1人1端末の時代がすぐそこに、教育のデジタル化が進む

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目次

2021.09.15

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1.文部科学省が考える教育のデジタル化とは?

1-1.GIGAスクール構想の実現

Society5.0時代の到来とIT化の波に乗り遅れないことを念頭に「1人1台端末」を実現させるのがGIGAスクール構想です。

端末を配布するだけではなく、学校内のW–Fiネットワークの構築やICT技術者を学校内に配置し、さらに家庭内にも通信環境(モバイルルータ)の整備を支援することが決定しています。

経済的な問題によりモバイル環境が実現していないご家庭にはとても嬉しい事業計画です。

1-2.学習者用デジタル教科書普及促進事業

すでに1人1端末が実現している小中学校に対して、デジタル教科書を無償で提供するのがこの推進事業の中身です。

デジタル教科書はまだ普及が進んでいないため試験的な事業内容ですが、この事業を実施することによりネットワーク環境新設・改善、トラブル時の対応経験蓄積、コスト削減などが期待できます。

1-3.オンライン学習システムの全国展開

オンライン学習システムでは、オンラインシステムで得られたデータを一度「学習マネジメントシステム」に集め、そのデータを生徒個人や教師、さらに保護者がチェックできる仕組みになっています。

教師側は教育活動のデータを参考に生徒への教育支援サービスを提供できますし、保護者も学習の進捗状況をすぐにチェックできるため、三方よしのシステムとなっています。

参考記事:オンライン授業の勉強法

2.児童生徒の端末整備支援で1人1端末が実現

2-1.GIGAスクール構想で1人1端末が実現

タブレット端末を購入するためには1台に約5~7万円の予算が必要です。すぐに購入できるご家庭もあればなかなか手が届かない家庭があるのも実情。

このような現状をベースにGIGAスクール構想では、国公私立の小・中・特支等義務教育段階の児童生徒に対してタブレット端末購入のための費用を定額補助します。1人につき4.5万円の補助金が計上されているため、差額分を学校が負担する、または保護者負担にするなどの対策で費用を軽くすることが可能。

2-2.障害のある児童生徒のための対策

視覚障害や聴覚障害などの障害がある子供は、普通のデジタル教科書をすぐに利用することができません。

そこで障害のある児童生徒のための予算がついており、専用の教科書やプロジェクター、大型テレビなどを導入することができます。また個人宅のネット環境を整備するためにWi-Fi環境が整っていない家庭に対してモバイルルーターを貸し出す事業も計画されています。

2-3.遠隔学習機能強化

外国に住む生徒や教師、また遠隔地にいる指導者とのオンライン授業をスムーズに進めるため、学校側に必要なカメラやマイクなどの通信装置を補助する事業がGIGAスクール構想に含まれています。

ネット環境が整い、生徒に1人1台端末が配られ、さらにマイクやカメラなどの周辺機器がそろえば教育のIT化は大きく前進します。

3.さらに加速する教育現場のデジタル化

3-1.2022年度から始まるSINETについて

2022年度からSINETが初等・中等教育に対して解放されます。SINETは超高速(10~100Gbps)なインターネット接続と障害に強い高信頼なネットワークが特徴で、従来のネットワークよりもより安定したICT環境が実現します。

高速大容量でありながら抜群の安定性をもたせたインターネット環境の出現で、スムーズな遠隔事業や動画閲覧が可能になるのです。

3-2.オンライン学習システムが提供する学習コンテンツ

オンライン学習システムでは、生徒の学習の進捗状況をチェックすることができますが、このシステムはデジタル教科書や教材、動画コンテンツ、ドリル教材など学習コンテンツを提供してくれます。個別に問題集を購入したり動画コンテンツを購入する必要はありません。

4.収集されたデータの活用方法とは?

4-1.個人の学習サポート

小学校・中学校・高校を通じて、生徒の学習の記録をサーバーに保存することができ、いつでも学習記録をチェックすることができます。生徒や教師、保護者がそれらデータをチェックでき、苦手教科や単元克服の手掛かりになるのです。

4-2.学校教員等の指導改善

生徒の指導役である教師が、それまでの学習記録を参考することで最適な学習指導や生活指導をおこなうことができます。

4-3.大学や研究機関でのビックデータ活用

学校で集められたデータは匿名で利用されます。多くのデータを集計することで学習法や授業の方法についての新しい知見を発見することができるのです。

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