数学切り抜き帳
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接線の方程式
グラフの重ね合わせで考える
桜花学園大学教授
岩井 齊良
 放物線 yax 2bxc の接線の求め方は2006年5月でも触れた.ここではもっと分かりやすい説明をしよう.

 この関数の x p という地点における接線(正確にいえば,x 座標が p であるグラフ上の点を接点とする接線)を求める場合,

   ax 2bxca (xp) 2      

と変形する.この        にあてはまる1次式が接線の方程式を表す.

 実際には,

   ax 2bxc a (xp) 2 + (2apb) x +ap 2c

となるのであるが,この関数のグラフは,

 y a (xp) 2 y = (2apb) x +ap 2c の2つのグラフの高さを加えてできるグラフとして描くことができる.
 ここで,

  y a (xp)2 のグラフは x p の地点で x 軸に接する放物線
  y = (2apb) x +ap2c のグラフは直線

である.
 したがって,2つのグラフの高さを加えると

    x p の地点で直線 y = (2apb) x +ap2c に接する曲線

となる.

 話はこれだけである.
 2つのグラフの高さを加えて新しいグラフを作ることをグラフの重ね合わせという.

(発展) 3次曲線 yax 3bx 2cxd はこれを

     ya (xp) x 3    (xp) 2      

のように変形する.
 実際には,
     

となるが,このときの y = (1次式) が接線の方程式である.
 ya (xp) 3 のグラフも y =□(xp) 2 のグラフも x p の地点で x 軸に接していることに着目しよう.
 ここで求める1次式(注:定数のこともある)は

    ax 3bx 2cxd を (xp) 2 で割ったときの余りの式

であるといってもよい.