算数科学習指導案

平成17年11月15日(3校時)
長者小学校 5年3組 28名
指導者 教諭  坂本 明希子

1.単元名  式と計算

2.単元について

 本単元は,学習指導要領の以下の内容を受けて設定したものである。

(1) 四則に関して成り立つ性質についてまとめる。
 交換法則,結合法則や分配法則についての理解を深めること

 整数に関する交換,結合,分配法則,さらに乗除の計算の性質などについては,加法や乗法の計算の仕方を考えたり確かめたりする学習の過程で扱ってきている。また,式についても,数量や数量関係を式表示することを経験している。本単元では,計算の範囲を小数に広げても同じように計算法則が成り立つことを理解し,式の形に着目して数量や数量の関係を読み取ることができるようにすることをねらいとしている。計算のきまりをまとめることで形式的な学習になりがちの単元であるが,実際に計算して確かめる活動を多くしたり,具体的な場面に置き換えて式の意味を考えさせるなどしながら,数の見方を伸ばすようにしたい。
 本時は,前時にまとめた結合・分配法則などの計算法則を活用しながら,工夫して計算する方法を考える学習である。計算の過程を通して,順序を入れかえて計算したり,1つの数を2つの積の和として計算したり,積の見当づけをもとにして計算できる技能を身に付けさせたい。また,ここでは,計算の工夫の仕方を単に覚えさせるのではなく,このように計算するとなるほど便利だという実感を持たせる中で,計算法則の存在に気づかせ,法則への理解を深めるとともに,数や計算に対する感覚を豊かに育むようにしたい。

3.児童について

 児童は,これまでに交換・結合・分配法則や加減乗除や( )の混合した計算の順序について学習してきている。しかし,結合・分配法則は,1つの要素を2つの要素に合成したり,その逆に分解したりする見方が必要である。数や計算のしくみに対する見方や感覚が育っていない児童は,それらのきまりを使って工夫して計算することに抵抗を感じると考えられる。そこで,本時では,考える足場において結合・分配法則の数の分解や合成の仕方を振り返り,10や100の扱いやすい数字に目をつけるとよいことを押さえ見通しを持って解決できるようにしたい。また,学習形態を全体から個人へという流れにすることで,計算方法をより確かなものとし自信を持って問題に取り組ませたいと考える。

4.単元の目標

 (1) 式の扱いに関心を持ち,計算法則を活用して計算を工夫しようとする。
  【関心・意欲・態度】
 (2) 計算法則を活用して計算を工夫したり,式の表す意味を,具体に即していろいろによみとったりすることができる。
【数学的な考え】
 (3) 計算のきまりを用いて計算ができる。 【表現・処理】
 (4) 小数を含めた計算法則についてまとめて理解ができる。加減,乗除の相互関係に理解をまとめる。
【知識・理解】

5.指導計画(5時間)

    ・ 計算のきまり ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間(本時2/5)
    ・ 式のよみ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間
    ・ 加減・乗除の相互関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間

6.校内研とのかかわり

 本単元では,導入場面に考える足場(主問題を自力解決するために必要とされる基礎・基本)を設定し,児童の解決の手立てとなるようにする。本時の考える足場は「既習問題の解法を振り返る」タイプの足場である。前時では,交換・結合・分配法則など整数の計算のきまりを確かめ,小数の場合でもそのきまりが成り立つことを学習している。本時では,その計算のきまりを「考える足場」として振り返ることにより,計算の工夫に気づき「この計算のきまりが使えそうだ」という意欲や見通しを持って問題に取り組むことができるのではないかと考える。また,計算法則を活用すると様々な計算の工夫ができ複雑な計算でも簡単に計算を進めることができることに気づかせたい。

7.本時の指導(本時2/5)

 (1) 題材名   計算のきまりを使って
 (2) 目標    整数や小数の計算を結合法則,分配法則などの計算方法を活用し工夫して計算することができる。
 (3) 展開    

学習活動 教師の支援 留意点・評価
1. 考えるステップをつくる。

分配法則と結合法則を振り返る。
1 57+6+4 = 57+(6+4)
2 19×4×25 = 19×(4×25)
3 (20+80)×5 = 20×5+80×5
前時で学習した計算法則を想起させ,本時問題の解決の手立てとする。
( )を使ってまとめると簡単に計算できることに気づかせる。
10や100に目をつけてまとめていることに気づかせる。
25×4=100を押さえる。
アイデアを板書する。
2. 学習のめあてを確認する。.
   
10や100に目をつけ,計算のきまりを使って工夫して計算しよう。
 
3. 主問題1を解く。〔全体学習〕
 1 43+82+57 = (43+57)+82
  = 100+82
  = 182
考える足場にもどり,どのきまりを使うと計算しやすくなるか考えさせる。
全体学習を行い,計算の工夫のアイデアをクラス全体で共有する。
 2 25×36 = 25×(4×9)
  = (25×4)×9
  = 100×9
  = 900
 3 99×56 = (100−1)×56
  = 100×56−1×56
  = 5600−56
  = 5644
100がでてくるような数の分解や合成を考えさせる。
43+57
36 = 4×9
25×4 = 100
99 = 100−1
評価 1 【考え方】
  計算のきまりを使って発展的に考えることができたか。(観察・ノート)
4. 主問題2を解く。〔個人学習〕
 1 7.2+9.5+0.5 = 7.2+(9.5+0.5)
  = 7.2+10
  = 17.2
主問題1の解き方を参考にさせる。
つまずいている児童には主問題1の解き方を振り返らせ,10や100をつくるアイデアに気づかせる。
 2 2.5×16 = 2.5×(4×4)
  = (2.5×4)×4
  = 10×4
  = 40
主問題1と考える足場にもどり,どのきまりを使っているか明確にさせる。
 3 98×0.5 = (100−2)×0.5
  = 100×0.5−2×0.5
  = 50−1
  = 49
小数でも整数と同じように計算のきまりを使って工夫して計算できることを押さえる。
評価 2
【表現・処理】
  計算のきまりを使って発展的に考えることができたか。(観察・ノート)
5.学習のまとめをする。    
計算のきまりを使えば,簡単に計算できる。小数でも整数と同じように計算の工夫ができる。
 
6.練習問題を解く。

   

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