「世の中にこん虫(ちゅう)のことを広く伝えたい」という願(ねが)いから,1953年,「みのお観光万博(かんこうばんぱく)」の開催時(かいさいじ)に開園したのが,箕面公園昆虫館です。大阪(おおさか)の中心地から電車で約30分のところにある箕面の森は,東京の高尾(たかお),京都の貴船(きふね)とならんで,「日本三大こん虫宝庫(ほうこ)」とよばれ,たくさんのこん虫研究家(けんきゅうか)が集まり,こん虫の研究をする場所として有名でした。
2017年3月,「こん虫をより身近(みぢか)に感じ,知ってもらい,新たなこん虫の世界を見て,だれかに話したくなるこん虫館」を目指して,箕面公園昆虫館はリニューアル。こん虫についての講演会(こうえんかい)や,箕面の森のこん虫を調(しら)べるイベントなどには,幼(おさな)い子どもから小中学生を中心に,「未来のこん虫博士(はかせ)たち」が大勢(おおぜい)集まって,こん虫のふしぎをさぐっています。
テーマにそって収蔵(しゅうぞう)しているこん虫の標本(ひょうほん)などを公開する企画(きかく)てんじのほかに,おどろきと発見のつまった常設(じょうせつ)てんじがならびます。標本だけではなく,生きているこん虫たちも間近で見られるのが,箕面公園昆虫館の特色(とくしょく)のひとつです。
てんじ物などのしょうかい
エントランス
太陽の光がふりそそぐ明るいエントランスの真(ま)ん中(なか)のモニターには,こん虫のスライドショーが流(なが)れています。これからいったいどんなこん虫たちに出会えるのでしょうか。ワクワク,ドキドキはここから始まります。
展示室(てんじしつ)(1)
明るいしぜん光が入るまどぎわには,さわってもいいこん虫オブジェがずらりとならんでいます。まずは,ひとつひとつじっくり見つめてたしかめてみましょう。自分だけのお気に入りのこん虫オブジェは見つかりましたか? また,生きているこん虫もならんでいるので,さっそくかんさつしてみましょう。すきなこん虫の名前はおぼえられましたか? ふしぎに思ったことは,スタッフの人にたずねてみると,こん虫のことを理かいすることが深(ふか)まり,「へぇー,おもしろい!」と人生がゆたかになることでしょう。こん虫の色,あるいは,あしやはねの数など,こん虫の体はすべて理由があってそうなっているので,それらについて知ると,おどろきと感動でいっぱいになります。こん虫についてもっと学びたくなるはずです。
映像(えいぞう)シアター
箕面公園昆虫館が作ったオリジナルのアニメやクイズが上映されています。
キッズルーム
リニューアル後に作られたこちらは,こん虫とまるで会話ができそうなキッズルームです。中峰空館長(なかみねひろしかんちょう)のさつえいしたこん虫の写真(しゃしん)がならんでいます。子どもたちがこん虫にふれるイベント「こんちゅうふれあい」などが週末(しゅうまつ)や祝祭日(しゅくさいじつ)に開かれます。
展示室(2)
こちらでは,箕面周辺に生息するこん虫たちがてんじ,しょうかいされています。中峰空館長のさつえいした,こん虫への愛(あい)があふれる写真がずらり。見たことのあるこん虫はいますか? 木の上,土の中,かれ葉や落ち葉の下…そんなところにこん虫はしずかに生きているのに,ふだんは見のがしているのかもしれません。こん虫館を出たら,さっそく箕面公園内にさがしに行きたくなりますね。
展示室(3)
こん虫は「節(ふし)のあるあしを持つ動物」つまり「節足動物(せっそくどうぶつ)」のなかまです。その中でもこん虫は「六脚亜門(ろくきゃくあもん)」にぞくする節足動物で,全部で32のグループ(目(もく))があります。こん虫のことをもっと学びたい,こん虫学方面に進(すす)みたいと考える中高生向けのてんじですが,読みやすい文章なので,ひとつひとつ立ち止まって読む小学生もいるそうです。「『こん虫学の教科書』として読みながら時間をかけて進んでもらえるとうれしいです。わからないことや言葉があってもだいじょうぶ。はずかしがらずにたずねてください」と中峰空館長は話します。
展示室(4)
生体とは「生きている生き物」のことで,生体てんじでは,生きているこん虫たちがかんさつできます。南西諸島(なんせいしょとう)や海外のこん虫など,見たことのない,色あざやかなこん虫たちが生きているのが見られるきちょうなきかいです。
展示室(5)
タガメ,ゲンゴロウ,トンボなど,生きているうちに,水中,あるいは,水面で生活するこん虫のことを「水生こん虫」と呼びます。ここではその生体がてんじされています。一度は育てたことがある水生こん虫はいませんか?
