プログラミング教育とは

そもそもプログラミングってなに?

そもそもプログラミングってなに?

私たちの生活はインターネットの普及により大きく変わり、今ではパソコンやスマートフォンを持つことが当たり前になっています。最近ではAI(人工知能)という言葉をよく耳にするようになりました。これらすべてに関わってくるのがプログラミングです。

プログラミングと聞くと難しく感じますよね。でも中身はとてもシンプルです。プログラミングとは、“コンピュータをどう動かすかの指示をまとめたもの(=プログラム)をつくること”です。料理でいいかえると、“料理の仕方をまとめたもの(=レシピ)をつくること”になります。料理人がレシピをみて食事を作るように、コンピュータがプログラムに沿って動作します。プログラマーと呼ばれる人たちがプログラミングを行い、プログラムを作っているのです。

コンピュータは計算などの処理は早いのですが、プログラムがないと動くことができません。この世界では、目には見えにくい無数のプログラムによって生活が成り立っています。

なぜ小学校でプログラミング教育がはじまるの?

なぜ小学校でプログラミング教育がはじまるの?

2020年から始まる新学習指導要領では、小学校で「プログラミング教育」を行うことが決まっています。令和の時代を生きる子供たちの多くは、コンピュータと共に生きることが当然の環境で生活しています。アメリカやヨーロッパの国の一部では、小学校で「プログラミング教育」を行うことがすでに当たり前になっています。

インターネットの普及により、グローバル化はますます避けられなくなっています。職業も多様化し、現在の働き方が大きく変わるかもしれないとの声もあります。そのような状況で重要だと考えられているのが「プログラミング教育」です。

小学校における「プログラミング教育」では、プログラミング言語を暗記したり、プログラミングの技能を習得するといったことではなく、「プログラミング的思考」をはぐくむことに重点がおかれています。

プログラミング的思考とは、簡単にまとめると「コンピュータのプログラミングをするときのような論理的な考え方」のことです。論理的とは、物事を一から順に筋道たてること。この考え方を習得すれば、日常生活で問題がおきたときに論理的に考え、行動することができるようになります。

今後、AIが発達することにより、現在ある仕事の大部分がAIに置きかわるという意見もあります。デジタル化はどんどん進み、将来の予測がますます困難な時代になるでしょう。プログラミング教育を通して、子どもたちが情報に対して受け身の姿勢ではなく、自ら考え、行動できる力を持てるようになることが期待されています。

学校ではどのように学ぶの?

学校ではどのように学ぶの?

2020年度から、プログラミング教育は小学校から高校まで必修になることが決まっています。中学校では「技術科」、高校では「情報科」という教科で学びますが、小学校では「プログラミング」という教科ができるわけではなく、既存の教科の中や総合的な学習などの時間でプログラミングのエッセンスを学ぶことになりそうです。

授業内容は各学校の裁量に任されており、パソコンやタブレットを使ってプログラミングを体験する授業は想定されますが、必ずしも毎回パソコンを使って授業をするとは限りません。

「アンプラグド教材」とよばれる電子機器を使わない授業も考えられます。たとえば『ドリルの王様 楽しいプログラミング』のような紙のドリルやカードを使った教材など、いろいろな方法を活用し、まずは子どもたちが興味あるところから進んでいきそうです。

商品情報

「ドリルの王様 楽しいプログラミング」ってどんな本?

「ドリルの王様 楽しいプログラミング」ってどんな本?

2020年度に小学校で必修化となるプログラミング教育では、作業を分解したり、それを順序立てて表現する“プログラミング的思考”を身につけることが求められています。
本書は楽しみながら問題を解いて“プログラミング的思考”を育成する、小学生にぴったりなパソコンいらずのプログラミング教材です。

本書の特長は?

  • 1.2020年から小学校ではじまるプログラミング教育に対応。
  • 2.文部科学省主催の有識者会議の委員を務めた兼宗進先生が制作に全面協力。
  • 3.パソコンいらずでプログラミング経験ゼロでも無理なく取り組める。

これからの時代に必要な能力を、無理なく着実に身につけることができるドリルです。

内容を教えて!

