私の実践・私の工夫(生活科)

1・2年
しゃぼんだまはかせになろう(なつをたのしく)       
子どもたちも,教師も夢中になる面白教材
       

兵庫県神戸市立長尾小学校
中畑 真千子
単元目標

 ・ 友達とともに,シャボン玉遊びを楽しむことができる。

 ・ シャボン玉遊びを工夫し,友達に工夫したことをわかりやすく教えることができる。

 ・ シャボン玉遊びを通して,シャボン玉液や,シャボン玉を作る道具は,身の回りにあるもので工夫できることに気づくことができる。

学習活動

   第1次
遊ぶ
 お天気のいい日にシャボン液(削った石鹸に砂糖とお湯を混ぜただけのシンプルな液)とストローを使って2時間たっぷり遊びました。たっぷり遊んだことで,もっとやってみたいこと(課題)をどの子ももつことができました。

   第2次
深める
 子どもたちに,もっとやってみたいことを尋ねたところ,3つのグループに分かれました。

 (1)
しゃぼんえきけんきゅうしょ(液の工夫)

 子どもたちと研究した結果,ポスターカラーを混ぜると,色付きシャボン玉ができました。しかし,割れたとき服が汚れますので,よごれていい服ですることをお勧めします。

 また,「壊れにくい液を作るんだ。」と子どもたちは,塩・片栗粉・蜂蜜・ガムシロップ・納豆・シャンプーなどを家から持ってきて,石鹸水に混ぜていました。この時は,なんと納豆入りがよく粘って大成功。匂いもなく,子どもたちは大喜び。どうぞ,いろいろ混ぜてお楽しみあれ。

 (2)
あいであしゃぼんだまけんきゅうしょ(道具の工夫)

 このグループには,道具の工夫に専念できるよう,よく伸びる最高のシャボン液(黄金のシャボン液)を与えました。


黄金のシャボン液のレシピ

界面活性剤40%配合の台所用洗剤(270ml)1本,・PVA糊(750ml)1本・PVA糊の容器に水を入れたもの2本分(1500ml)で,簡単に作れます。
 この伸びを見てください。

 大人も夢中になること間違いなし!

 しかし,PVA糊が入った液は,床に落ちると,よく滑り,洗い流すのも泡が出て大変です。

 運動場など,砂地のうえでするのがお勧めです。

 今回は,コンクリートの上に,人工芝を張って,滑らないように配慮しました。

 (3)
じゃんぼしゃぼんだまけんきゅうしょ(大きさの工夫)
人が入れるシャボン玉の液のレシピ

 水16リットルに対し,界面活性剤40%配合の台所用洗剤(270ml)を2本。

 PVA糊を入れると,シャボン液に粘りがでて,丸くなろうとする力が強くなるようです。人が入れるシャボン玉で,PVA糊を入れた液を使うと,すぐに,中に入っている人にあたって,割れてしまいました。

 どちらの液も,作ってすぐよりは,1晩ぐらい寝かせたほうがよく伸びます。また,作った液は,1週間ほど使えます。

 人が入れるシャボン玉は,子どもたちに大好評!!子どもたちは,フープによく液がつくように包帯を巻いたり,風除けを作ったりと工夫していました。

   第3次
広げる
 「しゃぼんだまけんきゅうかい」を開く。自分たちが学習したことを他のグループの友達に教え合いました。子どもたちは,自分が追求した結果に自信を持ち,博士気分で喜んで発表していました。また,第2次では,お互いの学習の経過がわからないように,分かれて学習していたこともあって,発表会が一層盛り上がりました。


   第4次
まとめる
 あのね帳に感想をまとめました。(国語でカウント)
発表会の後で感想を聞いたときは,「おもしろかった。」「楽しかった。」という漠然とした答えが多かったのですが,日を改めて振り返ってみることで,友達のがんばりに目を向けて感想を書くことができました。

 また,マーメイド紙にしゃぼんだま遊びの様子を描きました。(図工でカウント)
マーメイド紙のぽこぽこした質感が,シャボン玉のふわっとした感じをうまく表現できて良かったです。

成果○と課題▲

 ○  授業展開について

 第1次の「しゃぼんだまであそぼう」で,遊ぶ時間を充分確保したので,遊ぶ中で,シャボン液・道具・大きさなどに関するアイデアが膨らみ,遊んだ後の感想カードには,どの子のカードにも課題が書かれていました。その後,課題追求型の学習展開をしたことで,子どもたちの学習意欲をより持続することができました。

遊ぶ
深める
広げる
まとめる
という学習の流れが,子ども達にぴったり合っていたと思われます。

 ○  発表形態について

 発表会では,3ヵ所に研究所を開いて,教えてもらう側の子ども達が自由に好きな研究所に足を運べる「パビリオン形式」の発表形態をとりました。この形態は,少人数に向けての発表となり,博士役の子ども達は,自信を持って発表することができました。また,教えてもらう側の子ども達は,興味のある研究所へ話を聞きにいけるので,意欲満々です。普段は小さな声の子が,友達と一緒にしっかり発表する姿が見られたのも良かったです。

 ▲  指導・支援について

 2人の指導者で3つのグループを指導・支援していくのは大変です。1グループに指導者1人がベストですが,現実には難しいでしょう。課題追求学習で,子どもの意欲は高まりますが,その後のグループ活動の指導・支援にいつも人手不足で苦労しているのが現状です。

 ▲  発表形態について

 本単元で用いた「パビリオン形式」の発表は,全員の発表・頑張りを知ることができないというマイナス面があります。全員の発表を見るのには,1グループずつ前に出て発表する「プログラム形式」がふさわしいですが,膨大な時間を費やす,聞く側の集中力も散漫になるなどのマイナス面があります。

学習計画(全14時間)

 第1次 しゃぼんだまであそぼう(2時間)

  ・ 石鹸と砂糖でシャボン液を作り,飛ばして遊ぶ。(2)

 第2次 しゃぼんだまにはひみつがいっぱい(4時間)

  ・ 遊びの中で,不思議に思ったこと,もっとやってみたいことを考える。(1)

  ・ 課題別にグループを作り,シャボン玉遊びを工夫する。(3)

 第3次 しゃぼんだまけんきゅうかいをひらこう(5時間)

  ・ どのようにけんきゅうかいを開いたらよいか,計画を立てる。(3)

  ・ しゃぼんだまけんきゅうかいを開く。(2)

 第4次 しゃぼんだまはかせになったよ(3時間)

  ・ しゃぼんだまけんきゅうかいをしたことを絵や文で表現する。(3)

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