私の実践・私の工夫 生活科

1年

「つくって あそんで いっしょに にんじゃ」
【内容(8)幼保小の交流】の実践

福岡県久留米市立西国分小学校
1年生担任 宮崎 岸森 下河 山川 池末 高山
授業協力者 石橋 敬嗣(文責)
 

1.単元の目標

(1) 学年の友達や園児とかかわることに関心をもち,自分の思いや願いをもってつくったり,遊んだりする活動を意欲的に行い,相手に親しみをもちながら進んで交流しようとする態度を育てる。
【生活への関心・意欲・態度】

(2) もっと仲良くなりたいという思いや願いをもち,進んで交流するための方法を考え,学年の友達や園児と考えを伝え合ったり,気付きを絵や文で表現したりすることができるようにする。
【活動や体験についての思考・表現】

(3) 自分のことや自分の伝えたいことが学年の友達や園児に伝わったり,相手のことや相手の伝えたいことを知ることができたりした時の楽しさに気付くとともに,相手のことを考えてかかわることができるようになった自分の成長に気付くことができるようにする。
【身近な環境や自分への気付き】

2.単元指導計画(12時間)

第1次
忍者修業のお話を聞き,単元のめあて及びコースの単元のめあてをつかむ。(3時間)
第2次
3つのコース(ことばあそび,からだあそび,ものつくり)に分かれ,園児や友達と協力しながら忍者修業を行う。(7時間)
第3次
これまでの忍者修業を振り返るとともに,「忍者認定書」を受け取る。(2時間)

3.授業づくりのポイント

(1)対象への思いを高め,自分の生活を豊かにする子どもを育む教材化の視点

(2)生活科,総合的な学習の時間の特性に配慮した探究の質を高める活動構成

生活科においては,《探究の質を高めるプロセス》を弾力的に位置付ける。

(3)子どもの達成感の獲得と思いや願いの実現に向けた最適な支援と評価

4.授業の実際

(1)第1次 「やってみる」段階

出会い 印象的に対象と出会いふれ合う
 
課題の設定 対象とかかわったことをもとに課題を設定する
巻物の内容を紹介する教師
忍者修行の意欲を高め,自分がチャレンジしたいコースを決定した。
ことばあそびコースの様子
教師の作ったお話すごろくで実際に遊んでみて,単元のめあてをつかんだ。

(2)第2次 「ふかめる」段階 ※ものづくりコースの場合

情報の収集I 必要な情報を取り出したり収集したりする
 
整理・分析I 収集した情報を整理したり分析したりして考える
忍者図鑑からの情報収集
忍者屋敷の屋根の形や屋敷につける仕掛けをつくったらよいかなど参考にしていった。
グループでの話し合いの様子
園児の意見も取り上げながら,忍者屋敷の完成予想図を作成していった。
情報の収集II 新たな情報を取り出したり収集したりする
 
整理・分II 新たに収集した情報を整理したり分析したりして考える
忍者屋敷の模型を見る
模型をもとにして,段ボールの組み合わせ方に対するイメージをもたせることができた。
グループで話し合いながら作る
相手に話し掛けて思いを感じ取り相談しながら屋敷の仕掛けづくりを行った。

(3)第3次 「いかす」段階 ※ものづくりコースの場合

まとめ・表現 気付きの発見,自分の考えなどを判断し,まとめ,表現する
 
振り返り 学び方の意味や価値を見出したり,自己の成長と結び付けて考えたりする
他のグループの友達へ紹介する
自分たちのグループの工夫点を,他のグループの友達へ紹介していった。
コース全体での振り返り
園児の感想の中に,小学生への感謝の言葉があり,小学生は有用感を感じることができた。

5.実践を終えて

子どもたちが園児と交流している時の姿や「仲良し交流ノート」の内容を分析すると,左図のように,段階的に自尊感情と他者へのかかわり方を高めていったことがわかった。今後も,生活科の学習を行うことを通して,子どもたちが,進んで人とかかわることを楽しみ,自分の生活を豊かにしていけるように努めていきたい。

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