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私の実践・私の工夫(算数)

「まなびあい」活動や「電子黒板の活用」を取り入れた学習指導の工夫
2学年「たし算とひき算のひっ算(1)」

2年

佐賀県鹿島市立能古見小学校 小川 啓次

1.児童の実態

本学級の児童は,算数の授業に対して意欲的である。算数が好きな児童が27人中22人(81%)おり,理由としては「考えるのが好き」「計算が楽しい」などがあった。しかし,算数が嫌いな児童も5人(19%)おり,「考えるのが嫌い」「むずかしい」を理由として挙げている。

また,「まなびあい」活動においては,「自分の考えを友達に伝えることが好き」が14人(51%)「グループで話し合うのが好き」が19人(70%)であった。理由としては,「みんなで話すと楽しい」「自分の考えが言えるから」が挙げられた。嫌いな理由としては,「はずかしい」「うまく話ができない」が挙げられた。

2.教材観

本単元は,学習指導要領第2学年の内容A「数と計算」(2)加法,減法を受けている。主な内容はたし算とひき算の筆算であり,筆算形式について初めて学習する。2位数の加法や減法が用いられる場合についての理解を深めるとともに,2位数の加法及び減法の計算の仕方を児童が自ら考え,筆算の形式が分かるようにし,これを用いることができるようにすることがねらいである。児童が初めて筆算の形式を学習する単元であるので,筆算の原則(①縦に位をそろえて正しく書く ②一の位から位ごとに計算し,順次上の位に及ぼしていく)をしっかりと意識させるために,計算の進め方を声に出して,唱えながら筆算を進めることを行わせる。また,ノートに筆算の仕方を言葉でまとめることを通して理解を深めさせていく。

3.指導計画(全11時間)

指導法改善担当の私と担任の2人で,全単元を通して授業を展開する。TTでは8時間,習熟の時間の3時間では学級を前列と後列の2つに分け少人数授業で行う。TTでは主にT1を担任が担当した。私はT2で,主に理解がやや遅い児童への支援や電子黒板の活用を毎時間行った。

4.本時の指導について(3時目/11時間)

(1)前時の筆算の問題との違いに気づかせ,本時は繰り上がりのある筆算の学習をするという見通しを持たせる。

(2)「まなびあい」活動では,筆算の仕方を考える際は,まず,自分の考えを持ちグループで話し合わせる。計算棒と位取り板を用意し,活用させる。そして,全体での「まなびあい」活動につなげていく。

(3)「まなびあい」活動の必要性としては,計算の思考力に個人差があるため,グループでの「まなびあい」活動を設定する。なかなか自分で考え出せない児童も,友だちの考えを聞くことで理解へとつながると思われる。

(4)電子黒板を使って,自作のデジタルコンテンツを活用し,繰り上がりの操作へと移行していく過程を視覚的にも捉えさせるようにする。

5.授業の実際

(1)目標 (2位数)+(2位数)で一の位に繰り上がりのある筆算ができる。

(2)展開

過程 学習活動 指導と支援(T1) 指導と支援(T2)


1.前時の学習を振り返る。 ○34+12の筆算の仕方をデジタルコンテンツで確認する。

34+12=46

・ 同じ位の数字を縦に揃える。 ・ 一の位から計算する。

34+28をひっさんでしてみよう。

2.問題を知る。 34+28 ○筆算の書き方を確認する。 ○前時の筆算との違いを考えさせ,一の位に繰り上がりがあることに気づかせる。
・34+28の式を筆算で書く。  


3.本時のめあてをつかむ。

くり上がりのある,ひっさんのしかたをかんがえよう。

4.見通しを持つ。

・計算棒
・位取り板 を使って

5.筆算の仕方を計算棒と位取り板を使って考える。

○まなびあい①
・4~5人×6グループ

○まなびあい②
・全体

○自分でまず考えさせる。 ○次にグループで考えを出させ合う。 ○いくつかのグループに発表させる。 ○前時の計算の仕方は何を使って考えたかを想起させる。 ○考えがうまく進まないグループには,繰り上がりに10の束を作ることを助言する。




 

評価【考え方】
位取り表を使って,1のばらが10になると,十の位へ1繰り上がることを操作することができる。
(観察・位取り図)




6.筆算の仕方を声に出して唱える。 〈アルゴリズム〉

一の位は4+8=12です。
十の位に1くり上げます。
十の位は1+3+2=6です。
答えは62です。

・筆算で確かめる。 7.筆算の仕方についてまとめる。
○全員に筆算の仕方を唱えさせる。 34+28=62 ○ノートに書かせる。 ○デジタルコンテンツで筆算の仕方を提示する。 ○十の位に1繰り上がったことを確認させる。 ○繰り上がりの補助数字は十の位の上に書かせる。
  【まとめ】
 

くり上がりのあるひっさんは,一のくらいからたして,十のくらいに1くりあげる。





7.問題の2問を筆算でする。 8.練習問題をする。 ○繰り上がって一の位が空位になる場合や桁数がそろっていない場合の練習であるので全体で確認をしながら進める。 35+28  76+14  7+34 ○机間指導をしながら,理解が遅い児童には,個別に支援をする。
 

評価【技能】
繰り上がりの1を,十の位の数の上に書いて,たし算の筆算ができる。
(プリント)

○練習問題のプリントを配る。
  9.本時の学習を振り返る。 ○本時のめあてについて,振り返りをさせる。自己評価を◎○△で記入させる。

6.成果と課題

(1)成果

  • ① 本時では,前時との学習のつながりをもたせることで,「くり上がりのある,ひっさんのしかたをかんがえよう」という,めあてを意識化させることができた。
  • ② ノートにしっかりめあてを書く,1行空ける,ますを使うなどのノート指導,発表の仕方,「まなびあい」活動の仕方などの学習規律はできていた。
  • ③ 位取り表を使って自分の考えを図で示すことができていた。その後のグループでの「まなびあい」活動では,お互いが考えた図を見せ合って,どの考え方がわかりやすいかを話し合うことができた。
  • ④ 全体での「まなびあい」活動の中での,グループの発表では,「はじめに」「つぎに」「さいごに」という言葉を使って,筋道を立てた説明ができていた。
  • ⑤ グループでの「まなびあい」の中で,「あっ,そうか」「わかった」などという声が聞かれた点では,確かな理解へとつなげることができた。
  • ⑥ 1のばらが10になると,十の位に1繰り上がる構成を,電子黒板を使って,動きで示した自作のデジタルコンテンツで示すことにより,視覚的にも捉えさせることができた。
  • ⑦ 単元のまとめのテストでの学級平均は,100点満点で思考82点,技能92点,知識・理解90点でおおむね理解の達成はできた。

(2)課題

  • ① 図をかかせるだけでなく,「数え棒」や「10のカード」を使って,繰り上がりの構成など,より確かな理解をさせるためには,一人一人の操作活動を行わせることが大切である。
  • ② 授業展開の中で,グループでの「まなびあい」に予定より多くの時間がかかり,時間配分の計画がずれて,習熟の問題に取り組む時間が十分取れなかった。
  • ③ 持ち寄った考えの中から,よりよい考えをグループで選ぶのは児童のレベルでは難しいので,選ぶ視点を明確に与えることが必要である。
  • ④ 「めあて」の振り返りの自己評価では,理解して欲しい具体的な基準を児童に示し,実際どうであったかを◎,○,△で評価させる必要がある。

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