小数のわり算の商の処理

(小数)÷(整数) の計算には,7.2÷3=2.4 のように,被除数の桁数の範囲の中できちんとわり切れるものと,22.8÷8=2.85 のように,わり進むことによってわり切れるものがあります。このように商が,小数点以下,どこかでわり切れる小数を有限小数といいます。
しかし,中には14÷21=0.666… のように,わり進んでもうまくわり切れない場合もあります。このように,わり切れないで小数点以下の桁数が限りなく続く小数を無限小数といいますが,小数のわり算では,3.66…や0.2727…のように,一定の数字が繰り返される循環小数になります。
わり進んでもわり切れない場合,つまり無限小数の場合,商の処理が問題となりますが,指導にあたっては,わり切れないという事実に気づかせた後,児童自らに商の処理の仕方を考えさせるようにします。

すると,児童は,次のような処理の仕方のあることに気づいてきます。
1. 四捨五入して1/10(または1/100)の位まで求める。
2. 1/10(または1/100)の位まで求め,余りも出す。

いずれも適切な処理ですが,(小数)÷(整数) の計算では,実際の生活の中で余りを求めるような場面はほとんどありませんから,ここでは1.を中心に商の処理の仕方をおさえるようにします。
なお,概数の表し方には,ある位までの概数と,上から何桁かの概数の2通りの方法があり,小数を概数で表すのはここが初めてです。求めたい位の1つ下の位で四捨五入すればよいのですが,右のような場合に上から〇桁といったとき,一の位は含みませんので注意が必要です。