単位量あたり

量には分離量と連続量があり,連続量は外延量と内包量に分けて考えることができます。さらに,内包量は同種の2量の割合を表す「率」と異種の2量の割合を表す「度」に区分することができ,これらのしくみを図示すると,次のようになります。

外延量と内包量の決定的な相違は,外延量では加法性が成り立つのに対し,内包量では成り立たないことです。例えば,時速20kmと時速30kmをたしても時速50kmにはなりません。
ところで,下の問題場面では,畳の数,あるいは人数といった一方の数量だけでは比べることができません。混みぐあいや度合いを表すとすれば,2つの数量の組み合わせが必要です。その異種の量の割合(内包量の度)が単位量あたりです。

単位量あたりの考えとは,このようなとき,一方の量の大きさを単位量にそろえ,それに対応する他方の量の大きさで比較する考えのことをいいます。どちらか一方の量を単位量にそろえる場合,どちらの量をとってもよいと考えられます。上の例の場合,畳1枚あたりの人数と子ども1人あたりの枚数のどちらで比べてもよいことになります。
しかし,単位量あたりの大きさを比べる場合,人口密度,速度など,単位量をどちらにするかがきめられているものがあります。
なお,指導にあたっては,単位量あたりの基本的な考えをしっかりととらえさせ,これを活用できるようにしておくことが大切です。