1.2年
「氷のお面づくり」にチャレンジ!    
〜北海道の冬を楽しむ〜    
帯広市教育研究会「生活・総合学習」部会 編集
事務局長 久永 恵子(帯広市立広野小学校)

1.生活・総合学習」部会について

 帯広市教育研究会「生活・総合学習」部会は,「生きる力を身につけ,共に伸びようようとする子どもの育成」をテーマに,授業研究や実技研修をはじめ,「生活・総合学習教育研究会」を毎年開催する等,地道な活動を続けています。


2.単元について

 帯広市の各小学校で取り組んでいる生活科の学習の一つに「氷のお面」づくりがあります。これは,帯広・十勝の厳しい寒さを積極的に授業に取り入れ,地域のくらしに親しみをもつことを目標にしています。
 「生活・総合学習」部会では,帯広市の観光課と連携し,各校で制作した「氷のお面」を,帯広氷まつりの会場に展示し,多くの市民や観光客に紹介してきました。
 「氷のお面」づくりを通して,北国の厳しい冬を楽しみ,地域の行事に参加することで自分たちの住む地域のよさに気づかせたいと考えています。


帯広氷まつり会場


3.児童の実態

 帯広の冬は大変寒く,最低気温が−20を越えることもたびたびあります。そのため,冬の体育の授業では,校庭に水をまいてスケートリンクを造り,アイススケートの授業を行っています。しかし,年々子どもの遊びが変わり,外遊びより室内の遊びが中心となり,雪や氷を使っての遊びが極端に少ないのが実態です。


4.実践例

「氷のお面」づくりにチャレンジ!

◎目 標 雪や氷を使って楽しく遊ぶ計画をたて,冬を楽しむことができる。

◎展 開

 (3時間扱い)
学習活動教師の支援
(1) 「氷のお面」の計画をたてる。

どんなお面にしようかな。

目はボタンにしようかな。


眉毛は乾電池にしよう。


髪の毛は毛糸を使おう。


バナナや人参の皮も使えるよ。


洗面器に水を入れて凍らせると簡単

(2) 自分の計画を発表する。


設計図


一人一人の発想を生かし,個性を大切にするように配慮する。


友だちの工夫しているところを認め合うよう働きかける。


必要な材料を自分で考えられるよう支援する。
(3) 必要な材料をそろえる。

(4)

 水を混ぜたシャーベット状の雪を洗面器などの容器に入れる。

(5)

 用意した材料をうめ込む。

どんな工夫があるかな。

水を入れると動いてしまうよ。


雪を入れたら動かないよ。


顔が大きいから,たくさん材料を入れるといいね。


雪のシャーベットに材料をうめる
(6) 材料をうめ込んだら,一晩凍らせる。

どこにおくとよいかな。

冷蔵庫の中では凍るかな。


(7)

 さらに水を加えて,一晩凍らせる。

 シャーベットの雪が凍って,材料が動かなくなったね。

 

この上にまた水をいれるのかな。

 

本当に凍るのかな。

 

材料が浮いて,目や鼻がばらばらになっちゃった。


一晩凍らせる

さらに水を加えて一晩凍らせる


子ども相互の交流を活発にさせたい。


手直しについても,個人やグループで考えられるよう支援する。


冬の外は氷ができるくらい寒いことをみんなで確かめ合う。
(8) 次の朝,容器から出す。


出来上がり

子どもの感想

帯広氷まつりに行こう

◎目 標 帯広氷まつり」に参加し,冬を楽しむ。

◎展 開

 (3時間扱い)
(9) 『帯広氷まつり』に行こう。

グループの目標や約束を決めよう。


「氷のお面」の並べ方を工夫しよう。


さあ出発だ。

寒さに負けない身支度をしよう。


交通安全に気をつけて。


「氷のお面」をていねいに置こう。


雪や氷の像を見たり,氷の滑り台で遊ぼう。


氷まつり会場に並べられた「氷のお面」



父母からの励ましの手紙
5.成果と課題

 この活動は,北国帯広の特色を生かせないかと,「氷のお面」づくりと,「帯広氷まつり」への参加を一体化した結果生まれたもので,すでに10年間続いています。
 当初は,参加校4校からスタートし,平成11年度には15校,参加児童は1・2年生1286名の参加となりました。「帯広氷まつり」会場に1286個の氷のお面が並び,多くの市民や観光客に好評を得ています。
 子どもたちは,氷まつり会場を父母と共に訪れ,評価の言葉や手紙を頂いたりして,改めて自分は地域の行事に参加しているんだという気持ちになるようです。
 今後,市内26校全校の参加を目標に,関係機関とも協力し,活動を継続させていきたいと考えています。



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