自然の造形
ポン・ジ・アスーカル
(Pao de Acucar,Rio de Janeiro,BRASIL )
ブラジル,リオ・デ・ジャネイロ市内
大阪教育大学附属高等学校 柴 山 元 彦

 リオの奇岩「ポン・ジ・アスーカル」はグワナバラ湾にラグビーボールを立てたようにそびえ立っています.海抜390mのこの岩山の山頂へはロープウエーで行くこともでき,リオの雄大な海岸線や多くの小島が点在する景色を眺めることができます.
 ポン・ジ・アスーカルの名前は,インディオの言葉で「ポウンドアスカ」(ギザギザとがった小島)に由来するということです.リオの有名なリゾート地コカパバーナ海岸やイパネマ海岸からもよく見え,リオのシンボルになっています.
 山頂に行くには,海岸のすぐ横にあるロープウエー乗り場から四角い透明なゴンドラでウルカの丘へ行き,そこで第2ゴンドラに乗り換えてポン・ジ・アスーカルの山頂に向かいます.海に張り出した岬の先端にあるため,海の上からリオの街並みを見下ろしているような素晴らしい眺めです.太陽の光で輝く海面と360度のパノラマは時間がたつのを忘れさせてくれます.
 リオの街にはこのような一枚岩のような岩山がいくつもあります.この山をつくっている岩石は,今から約7億年前の先カンブリア時代という日本にはないような古い片麻岩です.長い年月の風化侵食によって固い部分が残ってこのような奇岩がつくられました.このすぐ近くには同じ岩石でできた海抜710mのコルコバートの丘があり,頂上には両手を広げたキリスト像が立てられています.

旅を楽しむ

<コルコバートの丘>山頂まで登山電車で行くことができる.キリスト像は高さ30mもあり,全身に蝋石が貼られている.(ポン・ジ・アスーカルの東5km)


グワナバラ湾から見たポン・ジ・アスーカル.手前のビル群はリオの街.

ウルカの丘から見たポン・ジ・アスーカル.
ここでロープウエーを乗り換え,山頂に向かう.