数学トピックQ&A
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三角形の形状
Q  三角形には,3つの辺と3つの角がありますが,三角形の合同条件から,(1)3辺,(2)2辺角,(3)2角辺,がわかれば,残りの辺や角もわかるということを,教科書では,発展として書いてあります。こんなわかり切ったことをどうして発展として,難しそうに書いてあるのですか。
A  教科書には,例題や問,練習などに(1),(2),(3)の場合について,残りの辺や角を求める問題があります。このことを正弦定理,余弦定理によって,定式化しようということをいっているのです。実際にこれを式に書いていきましょう。
 まず(1)の場合,3辺 abc が与えられたとき,ABC は,
余弦定理 によって A が求められます。同じようにして,BC も求められます。
 (2)の場合,2辺として,bc角として A が与えられたとき,残りの aBC を求めることを考えてみましょう。
Q  a は簡単です。余弦定理 a2b2c2ー2bc cosA によって a2がわかるので,a もわかる。a がわかれば,3辺がわかったことになり(1)の場合になる。
A  では,(3)の場合を考えてみましょう。 aBC が与えられたとき,残りの bcA を求めることです。
Q  A ABC=180°より, でわかる。
 bc は 正弦定理 より,
  
として求められます。
A  はじめの(1)(2)(3)は三角形の決定条件といいます。三角形の決定条件から三角形の形状のきまるところに,正弦定理と余弦定理がどのように働いているのかを,発展でいいたかったのでしょう。