2年
「おいしいやさいまつり」   
〜地域への愛着を深める生活科学習指導の工夫〜  
久留米市立小森野小学校
真子 閲子

1.はじめに

 本校は,久留米市でも野菜作りが盛んな地域にあり,昔から子どもを地域の宝として育てていこうとする考え方がある。しかし,近年新しい道路や橋が開発され新しい住宅が増え,新旧入り交じり地域と子どもとの関わりが薄れてきている面もある。

 また,子どもたちの生活の様子を見てみると体験活動を好み,素直に感動を表現するよさがある反面,地域の人の関わりやよさに気づかずに過ごしていることが多い。
 そこで,自分の住む地域に愛着をもつとともに,その中で適切に行動できるようになる生活科学習を目指して,地域の方と関わる活動,心の交流を取り入れた単元を組み立て実践していった。


2.具体的な取り組み

表) 子どもたちの思いをつなぐ年間単元配列(一部)
(1) 地域との継続的な関わりをもつために

1)

 コミュニテイースクール委員会の活用
 学校と地域を結ぶコミュニテイースクール委員会との連絡を密に行い,環境の整備やGTのお世話をしていただいた。

2)

 GTの年間指導計画への位置づけ
地域,保護者に得意な分野を調査しGTとして協力していただける方を発掘し,年間計画に中に継続して関わっていただけるよう意図的に位置づけた。

3)

 日々のふれ合い
 GTとして一度だけ学校に来ていただく関係でなく,日常的に質問に行ったり,とれた野菜を届けたりしながら,常に交流を持った。GTの方も休みの日に畑に立ち寄ってくださったり,野菜料理を作ってくださったりと,いつでも気軽に学校へ関わってもらうようになった。

(2)

 子どもの視点で単元配列を

1)

 子どもの思いをつなぐ単元構成
 子どもが意欲的に活動するには,自分が感じた思いや発想が実現していく事が大きな要因となる。そこで体験から生まれた子どもの興味関心を大切にして,活動を考え,構成していった。

2)

 子どもの思いが発展する年間計画
 左表に示すように,年間を通して単元と単元が子どもの意識でつながるように単元の週末の思いが次の単元の出発点になるように工夫した。


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