BlueSky_elementary5・6教科書のご紹介
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インクルーシブ教育を実現する「UDデジタル教科書体」と新欧文書体株式会社モリサワ 公共ビジネス推進課 高田裕美 2020年度から小学5,6年生の英語が正式な教科となり,アルファベットの読み書き指導も行われることとなった。また,文部科学省から配布されている英語教材の欧文形状が今までのBall & Stick体から,多様な子どもたちにとって読み書きしやすい,手の動きを重視した形状へと変わっている。【図1】 それをうけ,2017年秋にリリースされた Windows10 Fall Creators Update より標準搭載された,日本初のユニバーサルデザイン対応の教科書体「UDデジタル教科書体」【図2】と混植※1可能な新欧文書体(正体・イタリック体・書き学習欧文)をこの度リリースした。【図3】 「UDデジタル教科書体」は, ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)のヒアリングをもとに,デザイナーと研究者が協力し開発した書体であり,さまざまな分野でエビデンスも取得している。 ディスレクシアの発症率は日本語圏で4~5%に対し,英語圏では10~15%となり,その差は言語的な違い(音素の多さや音韻体系の複雑さ)によることが大きいと言われている。※2 つまり,子どもたちは読み書きにおいて,日本語よりも英語学習でつまずく可能性が高いことになる。 2016年より障害者差別解消法が施行され,教育現場でも「合理的配慮」や「インクルーシブ教育」がキーワードとして挙げられるようになった。この「UDデジタル教科書体」のラインナップは,今後,教科書や教材での活用を通して,多様な子どもたちが分け隔てなく教育を受けられる書体として活躍してくれると開発者の立場から期待を寄せている。※1 混植:和文と欧文,または二つ以上の書体が混ざった版を組むこと※2 英語教育UD研究会ホームページ内「ディスレクシアと英語」より引用17

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