単位分数と分数の性質

第4学年で学習する分数は,1より大きい分数です。ある分数が「1より小さいか」「1より大きいか」を考えさせるには,分数の新しい見方を知る必要があります。というのは,第3学年で学習した分数の意味は,例えば3/4mであれば,
3/4m……1m を4等分した3こ分
でした。しかし,この見方では,「1より大きい分数」はうまく説明できません。
そこで,3/4mや4/5mを統合的にうまく説明する見方として登場するのが,「単位分数のいくつ分」という見方です。
単位分数というのは,1/2,1/3,1/4,……のように分子が1の分数です。この単位分数に着目すると,3/4mや5/4mは「1/4mの3つ分」「1/4mの5つ分」として対処できるわけです。
つまり,「単位の考え」です。整数が1を単位として構成されるのと同じように,分数は単位分数をもとにして構成されているわけです。
一方,分数には,分数独自の性質があります。

それは,等しい大きさの分数です。
等しい大きさの分数について形式的に処理する約分は第5 学年の内容ですので,ここでは,あくまでも数直線を手がかりにして,具体的にまた視覚的に見いださせることが指導の重要なポイントです。