2018年度 授業研究による教育の質的向上編

JICA研修を受託した広島大学より依頼を受け,「授業研究による教育の質的向上」というテーマで,今年もバングラデシュ初等大衆教育省,カンボジア教育青少年スポーツ省,ラオス教育スポーツ省,ミャンマー教育省,各国国立大学・中学校の先生方を対象に研修を実施しました。

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まず弊社の事業内容を紹介し,続いて研修員の皆様から本日の研修を通して知りたいことを尋ねました。自国の就学システムなど情報交換しながら,日本の学習指導要領や各教科の学年・校種間の系統性,教科書の採択・給付,効果的な指導方法などたくさんの質問を受け,お答えしました。

教科内容の研修では,はじめに算数・数学における領域と系統についてお話ししました。その後,日本で研修員が実際に授業をおこなう単元「比」の指導について,教師用指導書を用いてアドバイスしました。研修員の皆様からは,割合の考え方についてなど具体的な質問をいただきました。

次に,理科における領域と学年間の系統についてお話ししました。研修員からは日本の理科カリキュラム,特に生活科と理科の繋がりについての質問が出されました。その後,算数同様に研修員が実際に授業をおこなう単元「天気の変化(台風)」の指導について解説しました。

最後は校種間の繋がりです。電気と天体の単元を事例として,小学校と中学校の学習内容について整理しました。ディスカッションされた教科間連携や横断的指導の必要性は,各国でも共通の認識のようです。

今回の研修がアジア各国の算数・理科教育の発展に役立つことができれば幸いです。「理数は世界共通語である」との考えのもと,啓林館はこれからもJICA教育支援の取り組みをサポートして参ります。

後日,嬉しいお便りを頂きました。

2018年9月

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