ことばの式

下の例のように,数量の関係を「ことば」と「記号」を使って表したものを,ことばの式といいます。

児童はこれまでに,具体的な場面を捉えて,たし算,ひき算,かけ算,わり算の式に表したり,式をよんだりする経験をしてきています。
第3学年ではこれを受けて,ふくろに入ったあめとばらのあめの個数といった具体的な場面をもとに,「1ふくろの数」「ばらの数」「全部の数」といった「ことば」を用いて,数量の関係を式にまとめることができるようにします。
ところで,「ことば」は,児童にとって抽象度が高く,これを用いて数量の関係を式に表すことは,教師が考えているほど容易ではありません。
指導にあたっては,次の点に留意して,ことばの式へと移行させるようにすることが大切です。
・具体的な操作を取り入れること
ことばを用いて数量の関係を表すためには,まず数量の関係を把握させる必要があります。「1ふくろ」と「ばらが4 こあった」ので「16 こになった」ということを絵や図にかかせます。
・児童のことばから出発すること
具体的な問題に即して発せられる児童の生の「ことば」から始め,話し合いによって,次第に一般的な意味を表すことばへと導くようにします。

1ふくろのあめの数+ばらのあめの数=全部のあめの数

のように,初めは場面に即したことばで表させ,その後,クッキーの場面になっても使えるように,無理のない程度に一般性をもったことばで表現させるようにするとよいでしょう。