1年
おもちゃをつくろう   
〜つくったおもちゃで冬休みを楽しもうの巻〜   
京都府A小学校

1.単元について

 待ちに待った冬休み。冬休みは,いつもと違う暮らしがある。児童たちは,それぞれの家庭で,もちつき,大そうじ,おせち料理,年賀状等と新年を迎える準備を家族の一員として経験する。また,お正月には,昔から伝わるこままわし,たこあげ,すごろく,かるた等の遊びを経験する機会も多い。そこで,今年は,これまでの祖父母ふれあい教室で楽しんだ昔の遊びの経験を生かして,手作りおもちゃに挑戦させ,冬休みをより楽しく家族と過ごさせることを願ってこの単元を設定した。


2.児童の実態

 (1) 核家族の家庭が多い。

 (2) 昔から伝わる日本古来の遊びの経験が少ない。

 (3) おもちゃには,興味や関心をもっている。

 (4) 工作や物作りが好きな児童が多い。

 (5) 冬休みの家族団らんを楽しみにしている


3.指導計画 (全10時間)

 第1次 お正月ってどんなあそびをするのかな?<1時間>

 第2次

 みんなでつくろう!おもちゃをつくろう!

<5時間>

 1)  どんなおもちゃをつくろうかな?

<1>

 2)  おもちゃをつくろう!

<4>

 第3次

 みんなであそぼう!

<2時間>

 第4次

 出張おもちゃやさんをひらこう!

<2時間>

 冬休み

 冬休み,つくったおもちゃで楽しくあそぼう!

(発展学習)


4.授業の実際

 学 習 活 動教師の支援と留意点


お正月ってどんなあそびをするのかな?<1時間>
  ○ お正月に遊んだ経験を思い出す。【たこ(れんだこ)・こま(ぶんぶんごま)・かるた・トランプ・オセロ・たけうま・すごろく・ドンジャラゲーム等】

  ○

 自分が得意になったおもちゃを使って実演する。【こま・けんだま・おじゃみ・めんこ】
  ○ 今までの楽しかったお正月の遊びの経験を思い起こさせる。




 ○




 祖父母ふれあい教室でゲストティーチャー(おじいさん・おばあさん)と遊んだ昔の遊びの経験も思い起こさせる。

工夫1

   * 祖父母ふれあい教室思い出の写真

   *

 昔の遊びで使ったおもちゃ


みんなでつくろう!おもちゃをつくろう!<5時間>
(1) どんなおもちゃをつくろうかな?
<1>

  ○ おもちゃ作りの計画書を作成する。【作りたいおもちゃ・材料・作成順序】



  ○ 作ってみたいおもちゃの特長や形,遊び方等のヒントになるものを用意しておく。

工夫2

   * 作り方の参考例

   *

 全員がつくるもの

   *

 個人で選択
(2) おもちゃをつくろう!<4>

  
 いろいろなこま(こま・ぶんぶんごま)


 けんだま


 ぐにゃぐにゃだこ


 かるた


 かんぽっくり


 すごろく


 ブーメラン


 フリスビー


 パラシュート

10

 とんとんずもう



  ○ 制作意欲や見通しにつながるように材料の活用見本を作成しておく。

  ○

 材料分別箱に材料(空き箱,空き缶,ナイロン袋,竹ひご,牛乳パック,紙皿,紙コップ,たこ糸,ダンボール,ペットボトル,はっぽうトレイ,画用紙,色紙等)を用意しておく。

  ○

 道具(きり・かなづち)・接着材料等を用意しておく。

工夫3

   * 材料をセレクトできるように分別箱を設置。後かたづけも大切であり,分別箱は,活用の場が大きい。

   *

 3,4,6の番号のおもちゃについては,全員が作る。

   *

 7,8の番号のおもちゃは,昔のおもちゃではないが,短時間で完成し,失敗なく作れ,楽しめる

   *

 道具の使い方・片付け方

   *

 4のかるたについては,冬休み親子で作成すればふれあいの時間になる。

   *

 ゲストティーチャーへ招待状作成


みんなであそぼう!<2時間>
  ○ 遊び方のルールを,全員で相談し,時間を決め遊ぶ。

   ※

 コーナーを設置し,順番に代われるようにする。

   ※

 遊び方は,グループで・1対1で・教え合いながら・競争しながら遊ぶ。

   ※

 祖父母参観でお世話になったゲストティーチャーに感謝の気持ちを表わす。
  ○ 自分のよく知らない遊びがある場合は,教え合いができるように声をかけさせる。

  ○

 おもしろい遊び方が見つかった時は,紹介をする。

工夫4

   * 修理コーナーを設置する。

   *

 ゲストティーチャー(祖父母参観にきていただいたみなさん)をおもちゃ大会に招待する。


出張おもちゃやさんをひらこう!<2時間>
   ※ おもちゃのコーナーは,園児の人数を考えてみんなが楽しめるものを予め相談しておく。

   ※

 仲よく遊べるように,声をかけてさそう。
  ○ 来年,入学する幼稚園のみんなに,作ったおもちゃで楽しんでもらえるように詳しく説明させる。

工夫5

   * 説明書(絵図)掲示

   ※

 コミュニケーション能力の育成の場にする。

   ※

 新2年生に向けての自信をもつ機会とする。
 



冬休み,つくったおもちゃで楽しくあそぼう!
   ※ 冬休み楽しく遊んだ感想を『先生,あのね』に書くことを宿題に出す。
  ○ 冬休みの過ごし方のおたよりに,家族一緒におもちゃで遊んだり,さらに,もう一度作ったりして過ごしていただけるようにお願いしておく。また,今後の活動意欲や自信につながるので,保護者に一言感想をお願いする。


5.成果と課題

 ◇ 身の回りにある材料を使って,おもちゃを作ることが楽しめた。空き箱,空き缶,ペットボトル等の分別収集(燃えるもの・燃えないもの・再利用できるもの)をすることができるようになった。

 ◇

 出張おもちゃやさんでは,みんながちびっ子先生になり,教えながら聞く,話す力を伸ばすことができた。

 ◇

 冬休み前におもちゃ作りをしたことから,冬休みを楽しく過ごすことができた。

 ◆

 出張おもちゃやさんをする際には,詳しい事前連絡をとる必要がある。

 ◆

 ゲストティーチャーを招く場合は,事前に承諾をお願いし,人数確認をしておくこと大切である。


6.その他

 ※ おもちゃ作りのとき,教師はいつでもお助けマン(支援できるように)で登場できるように机間巡視をする。

 ※

 たこあげをする場所については,公園や運動場等近くに電線がないところですることを約束する。また,おたよりでもお願いする。

 ※

 ゲストティーチャーを常にアドバイザーとしてお願いできるように人材協力マップを学校全体で作成しておくとよい。



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