自然の造形
マッターホルン(スイス)
(Matterhorn,Alps,Switzerland)
スイスとイタリアの国境にそびえるアルプス山脈の高峰
大阪教育大学附属高等学校 柴 山 元 彦

 スイスの山岳リゾートの代表的な町ツェルマット.この町を訪れる人はこのマッターホルン(4478m)を目当てにやってきます.
 ツェルマットヘ行くには,マッタータール谷をさかのぼり,ティッシュまでは車で行き,ここから上流はガソリン車の乗り入れができないため,電気自動車か電車でツェルマットの町に入ります.ツェルマットまでくると,はじめてマッターホルンが見えてきます.しかし,天候の影響で,なかなかその美しい姿を見せてくれません.
 アルプス山脈の4000m級の峰峰の4分の3がこの町の周辺に集まっています.その絶好の展望台が,ツェルマットから登山電車で40分登ったゴルナーグラート(3136m)です.この駅から少し登ったところに360度のアルプスの山々が見渡せるすばらしい展望台があります.スイスの最高峰モンテローザ(4634m)が左に,その約180度右にはマッターホルンがそびえています.
 また,ツェルマットの町からゴンドラやロープウェイを乗り継いで,ヨーロッパ最高地点の展望台クライン・マッターホルン(3883m)へ40分ほどで登ることができます.ここからのマッターホルンはすぐ眼前にそびえています.その険しくそびえる山頂付近は,登頂が不可能かのように見えるほどの山容です.
 アルプス山脈は,アフリカ大陸がヨーロッパ大陸に衝突し,のり上がってできた山脈です.マッターホルンの山頂をつくっているのも実はアフリカプレートの岩石です.また稜線の傾斜が少しゆるやかになった部分から下は,ヨーロッパプレートの岩石でできています.

旅を楽しむ
ツェルマットはU字谷の美しい谷に開けたアルプスのリゾート地.チーズ・フォンデュなどのスイス料理が楽しめる.


ツェルマットの町から見上げたマッターホルン(4478m).

ゴルナーグラート(3136m)から見たゴルナーグラート氷河.