数学切り抜き帳
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 分数近似
桜花学園大学教授
岩井 齊良
 今回は電卓を用意してください.(以下の計算は8桁の電卓を使用した)
 ある数の近似値といえば,小数で表すのが普通であるが,まれに近似値を分数で表すことがある.
 例えば,円周率 π=3.1415926の近似値として,昔から

    , 

という分数による近似値が知られている.
 この分数近似はどうやって得られるのであろうか.

 まず3.1415926を,

   

と表すことを考える(νは整数).

   

だから,

   

 つまり,3.1415926の小数部分0.1415926の逆数がほぼ νである.
 電卓で 1÷0.1415926を計算すると,答は 7.0625159 となるから,ν=7 で,

   

となるのである.
 以上の計算をまとめてみよう.

 これを計算で確かめると,
    22÷7=3.1428571
となるから,3.14 までは合っている.

 もっと詳しい近似が欲しいときは,上の分母 7.062516 に同じ操作を施せばよい.

 これを計算で確かめると,
     355÷113=3.1415929
となる.
 π=3.141592653(身ひとつを世ひとつ行くに無意味なり)だから,小数点以下6桁まで合っているといえる.
 これはとてもよい近似値である.

 こういうときのために,分数計算に強くなろう.
 計算に強くなる方法は,自分で自分を鍛えることである.
 
 次に,を分数で近似してみよう.
 こちらは,小数表示がなくても「分子の有理化」というテクニックでことが済む.

   

 この計算は同様の繰り返しであるから,

   

というパターンになる.
 この分数を途中でうち切って計算すると,

   

というの分数近似の列ができる.
 これらを小数で表すと,
  1, 1.5, 1.4, 1.4166666, 1.4137931, 1.4142857, ……
となる.
 これらの数値はじっさいの数値 =1.41421356…(一夜一夜に人見ごろ)に対し,小大小大小大と繰り返しながらだんだん近づいていくことが分かる.

問 +1 の分数近似を求めよ.
  (注 α=+1に対する等式 と分数近似との関係を考えよ.)

問2  に対し, が成り立つ.これを利用して,この数の分数近似を求めよ.



 
年賀パズル2003年の正解

 パズルはちゃんと解けたかな.

1  12+3×456+7×89
2  12+34×56+78+9
3  1+2+34×56+7+89
4  1×2+345×6−78+9
5  1+23+45×6×7+89
6  12+345×6−7−8×9
7  1×23+4×(567−8×9)
8  1×23×(4+56)+7×89
9  (1+2+34)×56−78+9
10  (1+234−5)×6+7×89
11  (12+34)×5×6+7×89
12  1+2+(3+45×6)×7+89
13  1×23+4×(56+7−8)×9
14  1+23×(4×5+67)−8+9
15  1+23×(45+6×7)−8+9
16  (1×2+345)×6−7−8×9
17  1+2×(3+4)×(56+78+9)
18  1×2+(34−5−6)×(78+9)
19  1×23+4×(5+6×7+8)×9
20  1×23+4×((56+7)×8−9)
21  1+(2+3×4)×(56+78+9)
22  1+((2+3)×45+6)×78÷9
23  12×((34−5)×6−7)+8−9
24  (1+234×(5+6)×7+8)÷9
25  1×2+3+(4+5×6×7+8)×9
26  1×2+3×(4×(5+6)+7×89)
27  1×2+(3+4×5+6)×(78−9)
28  1×2+(3×4+5+6)×(78+9)
29  1×23+4×5×(6×(7+8)+9)
30  1×2+((3+4)×5−6)×(78−9)
31  1+2×((3×(45−6)+7)×8+9)