセンカ,キク,トルコキキョウ,バラ,サザンカ,カーネーション,ヨウシュヤマゴボウ等
花びらを指でつぶしてみて, 濃い色の汁が出るもの ○
  薄い色の汁が出るもの ×
しおれかけの花でも大丈夫です。
花は冷凍できるので,随時集めておくとよい。
本格的に藍染めをするのは難しいのですが,色は薄いのですが,生葉で同様に染めることができます。
 
<被染物>
新しい布は洗って糊をとっておく。
染色液が染み込むよう事前に水につけて絞っておく。
被染物によって色素の定着は違ってきます。いろいろ試してみると楽しいです。
木綿,絹,ナイロン,麻,和紙 など
煮出した染色液で染める場合は,下処理(布を牛乳や豆汁に浸す)をするのですが,今回は必要ありません。しかし,場合によっては下処理した布の方がよく染まる場合もあります。事前に試しておくとよいでしょう。
(2) 色染めの手順
  1)染色液を作る。
 
<手もみ染色液>
1 ごみ用ネットを二重にして,花びらを入れ,輪ゴムで口をしばる。
2 ボウルに1を入れ,米酢をかける。
3 水を加える。
4 花びらを指でつぶしながら,色をもみ出す。
5 ネットごとしぼって液を採り出す。
6 水を加えて出来上がり。
 
<ミキサーで作る染色液>
1 ミキサーに花びらを入れ,米酢・水を加え,花びらの形がなくなるまで砕く。
2 液をごみネットに注ぎ,もみだす。
  ☆ペットボトルの容器等を利用すると便利です。
  2)染める
 
1 布を染色液に2時間以上,できれば一晩くらい漬けておく。時々布をひっくり返すとむらにならない。
2 染めた布はよく水洗いする。
3 かげぼしかアイロンで乾かす。
(3) 模様のつけ方
 
布に染色しない部分をつくって,模様をつけます。
どんな模様ができるかとてもおもしろいので,染め上がりが楽しみになります。
  <アイスクリームのスプーンのへらを使って>
 布を4つ折りをした後3つ折りにする。スプーのへらは2つに折って布を上下から挟み込み輪ゴムできつく縛る。
 
  <アイスクリームのへら+割り箸>
 
  <割り箸を使って>
 布を蛇腹に折って割り箸で挟み込む。
 
  <洗濯ばさみを使って>
 布を蛇腹に折って洗濯ばさみで挟み込むだけなので,とても簡単です。
 
  <輪ゴムを使って>
 割り箸で布を突き刺しその先を輪ゴムでしばる。縛ったら割り箸は外す。
 
  <布をくくる>
 
   
(4) 布を生かして
  布は染めるだけでも楽しいのですが,バンダナやコースター,壁かざりなどにするとよいでしょう。

【参考文献】 「NHK 趣味の百科」

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