比と比の値

2つの数量AとBの割合を表すには,大きく分けて2つの方法があります。1つは,AとBのどちらか一方を基準(1とみる)にして他方を表す方法です。例えば,Bを基準として「AはBの3倍」とか「AはBの2/3」などと表します。もう1つは,AとBのどちらか一方を基準にするのではなく,2つの量に共通な量を基準にして,簡単な整数の組み合わせで表す方法で

・比の値
a:bの比の値は,a÷bで求められます。
a:bの比の値は,aがbの何倍になっているかを表す数です。このことから考えても,比は割合の1つの表し方であるといえます。
なお,比と比の値を等号で結んでよいかどうかは定義によりますが,小学校では,比は2 つの数量の関係を表すことから,等号では結ばないことにしています。

・比を簡単にする
比には,次のような性質があります。
1. A:B=(A×C):(B×C) Cは0以外の数
2. A:B=(A÷C):(B÷C) Cは0以外の数
比を,それと等しい比で,できるだけ小さい整数の比になおすことを比を簡単にするといいます。

・比例配分
ある量をきめられた比に分けることを比例配分といいます。例えば,長さ2.5mのリボンを,みずきさんと妹で3:2の比で分ける場合には,
みずき…2.5×3/5(m)
妹…2.5×2/5(m)
となります。部分と部分の比を部分と全体の比になおすことが大切な思考になります。