1年
具体的操作と追体験を通して,計算の方法を自己決定させる
〜くり下がりのひき算〜
新潟県中蒲原郡亀田町立亀田小学校
斉藤 一美
1.単元の目標

十何から1位数をひく,くり下がりのある計算の仕方を数の多面的な見方を通して,理解する。 
具体的な操作活動を通して理解できるようにする。
減々法,減加法などの考え方があることに気づく。


くり下がりのある減法の計算や方法を理解し,習熟する。
ひき算を用いて問題を解くことができるようにする。
くり下がりのあるひき算の問題を作ることができる。

2.単元について

13−7の場合

(1) 数えひく方法: 

*数が大きくなるにつれて,念頭操作が難しい。


(2)

補加法: 

7に何をたしたら13になるかを考え答えを求める。

(3)

減々法: 

13の一の位の数3だけをひき(減),次に7のうちのまだひき足りない4を10からひく(減)。

(4)

減加法: 

13を10と3に分け,10から7をひき(減),その答えの3と残りの3をたす(加)。
減加法が有効であると思われるが,追体験を通して減加法・減々法それぞれのよさを理解し,被減数と減数の関係によっては適宜使い分けできるようにさせたい。

3.指導計画

第1次

 
13−7のようなくり下がりのあるひき算の仕方を操作に基づいて考えさせる。★
被減数・減数を分解することで,計算できることを理解する。(減々法)★
被減数を分解することで,計算ができることを理解する。(減加法)★
くり下がりのあるひき算(十何−1位数)の計算の仕方を操作に基づいて考えさせ,能率のよい仕方で計算できるようにする。★
ひき算の計算技能の習熟

第2次

 
ひき算を適用する問題解決
カ−ドを使った計算練習
ひき算を適用する問題作成

4.授業の実際

(1) 第1次・第1時間目の指導

1)

 本時の目標
13−7のくり下がりのあるひき算の仕方を,操作に基づいて考えさせ答えを求めることができる。

2)

 授業の実際
問題把握 
みかんが13こあります。7こたべると何このこるでしょうか

「食べる」ということからひき算であるという理由なども児童に発表させた。

自力解決 
13−7の答えがぱっと出るやり方を見つけよう

自主的に解決方法を見つけさせた。
例 ・おはじき ・図 ・式 ・タイル など

(  )は話し合いの際,児童がつけたネーミング

一番多かった考え方は,の考え方であった。(おはじきによる減々法)
手がつけられなかった児童はいなかったが,Aの数えひきをする児童が数名いた。

 
それぞれの方法で工夫しているところを発表してください

計算の仕方の特徴やよさ,似ているところ,違うところなどに気づかせる。
また,ネーミングすることによってそれぞれのやり方の特徴を児童に意識づけた。

(2) 第1次・第2時間目の指導

1)

 本時の目標
被減数・減数を分解することによって,計算ができることを理解する。(減々法)

2)

 授業の実際(のやり方)

13−7の計算で,7を分けるやり方をみんなでやってみましょう

各自,おはじき・タイル・式などで追体験させる。

7を4と3に分けて2回ひいていることを,追体験を通して理解させた。


類題を行う。(減々法で)


(3)

 第1次・第3時間目の指導

1)

 本時の目標
被減数を分解することによって,計算ができることを理解する。(減加法)

2)

 授業の実際(のやり方)

13−7の7を1回でひくやり方をみんなでやってみましょう

各自,おはじき・タイル・式などで追体験させる。 


13を10と3に分けて,10から7をひいて3。3+3=6


類題を行う。(減加法で)


(4)

 第1次・第4時間目の指導

1)

 本時の目標
くり下がりのあるひき算(十何−1位数)の計算の仕方を,能率のよい仕方で計算できるようにする。

2)

 授業の実際

早く,答えがぱっと出るやり方で計算してみましょう

数値をいろいろ変えた問題をプリントで行わせる。


いろいろな問題を計算していく中で,各自がやりやすい方法を自己決定していった。


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