小数

小数は,数や量で,単位1に満たないはしたの部分を,位取り記数法に従って表すようにしたものです。これを,分数によって定義すると,「小数は,10の累乗を分母とする分数である」ということができます。だから,そもそも小数は1より小さい数ですが,現在では,5.3や5.32のように,整数と本来の小数との和の形になっている数も,小数としています。そこで,1より小さい小数を純小数,1より大きい小数を帯小数とよぶこともあります。

小数は,上のように,連続量のはしたを表す場面で導入するのがもっともよく,これによって表し方を教えます。
その際,整数では単位の大きさが10こ集まると次の新しい単位になっていきますが,小数では逆に,単位の大きさを10等分して新しい単位をつくっていくという特徴に気づかせることが大切です。このため,教科書では,1Lますで測ったときのはしたの表し方を考えさせ,1Lを10等分して測ればよいことに気づかせるようにしているのです。
なお,小数の加減計算を扱いますが,計算技能の習熟というより,小数の概念の理解を深めることがねらいになります。形式的な扱いに流れないように留意し,小数の意味に基づいて確実に計算させるようにすることが大切です。