[順序]フローチャートの1つ1つの命令とロボットの動きを対応させることで、「順序」の考え方が身につきます。

順序

[繰り返し]フローチャートを見て、繰り返す内容を理解することで、「繰り返し」の考え方が身につきます。

繰り返し

[分岐]フローチャートに従って、クッキーをどのふくろに入れるかを判断することで、「分岐」の考え方が身につきます。

分岐

[複合問題]これまで学習したことを使って、正五角形をかく命令を考えます。PCなどを使ったプログラミングと同様の内容を扱っています。

複合問題

[変数] ロボットが最後に伝えられたことばが何かを判断することで、「変数」の考え方が身につきます。

変数

[配列] 並べられたデータから宣言された要素を取り出すことで、「配列」の考え方が身につきます。

配列

[関数] ロボットがどれだけ進むかが指定された命令を理解することをとおして、「関数」の考え方が身につきます。

関数

[コンピュータの考え方] 黒色にぬるところと色をぬらないところを重ねたときにどう見えるかを、ルールに従って判断することで、「1つ以上の条件が成り立つ(論理和)」という考え方が身につきます。

コンピュータの考え方

[アルゴリズム] あめを別のビンにいれかえることをとおして、アルゴリズムの1つである「値の交換(スワップ)」の考え方が身につきます。

アルゴリズム

[データ活用] 2つの表から必要な情報を取り出し、問題解決することで、「データ活用」の考え方が身につきます。

データ活用

[移り変わり図] 「自動販売機で商品を買う」などの流れを表した図と、選択肢にかかれている文章とを読解することで、「移り変わり図」について理解します。

移り変わり図

[学習内容]本書では下の表のように、順序や繰り返しの学習内容を系統的に扱っています。

学習内容

監修者・著者より

兼宗 進
監修 兼宗 進
大阪電気通信大学教授
コンピュータはパソコンやスマートフォン、タブレットなど、いろいろな形で便利に使われています。ゲームやアプリなどの複雑な動きをするプログラムは、基本的には単純な機能の組み合わせで動いています。このドリルでは、コンピュータが動くときの考え方を理解できるように工夫しています。
島袋 舞子
著 島袋 舞子
大阪電気通信大学
特任講師

子どもたちが楽しく問題に取り組むことをとおして、コンピュータの考え方に触れることができる問題を作成しました。ドリルの学習とともに、コンピュータを使ったプログラミングを体験するとより理解が深まります。下のWebサイトでは、簡単なプログラミングを体験することができます。

大阪電気通信大学 兼宗研究室 ドリルの王様情報サイト
https://es-drill.eplang.jp

ドリル体験会のようす

令和元年5月4日に大阪電気通信大学でドリル体験会を実施しました。
本書の著者である島袋先生が講師です。

子どもたちはドリルに夢中!まるでパズルみたいだね、と楽しんで解いていました。
  • ドリル体験会のようす
  • ドリル体験会のようす
  • ドリル体験会のようす
ドリルのあとにタブレットを使ったプログラミングも行いました。
  • ドリル体験会のようす
  • ドリル体験会のようす
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プログラミングと読解力

以下の記事は日本語の文法に関する研究者である青山学院大学教授の近藤泰弘先生の取材をもとに作成しました。

これからの時代に必要とされる“読解力”

これからの時代に必要とされる“読解力”

近年の研究により人工知能(AI)が発達し、これまでに人間が行っていた仕事の半分がAIに奪われる、ともいわれています。それは実現するとしても相当先のことでしょうが、今後、人間側がAIなどのコンピュータを使いこなすことは大変に重要になってきます。

そのための基礎となるのが、資料をコンピュータに与えるために、様々な文献や情報を読み解く能力です。
国立情報学研究所の調査でも、読解の能力が十分でないと言われていますし、大学入試の国語の問題なども今後多様化してくることが考えられ、読解力の養成は、今後非常に重要なものになってくると思われます。

読解力を高めるために必要な論理的思考力

読解力を高めるために必要な論理的思考力

読解力はいろいろな力が相互に関連する複雑な能力です。ある一つの力を伸ばせば読解力があがる、と簡単にいうことはできません。

ただ確実にいえることは、「物事を筋道立てて理解・表現する力=論理的思考力」が読解力の育成に必要となります。たとえば物語の主人公の意図を理解するためには、主人公の身に起きた出来事をもとに推測しなければなりません。
出来事によって得られた結果を整理し、それが主人公にどのような影響を及ぼすのか、筋道立てて考えることが必要とされます。

論理的思考力はプログラミングで楽しく身につく

論理的思考力はプログラミングで楽しく身につく

論理的思考力とプログラミング的思考には共通性があります。またプログラミングをすることと文章を理解することにも共通性があります。

たとえばプログラミング的思考の一つに「順次処理」という考えがありますが、これはプログラムの命令を順番に行うことをいいます。文章も言葉を正しい順番に連ねていくことですので、順次処理ということができます。
プログラミングを学習することでプログラミング的思考が身につき、より論理的思考力が磨かれていくのです。

さらにプログラミングのいいところに楽しく学べることがあげられます。もし論理的な文章、たとえば憲法などの法律文を読んで論理的思考力を磨く授業があったらどう思いますか。あまり楽しい授業にはならなそうですよね(笑)
プログラミングならアニメーションなど動きがありますし、本書のようにパズル感覚で楽しく身につけることができます。

