授業実践記録

全体の学びとなるような子どもの気づきや発見を引き出す授業実践

大阪府高槻市立城南中学校
中村 吉博

1.はじめに

教員から子どもたちに知識を与えるのではなく,今まで学習した知識を活かし,子どもたち自身が新しいことに気づき,発見することで興味・関心を引き出し,全体が知識を得られるような授業になるように試行錯誤している。

2.単元

2分野上「動物のくらしとなかま」

3.学習の流れ及び授業のようす

【前時までの学習】

いろいろなせきつい動物のなかまのふやし方や育て方,呼吸のしかた,体温,体表のようすを学習している。

@なかまのふやし方と体温に着目して班で次の動物を表にまとめる。
イヌ,ネコ,ウマ,カラス,スズメ,ハト,ワニ,トカゲ,カエル,サンショウウオ,サメ,メダカ,タイ

恒温 変温
胎生 A C
卵生 B D

これまでに学習していることなのでどの班も間違うことなく下のように分類することができた。

A表を見て気づいたことを発表させる。次のような意見があった。

BDグループ(ワニ,トカゲ,カエル,サンショウウオ,サメ,メダカ,タイ)をさらに分類する。何に注目して分類するか班で考え,画用紙に書き,さらにその根拠をもとにDグループの動物を分類し,それぞれ画用紙に貼る。

C班ごとに何に注目して,どのように分類したかを発表する。
各班の発表を聞く中で,自分たちが思いつかない分類をしている班があると「あぁ,なるほど」という声が聞かれた。

D各班のどの分類の仕方も間違いではないことを伝えた上で,現在はDグループ(ワニ,トカゲ,カエル,サンショウウオ,サメ,メダカ,タイ)を「呼吸の仕方」によって分類されていることを紹介し,「なかまのふやし方」と「体温」,「呼吸の仕方」によってせきつい動物がほ乳類,鳥類,は虫類,両生類,魚類に分けられることを確認する。

E全員で以下の表を作成する。

せきつい動物の分類

魚類 両生類 は虫類 鳥類 ほ乳類
なかまの
ふやし方
卵生 卵生 卵生 卵生 胎生
体温 変温動物 変温動物 変温動物 恒温動物 恒温動物
呼吸 えら
えら


(皮膚)

F分類する上で迷う動物(イモリ,ヤモリ,ペンギン,ウミガメ,コウモリ,イルカ)を分類する。様々なヒントになる写真を見せてその動物の特徴を見つけ,Eで作った表にあてはめ,何に分類されるかを考えていく。

[例]イルカの出産

この写真からイルカが胎生であることがわかる。

Gイモリとヤモリの分類の簡単な覚え方(イモリは井守と漢字で書き,ヤモリは家守と漢字で書けること)や水中に棲む動物を魚類とほ乳類に簡単に見分ける方法(魚類の尾びれは横に動き,ほ乳類の尾びれは縦に動く)を紹介する。

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