1.参考書を活かせるかどうかは、渡す前に決まっている!参考書を渡す前に親が知っていて欲しい3つのポイント(マインド編)

シェアする

目次

2023.04.07

  • シェアする

「オススメの参考書を教えてください」という質問をいただいた時に、私がお母様に聞くことの1つが「お子さんは参考書に対してどのような印象をお持ちですか?」という質問です。
実は、どの参考書を選ぶか?よりも、お子さんが参考書にどんな感情をいだいているか?
こちらの方が圧倒的に学習理解度に差がつく可能性が高いのです。
つまり、参考書を活かせるかどうかは、渡す前に決まっているのです。まずは、参考書を渡す前に親が知って欲しい3つのポイントについてお伝えします。

①子どもの心の状態を把握する

~「これくらい余裕だよね?」と思わせるテクニック~
 
幼児教室の先生をしていた頃、プリントを見た途端に机の下に隠れる子どもたちがいました。
その子たちは、「足し算の繰り上がり=苦手なもの。嫌いなもの。」という印象が強く根付いており、まずはその印象を外すことをしない限り、いくらわかりやすく伝えようとしても言葉が届かないということを体験しました。
この事例のように、子どもたちの中には「僕には/私には、この問題は難しすぎてわからない。」と既に決めてしまっている子がいます。
そういう子に、いくらつまずいている部分を克服するために…と参考書を購入して一生懸命教えても、おそらく見向きもせず、お蔵入りになるパターンが多いように思います。

大切なポイントは
「これならできるかもしれない」という希望を持たせるための参考書選びです。お子様の主体的な意思がない限り、今つまずいている場所や単元の参考書を渡すことはやめましょう!その参考書を渡す前に、コレだったらできるかも?という意欲を育てる「わかった!できた!楽しい!」の気持ちを取り戻すための参考書選びというのを意識してください。

大人視点で選んでしまうと
・情報量がたくさんある
・詳しく説明が記載されている
という内容の充実度を判断基準として、参考書を選びがちです。

しかしながら、この判断基準は、子どものもっともやりたくない参考書選びの部類に位置します。
そこで、嫌いな科目に関しては
・好きなキャラクターやかわいい挿絵が載っているもの
・子どもにとって少し簡単な問題
・空白がたくさんある参考書
など

心理ハードルを下げる参考書選びに注力してください。「これなら余裕!」「僕にも/私にもできる」と思ってもらえる参考書の候補を「複数」あげておくということが最も大切な準備です。
この参考書選び、面倒だと思いますか?でもこのひと工夫で毎日の学習のサポートが楽になるなら、こんなに楽でオトクな方法はない!と考えています。

②自分で参考書を選ぶと、前向きに取り組める確率が格段にUP

「これなら余裕!」「僕にも/私にもできる」と思ってもらえる参考書を「複数」候補あげましょうと書いたのには理由があります。なぜなら、お母さんが「この参考書をやってね」と渡したものの多くが、子どもにとっては「やらなければならないもの」というものになりがちだからです。
つまり、最後の選択権を子どもに委ねることが重要で、子どもに「自分で選んだ参考書」という意識を持たせて欲しいのです。すると主体的かつ好奇心をもってその参考書に取り組める可能性が高まります。

そして、更に「どうしてその参考書にしたの?」と子どもに聞くことで、その参考書を選んだ理由を導き出すことができ、参考書に対して愛着が増し、実際に進めていくイメージがつきやすくなります。
最近はインターネットで参考書を購入することも多いとは思いますが、子どもに選択してもらう際は、是非、本屋さんに行って、実際に手にとって、参考書の中身をよく見比べて購入する体験を親子で楽しんでいただきたいと思っています。インターネット書店では、表紙のデザインや数ページのサンプルで選ぶしかありませんが、自分にあった学習参考書であるかどうかは、やはり実物を手にとって全体構成を見ていただくのが良いと思います。

③学習できた後の未来を共有しよう

購入した参考書を始める前に、もう1つお子さんが主体的に取り組めるようになる魔法をかけたいと思います。それは、目次や使い方のページを見て、この参考書ができたら、自分はどんな風に成長できるのか?をワクワクしながら話し合うことです。
「○○っていう単元があるんだね」
「それを勉強すると○○で活かせそうだね」
「自分にあった使い方はこうだね」
このように参考書を使った後の未来を一緒に話し合うことで、子どもたちは、自身がこの参考書を通して成長していく姿を思い描くことができます。

人はありたい姿を明確にすることで、モチベーションをアップさせることができます。
「成長した未来を想像する」という、この練習は、学習だけではなく、スポーツや他の習い事のときにも応用できる、大変重要な思考練習と言えます。

まずは参考書を開いただけでも花丸ということを忘れずに…

いかがでしたでしょうか?参考書を購入する前、実際に問題を解く前に「心を上げる」ポイントを知っているだけでも、子どもがご機嫌で参考書を取り組める可能性があがります。
もし、お子さまが、今は参考書が苦手という感情を持っていたとするならば、机に向かっただけで、素晴らしい!そんな気持ちでお子さまを見守っていただけますと大変嬉しいです!
幼児教室で、最初は机の下で泣いていた子どもたちが「机に座って取り組もうとしている」
その事実だけで、嬉しく、前向きに取り組み始めた様子をみて、もう大丈夫だと安堵したことを思い出します。

次回は、「参考書を渡す前に親が知っていて欲しい3つのポイント~環境設定編~」です。
参考書が決まって、いよいよ参考書を進めていくわけですが、その時の学習環境が整っているかどうかで継続率と学習理解度が変わります。
「参考書やりなさい」と怒る前に親ができるサポートについて、お伝えしてまいりますので、楽しみにお待ち下さい。

その他おすすめコンテンツ

コンテンツカテゴリ