数学切り抜き帳
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放物線の描き方
桜花学園大学教授
岩井 齊良
 放物線をうまく描く方法について考えてみよう.

I 放物線の描き方 その1 標準的な描き方

 放物線 yx2 の上には,
    (0,0), (±1,1), (±2,4)
という点がある.この5つの点を結ぶように描くとよい.

 これを描くには,
 (1) 放物線を含む正方形を描く.


 (2) この正方形を縦横に4等分する.


 (3) 次の5つの点をマークする.


 (4) この5点を通る曲線を描く.

 以上が標準的な放物線の描き方である.
 上の説明では放物線 yx2 について説明したが,放物線はすべて相似なので他の放物線を描くにもこの方法が適用できる.
  yax2 の場合は,このグラフ上の5点
    (0,0),
を通る曲線を描くことになる.

II 放物線の描き方 その2 放物線の特性を表す描き方

 放物線には,
   焦点,準線
という曲線の特性を表すものがある.これらの位置を意識した放物線の描き方を考えよう.
 (1) 正方形を2つ並べて描く.


 (2) これを水平に2分し,さらに次のように斜めの線を描く.


 (3) 中央の点と左上端,右上端の3点を通る曲線を描く.
   ただし,左上端,右上端の点においては曲線が斜めの線に接するように描く.


 この放物線では,中央上端の点が焦点であり,下端の直線が準線である.


 放物線 yx2 の場合,注目した点の座標は次の通りである.


 以上の描き方を理解するために次の問題を解いて下さい.

問1 放物線 yx2 上の点P(x1x12) における接線の方程式を求めよ.

解答


問2 点A における放物線 yx2 の接線の傾きは
(放物線の軸に平行に進入した光線はA点で反射し直角に折れ曲がる.)

解答


問3 F とする.放物線 yx2 上の点P(x1x12) から直線 L:y=- に下した垂線をPHとするとき,PF=PHであることを証明せよ.
(定点までの距離と定直線までの距離が等しい点の軌跡が放物線である.)

解答


問4 放物線 yx2 上の点P(x1x12) における接線と y 軸との交点を Q とするとき,PF=FQが成り立つことを証明せよ.
(三角形FPQは2等辺三角形.放物面の軸に平行に進入した光線は反射後焦点Fに集まる.)

解答