論理的思考力で作文力も身につく

論理的思考力で作文力も身につく

また論理的思考力を身につけることで作文力も身につきます。
筋道立てて言葉を並べていくことで文章を書くことができますし、物語の基本構成である起承転結の考えも身につきます。

実は起承転結の考え方もプログラミング的思考と似ています。起はイベント、承は次に続く順次、転は分岐、結はプログラミングをクローズすることです。プログラミングをして論理的思考力を身につけることで、文が読めるようになり、書けるようになるのです。

最後に必要なものは“心”

最後に必要なものは“心”

これまで読解力について述べてきましたが、私が読解力を身につけるために最後に必要だと思うのは“心”です。情報学の大家の長尾真氏が指摘されるように、話し手の心がわからなければ本当の意味での読解はできないと考えています。

論理的な文の代表格である法律文でさえ、裁判官や弁護士によって解釈が異なるように、人間の感情抜きでは考えることができません。
日常生活でも相手の心を思いやることでコミュニケーションが生まれます。たんに論理的であればよいというわけではありません。

とはいえ、読解力を身につけるためにまずは論理的思考力を育むことが重要となります。論理的思考を学ぶことでその限界を知り、心を大事に育て、コンピュータではできない発想をもつ人が増えればいいなと思います。

近藤泰弘 青山学院大学文学部教授
東京大学助手,日本女子大学助教授,青山学院大学助教授を経て現職。
専門は日本語文法の記述的研究。コンピュータを用いたテキスト処理技術によって大量の日本語データを処理する方法によって日本語文法記述の理論的な方法を研究している。インターネットを用いた日本語文法の記述方法やそのためのソフトウェアの開発も行っている。

学校・塾の教員の方へ

以下の記事は日本語の文法に関する研究者である青山学院大学教授の近藤泰弘先生の取材をもとに作成しました。

学校や塾でのプログラミング学習にオススメ

学校や塾でのプログラミング学習にオススメ

私は40年以上日本語の文法研究に取り組んでおります。この研究では言葉のデータベースを作成・分析を行なっているため、日常的にプログラミングを使っています。文学部の大学生に研究を指導するためにも、学生にプログラミングを習得させる必要がありました。

また2020年からプログラミング学習が必修化となり、これからの教員はプログラミングの知識・技能が必須になると考えられます。文学部は小学校の教員志望の学生が多いので、誰もが無理なく取り組むことができるプログラミング教材を探しておりました。

そんなときに『ドリルの王様 楽しいプログラミング』にたどりついたのです。そして本書は現場で指導する先生にとって大変に役立つものだと考えております。

プログラミング未経験の先生でも授業が可能になる

プログラミング未経験の先生でも授業が可能になる

本書のよい点は、たとえ教える側にプログラミングの技能がなくても指導できることにあります。2020年から小学校でプログラミング学習が導入されますが、おそらくほとんどの先生がプログラミングの経験がなく、指導するのに苦労されるかと思います。

その点、本書はパズルのような問題でプログラミング的思考を養いますので、教材として導入すればプログラミング未経験の先生でも無理なく指導することが可能になります。

また小学校に導入されているパソコンやタブレットには限りがありますし、機械の調整や管理をするのも一苦労です。指導する側の負担を大きく軽減してくれる本書の価値はものすごく高いと思います。

学習進度の管理が容易になる

学習進度の管理が容易になる

一般的にプログラミングはどこまで学習が進んでいるのかを把握するのが難しく、先生が子どもたちの進度を管理するのが困難になります。
だからといって「ここまで進んだら一旦手をとめて」のようにガチガチに管理するのも子どもたちからしたら楽しくないですよね。

その点ドリルならページごとに進んでいき、今どんな内容を解いているのかを一目で把握することができます。また勉強する範囲がはっきりしているので、「今日は10ページまで解こう」と子どもたちが自らゴールを設定することもでき、モチベーションの維持に役立ちます。

コンピュータとドリルの併用が望ましい

コンピュータとドリルの併用が望ましい

そんなドリルにももちろんデメリットはあります。 本来プログラミングの醍醐味は、自分がイメージした動きを再現するためにプログラムを組み、失敗をくり返して試行錯誤し、それが最後に思い通りに動いたときの達成感を楽しむ過程にあります。ドリルではその感覚を味わうことはできません。

授業では、たとえば何時間かドリル学習をしたあとに、パソコンでプログラムを動かす時間があってもよいでしょう。コンピュータがよい、ドリルがよいではなく、両者を併用することが大切です。

近藤泰弘 青山学院大学文学部教授
東京大学助手,日本女子大学助教授,青山学院大学助教授を経て現職。
専門は日本語文法の記述的研究。コンピュータを用いたテキスト処理技術によって大量の日本語データを処理する方法によって日本語文法記述の理論的な方法を研究している。インターネットを用いた日本語文法の記述方法やそのためのソフトウェアの開発も行っている。