第1学年 英語科学習指導

久留米市立牟田山中学校
(平成15・16年度 学力向上フロンティア事業指定校)


1.単元名

 『Program8 E-mailを書こう』

2.本単元指導のポイント

  
(1)  “2年生からのe-mailに返事を書く”という学習目標を掲げ,現在進行形の人称目的格の学習を進める。その際,診断的評価・形成的評価・総括的評価の3段階の評価を行い,生徒たちの習熟度別学習を行う。

(2)  習熟度別学習は,発展コースと補充コースの2コースとし,苦手な英語に親しむという観点からALTは補充コースの授業により多く参加する。授業の重点課題としては発展コースは即時的に英語を話すことを中心に学習を行い,補充コースは例文の応用を中心とした会話活動を中心に行う。

3.目標

 (1) 現在進行形や目的格を使って,自分の意見や考えを積極的に表現しようとする。「関心・意欲・態度」
 (2) 現在進行形や目的格を使って表現できる。「思考・判断」
 (3) 6行以上のEメールの文を理解し,適切な返答ができる。「表現・技能」
 (4) 現在進行形や目的格が使われた文の構造や日本語の意味を理解する。「知識・理解」


4.単元計画(10時間)
 

5.発展的な学習や補充的な学習に進むための評価

 ○診断的評価…新出文型についての文法テスト

 ○形成的評価…生徒の作品を中心に教師が評価する。
 本単元の場合は,【資料1】に見られるような生徒が書いた手紙で,本単元のめあてが達成できたのかどうかを判断した。

 【資料1】生徒が書いたe-mail
Hello I am Keiko. Thank you for your nice letter. I am using a computer now.
I like Smap. Do you Like them?

 ○総括的評価…ALTからのe-mailを使った文法確認テスト

6.習熟度別の学習の実際

段階発展コースの学習補充コースの学習
目標
現在進行形や人称代名詞の目的格を使って,自分の今の様子や考えを表現することができる。また,友達の発言を理解できる。
現在進行形の文を用いて,自分の今の様子を書くことができる。
把握 1.Warm up activity.
●Q&A活動を行う。
 ◇絵やカードを用いて,既習の構文の繰り返し練習を行った。
 ※よく発言できていた。
●ジェスチャーゲームを行う。
 ◇活動の説明をし,練習を行う。
 ※恥ずかしそうにしていたので,さらに教師の援助に工夫が必要である。
●本時のめあてを確認する。
 『4行以上のe-mailを書こう』
1.Warm up activity.
●Q&A活動を行う。
 ◇ALTと会話をするグループと JTEと会話をするグループとに別れて実施した。生徒の理解を助けるために,絵やカードを用いた。
 ※よく発言できていたが,man to manの会話練習だったので,待ち時間に生徒が行う活動も準備しておく必要がある。
●本時のめあてを確認する
 『3行以上のe-mailを書こう』
追求 2.現在進行形と人称代名詞の目的格を使って,自分の今の様子や考えを表現することができる。また,友達の発言を理解できる。
●2年生からのe-mailを読む。
(ex)Hello. My name is Ken. I am a member of basketball club. I like it very much. I am writing this mail now.
Do you use a computer?
 ◇生徒の興味・関心を引き出すために,2年生からのe-mail(手紙)を配布する。
 ◇生徒同士のインタラクションを促すために,4人のメールを全体に紹介する。
 ◇生徒がe-mailの内容を理解できるように,語句や表現の説明を行う。
 ◇全員に辞書を配布する。
 ※2年生からのe-mailは大変興味を持ち,熱心に読んでいた。
 ※e-mailの内容を理解したいという興味・関心が強く,辞書をよく活用していた。
2.現在進行形の文を使って,自分の今の様子を表現することができる。また,友達の発言を理解できる。
生徒の日常の生活の様子をビデオ編集したものを見ながら,現在進行形について確認する。
(ex)I am playing baseball.
I am studying English.
 ◇生徒の興味・関心を引き出すために,クラスの生徒が登場するビデオを使う。
 ※とても楽しそうに見て,英文で表現することができていた。
2年生からのe-mailを読む。
 ◇生徒の興味・関心を引き出すために,2年生からのe-mail(手紙)を配布する。
 ◇全員に辞書を配布する。
 ※2年生からのe-mailは大変興味を持ち,熱心に読んでいた。
 ※e-mailの内容を理解したいという興味・関心が強く,辞書をよく活用していた。
発展 3.先生や友達からの助言を参考に,現在進行形と人称代名詞の目的格を使って,4文以上の返事を書く。
●返事を書く。
 ◇e-mailの返事を円滑に書くことができるように,3段階のヒントカードを兼ねたワークシートを準備し,生徒が選択できるようにする。
 ※ヒントが少なく,自分で考えて書くスペースが多いワークシートを選んだ生徒が最も多かった。


返事を書く生徒の様子

●発表する。
●自己評価をする。
 ◇5段階尺度評定表で,“4行以上のe-mailを書くことがきましたか”に対して,学級平均4.0の高い数値を示していることから,本時の授業は目標を達成することはできたと言える。
 これは,生徒の記述の中に「2年生からのe-mailがうれしかった」とあることから,活動自体が生徒の興味・関心を高めることに有効であったと言える。
3.先生や友達からの助言を参考に,現在進行形を使って,3文以上の返事を書く。
 ◇e-mailの返事を円滑に書くことができるように,3段階のヒントカードを兼ねたワークシートを準備し,生徒が選択できるようにする。
 ◇個に応じた指導ができるように,ALTとJTEとが10名ずつ担当する。


生徒を指導するALT

●自己評価をする。
 ◇5段階尺度評定表で,“3行以上のe-mailを書くことがきましたか”に対して,学級平均3.2と満足できる結果はでなかった。
 これは,文法事項を確する時間が長く,返事を書くための時間を充分に確保することができなかったためである。しかし,もっと返事を書きたいという生徒の意欲は高い。そのため,次の授業でさらに書く活動を行い,自己評価を行った結果,4.2という高い数値を示すことができた。

7.資料

〈補充コース〉 e-mailを書くためのワークシートA(最もヒントが少ない)の一部