6年 図形の拡大と縮小

縮図の必要性に気づき,意味や特徴を自ら見つけ出していくには

1 指導のねらい

縮図・拡大図は,大きさを問題にしないで形が同じであるかどうかの観点から図形をとらえることがねらいである。つまり,縮図・拡大図の関係にある図形は,対応している角の大きさは同じで,対応している辺の長さの比はどこも一定であるということである。
 そこで,ここでは「縮める」必要性を起こし,変わるところ(辺の長さ)と変わらないところ(角の大きさ)を調べることで,対応している角や辺に着目させ,縮図や拡大図の意味や特徴をとらえていくようにすることが大切である。

2 私のアイディア

(1)縮める必要感がわき,縮図・拡大図の意味が分かる教材の工夫

縮める必要感がわくように,ハンカチをノートにかくという課題で導入する。拡大・縮小の意味が分かったら,今度は長方形,次に三角形と順に教材を提示し,変わるところ(辺の長さ)と変わらないところ(角の大きさ)に着目させ縮図・拡大図の意味や特徴を自らとらえられるようにする。

(2)図形を「かく」「調べる」「さがす」などの算数的活動の工夫

縮め方を考えてかいたり,対応する辺,角を調べたり,身の回りから縮図・拡大図を探したりするなどの算数的活動を取り入れていく。

3 授業の実際

1 目標

図形の拡大・縮小の意味が分かり,拡大図・縮図をかいたり見つけたりすることができる。

2 展開

学習活動 発問と子どもの反応・指導のポイント
1 学習課題をつかみ,自分なりに縮めた図をかく。

課題1

このハンカチをノートにかきましょう。
大きくてノートにかけません。
何とかしてノートにかいてほしいです。
・・・縮めたらかける。
同じ大きさでなくていいならかけます。
わかった。1 辺の長さを半分にしたらかけるかも。
ちょっと無理かな。8cmか10cmならかけると思う。
2 縮め方を考えて自分なりにかく。 ポイント
 1辺の長さを適当に決めてかくのではなく,「縮める」という意識で辺の長さを決めてかかせるようにする。速くできた子には,「縮め方」をいろいろと考えさせる。
3 かいた図形を出し合い,縮め方を知る。
子どもがかいた図形
4 「拡大」「縮小」「拡大図」「縮図」の意味,用語を知る。
ポイント
 もとの形と縮めた図を比較させ,もとの図形を縮めることを「縮小する」といい,その図形を「縮図」ということをおさえる。(逆の方向から見せると,拡大する,拡大図の意味がとらえやすい。)
 また,変わっているところと変わらないところを調べさせることで,自ら対応する辺,角に着目し,辺の長さだけを縮めれば縮図や拡大図がかけることに気づかせていく。
5 長方形の縮図をかく。

課題2

 長方形の縮図をかこう。
長方形だから,縦と横の長さの縮め方を同じにしないといけない。変わるところは辺の長さだ。
いろいろな縮図ができる。1/5 の縮図にすると,縦4cm,横6 cmになるよ。
角の大きさは,90度だね。
ポイント
 縮図や拡大図の意味を定着させるために,長方形で練習をさせる。この際も,変わるところと変わらないところを意識してかけるようにする。
6 三角形の縮図・拡大図を探す

課題3

教科書教材
拡大図と縮図をさがしましょう。
C 方眼の大きさがちがうよ。あは,えの1/2の縮図,逆から見ると,えあの2倍の拡大図になっています。
ポイント
 教科書の問題を活用問題として提示する。拡大図・縮図を探すことで,身の回りには,拡大・縮小した図形がたくさんあることを実感させ,次時の学習につなげる。

4 授業を終えて

(1) 「ハンカチをノートにかく」という学習課題は,縮める必要感がわく課題だった。図形の合同と比較しながら「形を変えない」ためにはどうしたらよいか考えることができた。

(2) 縮図をかいたり,調べたり,さがしたりする算数的活動を取り入れたが,正方形,長方形,三角形と順に考えさせていったため,辺の長さだけでなく,対応する角の大きさに児童自ら着目することができた。

(3) 拡大縮小の意味理解のあと,すぐ練習の場を取り入れたことで,本時の目標の定着を図ることができた。また,練習の問題として,教科書のヨットの形を提示したことで,拡大縮小の考えが生活の中で活用されていることが分かり,次時の学習への意欲を高めることができた。

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