4年
感熱紙を使って,「金属板の温まり方」を見てみよう
−「物のあたたまり方」の指導を通して−
埼玉県狭山市立奥富小学校
岩崎 隆
1.この単元は?

 この単元は「金属は熱せられた部分から順に温まるが,水や空気は熱せられた部分が移動して全体が温まること」という内容です。
 金属と水・空気では,温まり方に違いがあるので,その違いをどうやって明らかにし,どう意識させていくかが子どもの理解を深めるのに大切なことだと考えます。

 また,物が温まったか,そうでないかは見ているだけではわかりません。また,手でさわっただけでは,はっきりしない場合や安全上さわれないこともあります。
 だから,温まったかどうかをはっきりさせるために,間接的な方法で温まったことがわかるようにする必要があります。そこで,感熱紙を使って視覚的に金属板の温まり方がわかるように工夫してみました。

用意したもの  ・金属板・感熱紙・丸形水槽・スタンド・アルコールランプ・マッチ
 ・燃えかす入れ・ぬれ雑巾


感熱紙の使い方
 感熱紙を金属板より少し小さく切ります。
 黒くなるほうを表にして,感熱紙を水につけ金属板に貼り付けます。
 長時間あぶると燃えることがあるので注意が必要です。
 火を当てるところを切り抜くか,結果がわかったら火を消すようにします。

2.指導計画(総時間数は9時間)

 第1次 金属の温まり方・・・・・・4時間(本時は4時間目)

  1)2) 金属棒の一部分を温めると,どのように温まっていくのだろう。
  3)4) 金属が板のようになっているときは,どのような温まり方をするのだろう。

 第2次 水や空気の温まり方・・・・4時間

  1)  水も空気と同じような温まり方をするのだろうか。
  2)  水が動いて温まるかどうか調べてみよう。
  3)4) 空気はどのようにして全体が温まるのだろう。

 発展  熱気球を作って遊ぶ・・・・・1時間

3.本時(第1次 4時間目)

(1)目標

 ・金属板は,温められた部分から順に円が広がるように温まっていくことを,工夫して調べることができる。

(2)本時(と前時)について

 前時では,金属棒を温めた経験を生かして金属板の温まり方を確かめる方法を工夫・改良して,金属板の温まり方を調べることはできるかどうか話し合いました。それぞれ行った実験方法の良い点・不都合な点を考える場を設け,金属板の場合はどの方法がいいかを班ごとに考えさせ,良いと思う順番に本時で実験を行うことになっています。このように,実験方法を考え,話し合わせていくことで問題にあう実験方法を選ぶ判断力をつけていきたいと考えました。

 感熱紙を使うという方法は,児童から出てこなかったので,教師側から「こんな方法もあるよ」という形で出しました。

(3)本時の学習の流れ

 1)前時の確認をする。
  ・実験の手順
  ・方法の確認
  ・金属板の温まり方の予想
 
 金属板の温まり方を調べよう
 
 2)2〜3人でグループを作り,良いと思う方法から実験する。
  ・感熱紙を使う。
  ・ろうを使う。
  ・バターを使う。
  ・その他
 
 3)時間の許す限り,いろいろな方法で,温める場所を変えたり,金属板の形を変えたりして実験する。
 
 4)実験の結果をまとめる。
 
 温めたところから,順に円が広がるように温まっていく
 
 5)日常生活の中で,物の温まり方の違いを利用している例を紹介してある資料を,用意しておき,児童に配布する。
 
 6)授業の感想を書く。

(4)その他

 感熱紙を使うと温まったところが同心円状に広がっていく様子がはっきりとわかります。
 また,実験に使った感熱紙は,そのまま結果としてノートに貼ることができます。


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