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2020年4月から小学校で、2021年4月から中学校で新たな学習指導要領が実施されます。前回の改訂から約10年ぶりの改訂となります。
いきなり新しい学習指導要領を実施するとなると、教える側の学校の準備が整っていなかったり、「前の学年で習っていないのにもう習っているものとして扱われる」といった不具合が生じたりするおそれがあります。
そのため、移行措置期間を設け、新しい学習指導要領を円滑に実施するために、現行の学習指導要領の中で少しずつ新学習指導要領の内容を実施していくのです。
改訂を円滑に進めるための準備期間として、小学校では2018年度〜2019年度の2年間、中学校では2018年度〜2020年度の3年間が移行措置期間にあてられ、新しい学習指導要領の内容が現在の学習指導要領に追加・省略されるなどして、すでに実施されています。
新しい学習指導要領では、「子どもたちが自らの手で未来社会を切りひらいていけるように資質・能力を育んでいく」ことを重視しています。すなわち、「社会で生きていくために何ができるようになるのか」を明確にして、次の3つの柱で再編成しています。
①知識、技能→なにを理解・会得しているか。
②思考力、判断力、表現力など→理解・会得したことをどう使うか。
③学びに向かう力、人間性など→そして、どのように社会に関わっていくのか。
①小学校英語教育の充実
これまでの小学校では、5・6年生で週1コマ(年間35コマ)の外国語活動を実施してきました。ただし教科としては位置付けず、音声や表現に慣れ親しむことを中心としていました。それに対して新しい学習指導要領では、3・4年生で外国語活動が、5・6年生では新たに教科として英語が新設され、教科書をもとに授業が実施されることになります。
また、2018年度〜2019年度は移行措置期間にあたり、3・4年生は年間15コマ、5・6年生は年間50コマの英語学習が現在行われています。
②プログラミング的思考の育成
プログラミングは教科化されるわけではなく、各教科などの中でプログラミング的思考を身につける活動が実施されます。このプログラミング的思考というのは、目的に対して論理的に考えていく力(論理的思考力)のことをいいます。
小学校教育が変革期を迎えている今、子どもたちに求められる力とは何なのでしょうか。
■課題発見・解決能力、論理的思考力
これからの社会では「知識を持っているか」ではなく「知識をどう使えるか」が大切になります。スマホが普及し情報が溢れる現代では、知識量よりも知識や情報をどう生かすかがより重視されます。
そのような社会で子どもたちが生きる力を育んでいくためには、「何に対して問題意識を持ち、どう解決するのか」という「課題発見・解決能力」や「論理的思考力」が重要となります。
■言語能力
新しい学習指導要領では、教育内容の改善事項の一つに「言語能力の確実な育成」を挙げています。
参考:文部科学省HP『幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント』
「言語能力」は思考力や判断力などの「知識を活用する力」の土台となります。特に国語では「語彙力を伸ばす」学習が改訂のポイントとしても挙げられており、今後更に重視されるでしょう。
子どもの語彙力はご家庭でも育まれ、親の意識ひとつで子どもの日常はすばらしい言語学習の場となります。ぜひ親子のコミュニケーションを通して子どもの学習環境を整えてあげてください。
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