4年
ITの利用で折れ線グラフを視覚的に    
(前)熊本県山鹿市立中富小学校
林田 憲征
1.単元の目標

 (1) 折れ線グラフに表す良さを生かして,進んで折れ線グラフに表したり,身のまわりにある折れ線グラフを活用したりしようとする。
(関心・意欲・態度)

 (2) 変化のようすがよくわかるグラフにつくり変えるための方法を考えたり,変化の特徴を傾きから考えたりすることができる。
(数学的考え方)

 (3)折れ線グラフを読んだり,かいたりすることができる。
(表現・処理)

 (4)折れ線グラフの特徴が分かる。
(知識・理解)

2.指導計画(6時間取り扱い)

小単元 目標(基礎・基本的事項) 評価基準(評価問題) 時間
(課題設定)

1日の気温を調べわかりやすく工夫して表す
折れ線グラフについて知り,よむことができる。
折れ線グラフについて知り,よみ方を理解することができる(知)

本時
折れ線グラフの傾きに着目し,よむことができる。
午前6時は何度でしょう。


一番気温の変化が大きかったのは何時から何時の間でしょう。

22度は何時になりましたか。
(数)(表)
折れ線グラフのかき方
折れ線グラフをかくことができる。
折れ線グラフにかいてみましょう。(表)
時刻1012
気温20232529302722
工夫して折れ線グラフをかくことができる。
自分の体重の変化を折れ線グラフにしてみましょう。
(数)(表)
算数のまど
ためしてみよう
折れ線グラフのかき方やよみ方が正しくできる。

折れ線グラフのかき方やよみ方がかる(表)
やってみよう
身の回りから,折れ線グラフで表されているものを探し出すことができる。
2つの折れ線グラフに関心を持ち身の回りから探し出そうとする。(関)

3.本単元でITを取り入れる意義

 折れ線グラフでは,単に点と点をつないで表したものという考えで済ませがちであるが,伴って変わる2数量の変化を表していることの理解が大切である。そこで,デジタルコンテンツを活用することで時間が経つにつれて温度が連続して変化している様子を視覚的にとらえさせたい。

4.授業に当たっては,次のようなことに留意して取り組む

 ○ 興味がわくように,子どもたちが実際に調査した結果や,自分たちの身近な事象から教材を取り上げていくようにする。

 ○ 子どもたちの自由な発想を大切にし,棒グラフと折れ線グラフの特徴を比較しながらそれぞれの良さに気づくような授業展開をしていく。

 ○ 時刻と気温が連続的に変化していく様子を視覚的にとらえ,折れ線グラフの特徴をより理解できるようにするために,ITを授業の一部に使用する。

 ○ 作業に時間がかかったり,理解ができなかったりしている子どもにはTTと協力しながら支援にあたる。

5.目標

 気温の変化の表し方を知り,折れ線グラフを見て気温の変化の様子や特徴を調べることができる。

6.展開

〈学習内容〉 〈児童の声や反応〉 〈評価と考察〉

 (1) 1日の気温をわかりやすく表したグラフを出し合い話し合う

 事前に自分たちで考えていた表し方で自分なりに気温をわかりやすく表しているものを提示することで意欲が高まる

 (2) 代表的なグラフ(棒グラフと折れ線グラフ)を比べる

どちらのグラフが気温の変化がわかりやすいでしょう



 

午前11時の気温は何度でしょう

途中の気温がぬけているのでこっちのグラフではわからない。
測ってはいないけどこっちのグラフでは途中の気温もわかりそうだ。

 (3) ITを使い折れ線グラフを拡大してみる。

大きくすると見やすいです。
大きくしてみると9時や11時の気温もわかります。
線を引いてみると30分ごとの気温もわかりそうだ。

もっと小さくすると10分,5分,1分とどこでも気温があるのがわかります。
こうやってこのグラフができているんだね。

【ITによる補説】

 途中の気温をよみやすいように一部を拡大して出せるような準備をしておく。

【ITによる説明】

 折れ線グラフの連続性捉えやすくするために,一部を拡大し1時間,30分,10分と間隔を小さくしていき,いつの時間でも気温が存在することに気づかせたい。

 (4) グラフをみて変化の表し方と「折れ線グラフ」の名前を知る。

  あがっている  変わらない さがっている

 (5) 練習問題を解く

北海道の気温の変化を折れ線グラフ表してみよう。

時刻 午前6 10 12
気温 10 12 15 15


 (6) 本時のまとめをする


7.指導を終えて

 ○デジタルコンテンツを使うことで見たいところを部分的に拡大,縮小することができた。

 ○同じ動作を繰り返し見せることができた。

 ○連続性を気づかせる場合,プロジェクターを使って細かいところを見ることによってより明確になり,子どもたちから気づくことができた。

 ○たくさんの時間においての気温を取る場合,正確に,素早くとることができた。

 △練習問題が少し目標とずれている感じがあった。

 △グラフの書き方を入れたが,特徴をつかませる段階で終わっていてもよかった。

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