3年 分数

「はした」の大きさを正しく表すには分数を使って

1 指導のねらい

第3学年では,等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数が用いられることや,分数の表し方について確実に身につけられるようにすることがねらいである。端数部分を表すには,単位量がいくつ分と「あとすこし」という子どもの声を大事にしながら,端数部分で単位量を等分するアイディアから生み出されたものが分数であるということをとらえさせることが大切である。

2 私のアイディア

(1) 長さを調べてみたいという意欲がわき,「はした」が意識できる教材の工夫

(2) はしたの長さの表し方を工夫し,単位量をもとに等分する活動の工夫

1m50cmの長さの50cmの部分の表し方をいろいろ工夫させながら,分数による表し方に気付かせることができる。

3 授業の実際

1 目標

テープのはしたの部分の表し方を考え,分数で表すことができる。

2 展開

学習活動 発問と子どもの反応・指導のポイント
1 テープ取り競争をする
どのテープが1番長いでしょう。
どれが長いかな?
黄色が長そう。
わぁ,青が長い。
ポイント
3班に分けて,代表者にテープを引かせる。班競争で,テープ取りをすることで,長いのを引きたいという気持ちを高める。
1番長いのが青,次が黄,3番目が赤だ。
2 はしたの大きさの表し方を考える。
順番は分かったので,どれくらいの長さか調べよう。
青は,2mくらいかな。1mものさしの2つ分くらいあるから。
ものさしではかったら,やっぱり2mだ。
ポイント
はしたに着目させるため,ものさしではかったら,1mずつ区切り,長さを書いておく。
 
黄色や赤の長さはどれくらいかな。
黄色は1m50cmじゃないかな。だって,1mと半分くらいだよ。
赤は,1mと半分より短い。130cmくらいかな。
1mよりも長くて,2mまでない長さを「はした」といいます。
ポイント
「はした」の意味を知らせ,「はした」の長さをきちんと表すということから,学習の焦点化を図る。
3 「はした」の長さを分数を使って表すことを知る。
(1)mの表し方
この「はした」の長さは,何mでしょう。
「はした」は,1mないから,表せないよ。
「はした」は,ちょうど1mの半分くらいだな。
半分は,分数で言うとになるから,「はした」は1mの
1mののことをmと言います。
ポイント
 子どもの迷いや既習事項を大事にしながら,単位量をはしたの長さで等分させていく。
  (2)mの表し方
赤のテープの「はした」の長さも分数で表せないかな。
mより短い。
だいたい1mを3つに分けた1つ分みたいだからmだ。
1mにあててみます。
やっぱり,3つ分で1mになるので,mだ。
ポイント
 児童が3等分ということに気付いたら,はしたを1mのテープにあてて,3等分になっていることを確かめさせる。
  (3)mの表し方

もう1本テープがあったよ。(1mのピンク色のテープ)
短い!
はしたは,だいだい1mを4等分したくらい…
はしたは,mだ。
ポイント
 「はした」という意識を持たせるために,「1mm」「1mm」などと言わせる。
4 練習問題をする。 「はした」の大きさはどれだけでしょう。

ポイント
 液量の問題にも取り組ませ,長さだけでなく,液量のはしたも分数で表すことができることに気付かせ,「はした」の量を表す分数の見方を広げる。
5 まとめをする。
はしたの大きさを表すのに,分数があることがわかりました。

4 授業を終えて

(1) テープ取り競争をすることによって,長さへの関心が高まり,長さを調べるという本時の目標にせまることができた。

(2) 2m,1mとm ,1 m とmのテープを並べて提示したことで,「はした」に気づき,それを工夫して表すことで,分数の意味が理解できた。

(3) 「はした」の大きさで1mを測りとっていく操作(等分する)をすることで,「はした」を表す分数は,単位量を等分割したものであることに気づくことができた。

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