4年
体験的活動を通して,    
基礎・基本をしっかり身につける楽しい算数    
〜「面積」の学習を通して〜    
兵庫県赤穂市立城西小学校

1.はじめに

 研究テーマ
体験的活動を通して,基礎・基本をしっかり身につける楽しい算数


 重点目標
1. 学習形態の工夫
2. 算数的活動の工夫
3. 家庭との連携

これらの3点に留意した取り組みを以下にまとめていきたい。


2.学習形態と算数的活動の工夫に重点を置いた取り組み

  次の図形の面積を工夫して求めましょう。  


《学習形態の工夫》

 個人で考えた後,「ペア」「4人チーム」と友達との関わりの場を設け,友達と自分の考えを伝え合い,その中で自分なりの考えをより明確に持たせていった。

《算数的活動の工夫》

 図形をかいたワークプリントを多めに用意しておき,一応の解決をみた児童にはさらにいろいろな考え方にチャレンジするように助言した。

以下のような求め方が児童の中から出てきた。

上と下で半分に切って長方形2つにして求めました。 縦に切って右と左に分けて求めました。
大きな長方形にしてから小さな長方形を引いて求めました。 3つに分けてそれぞれの面積を求めて足しました。
1cmのマス目を作って求めました。  
上下に切ったとき、縦の長さが同じなので横に並べて求めました。


◆授業後の感想◆

 自分の考えをワークプリントに表現することによって算数的思考を深めることができた。

 また,友達と関わり合って意見の交流をしたり,求め方を発表する際につけ足しや質問など,みんなでやりとりをすることによって,友達のの内容に感心したり,驚いたりする中で,みんなで学習することの楽しさやすばらしさを実感することができた。

3.算数的活動の工夫と家庭との連携に重点を置いた取り組み

 基礎・基本の定着を図るためには,児童に対して学級と家庭の両方から働きかけることが大切と考え,家庭との連携にも取り組んできた。

  家の人と面積ゲームをしよう。  

 以下のような面積を求める問題が載っているカードを数十枚用意し,家庭学習として「面積ゲーム」を家の人といっしょにするように呼びかけた。
 学習してきたことを生かして家の人と算数的活動を楽しむと同時に,家の人には学習状況を把握してもらい,学校と家庭とが連携して児童に関わっていくことができた。


《児童の感想》

 家で面積ゲームをしました。カードに四角形がかかれていて,「実物」と書いているところは自分で長さを測ります。あとは長さが書いてあるので,たてと横の長さをかけると面積が出ます。

 正方形は一つの辺の長さが分かれば面積が出ます。とても楽しかったです。

《親からのメッセージ》

B子へ
一言で面積といっても何なのか全く知らなかったと思うよ。なのに,こんなに奥の深い勉強をしていたんだね。B子はいろいろな事やものに興味があるから,学校で勉強したことを,すぐ家で他のものに置き換えたりしていたね。次々,新しい事も自分たちで考えたりしていたんだね。

これだけの事が勉強できたんだから,また次の学習でもいい考えが思いついていい勉強ができるね。「チャレンジ!B子」の精神で何事もガンバレ!

4.おわりに

 「学習形態の工夫」「算数的活動の工夫」「家庭との連携」この3点に重点を置いて実践を進めてきた。個人思考から小集団・全体へ,具体的活動から抽象思考へ,学校と家庭との両面からの子どもへの関わりといった点で,少しずつ成果は出てきているように思われる。

 しかし,今後さらに児童一人一人の学習の理解度を的確に把握し,それに応じた学習形態や算数的活動等の支援方法の研究や,親子で楽しみながらできるゲーム感覚の家庭学習をより多く開発していき,保護者の声も大切にした授業づくりをしていくように研究を深めていきたい。

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