通分と約分

通分とは,いくつかの分数のそれぞれに等しい分数の集合の中から分母の共通な分数を選び出すことをいい,約分とは,等しい分数の集合の中から分母の小さいものを選び出すことをいいます。
通分は,異なる分母の分数の大小を比較するという場面で導入するのがよいでしょう。

3/5と2/3では,直接その大きさがくらべられないことから,3/5,2/3に等しい分数をそれぞれつくり,その中から分母の共通な9/15と10/15を選び出すことになります。共通な分母としてはふつうそれぞれの分母の最小公倍数を選びます。
通分が手際よくできない原因は,公倍数の見つけ方が十分にできない場合が多いようです。また,分子に数をかけ忘れることなどがあるので注意が必要です。通分が的確にできれば,異分母分数の加減計算は楽に行うことができます。
約分は,分母と分子を同じ数でわって求めます。

分数の分母と分子を同じ数でわって,分母の小さい分数にすることを約分するといいます。
約分するには,分母と分子をそれらの公約数でわっていきます。順々にわることのできる公約数を見つけていけばよいのですが,いちばん簡単に行うには,最大公約数を求めてそれでわります。
分数を見たら,約分して簡単にできないかと常に注意させ,既約分数にする習慣をつけさせることも大切です。