2020年度用 中学校理科教科書内容解説資料 未来へひろがるサイエンス
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観点別特色一覧表グループで話し合う活動を通して,おたがいの考えを引き出し,深めることができます。話し合いを効果的に進めるにはどうしたらよいでしょうか。話し合ったことを発表するにはどのような方法があるのでしょうか。観察・実験前は「結果の予想」,「観察・実験の計画」などを目的として話し合いを行います。グループで話し合う前に,まず,自分の考えをもち,疑問点を出し合いながら,観察するときに注意すべき点を見いだしましょう。動物の生活のしかたと体のつくりとの関係について,自分の考えを発表してください。①魚やカエルを手でさわったらぬるぬるしていた。トカゲの皮ひ膚ふはかたく,ぬるぬるはしていなかった。③水中生活するものはえら呼こ吸きゅうだけど,陸上で生活するものは肺はい呼吸だね。⑤ヒトは母親の体の中で子が育つけど,メダカは水中で卵らんがかえって生まれてきたね。ほかのなかまはどうやって生まれてくるのかな?⑥聞 く話し合う話 す・根こん拠きょや条件を明確にして話そう。(例:「もし○○なら△△である」「○○なので△△である」)・主語と述語を明確にして,相手にわかりやすい言葉で伝えよう。・経験や知識を整理して,観察・実験の結果を根拠として,科学的な用語を活用して話そう。・資料や機器を効果的に活用して話そう。・ほかの人の発言を注意して聞き,必要に応じて質問しよう。・自分の考えとの共通点や,異ことなる点をとらえながら聞こう。・ほかの人が気がついたことや発見したことから,いろいろな見方があることを認め合い,参考 にしよう。・進行係や記録係などを役やく割わり分ぶん担たんするなどして,進行のしかたをくふうしよう。・相手の考え方を尊そん重ちょうし,おたがいの考えを述べることで,自分の考えをまとめたりふり返った りしよう。観察前課題 脊せき椎つい動物の生活と体のつくりとの関係を考えよう。生活している場所と体の表面は,関係が深そうだね。④理科における話し合いと発表6● 「話し合い~発表」 の例 ● 話し合いの基本 わたしが飼っているネコは,毛がふかふかしてあたたかい。友だちの家にいたひよこもはねがやわらかくあたたかかった。体毛や羽毛と体温は関係があると思う。② 5266電子黒板を使った発表の例※レポートのまとめ方は, p.246~247も参考にしよう。グループで話し合ったことを,画用紙やホワイトボードに図や簡かん潔けつな文章でわかりやすくまとめましょう。話し合ったことをまとめることで,さらに考えが深まっていきます。話し合って立てた計画にしたがって,観察・実験に進みます。・ 内容構成をわかりやすくくふうしよう。具体例を示したり,図や表,写真を使ったりするとわかりやすくなります。・ 科学的な根拠を明確にして,自分の言葉でまとめ,発表しよう。・ レポートやポスターは読み返して点検し,よりよい表現にしよう。・ おたがいを評価し,参考にしあって見方や考え方を広げ深めよう。・ 自信をもって,大きな声で,みんなのほうを見て話そう。・ 意見をもらったときは,感謝の気持ちを伝えよう。水中に産さん卵らんされる卵には殻からがないが,陸上で産卵される卵には殻がある。これも,卵が乾燥しないようにするためだと思います。③水中生活する動物のなかまは,体の表面がぬれていたりやわらかかったりするが,陸上生活するなかまは,乾かん燥そうしないように,皮ひ膚ふがかたかったり,羽毛や体毛におおわれている。②観察・実験の結果からわかったこと,考えられることをグループで「分ぶん析せき」,「解かい釈しゃく」し,話し合い,まとめていきます。科学的な根拠をうらづけとして意見を述べると,説得力のある意見となります。グループの話し合いを通して,考察を深めていきます。グループの話し合いで出た考えをまとめ,発表しましょう。相手にわかりやすい説明ができれば,本当に理解しているといえます。観察後発 表そう考える根拠も示してください。⑦両生類は,子どものときは魚類と同じような特とく徴ちょうをもつけれど,親になると陸上生活に適した体に変わっていくといえます。⑥哺乳類は卵でなく子を産むが,母親の体の中で守られているので,乾燥の心配はないといえます。⑤卵を産まない哺ほ乳にゅう類るいについて,考えのある人はいますか。④観察したことをもとに,考えたことを発表してください。①● 発表の基本 6267 下の図のように,簡易検流計をつくる。 エナメル線を乾電池などにつないで,電流の大きさや向きを調べる。①②ようじをつけて指針にする。ひご(またはようじ)底を切りとった紙コップエナメル線を10~15回巻く。厚紙でつくった目盛り板をさしこむ。めもフェライト磁石磁石とエナメル線を同じ高さにする。半分はがす。全部はがす。回転軸になる部分は図のようにエナメルをていねいにはがす。消しゴムゼムクリップフェライト磁石身のまわりの道具にも,これまでに学習したことが使われています。その一例として,検流計やモーターをつくってみましょう。単三乾電池のまわりに直径 0.5 mm のエナメル線を 20 回ほど巻いて,コイルをつくる。コイルが回りやすくなるように,コイルの両端はコイルの中心を通って一直線になるようにする。 図のように,エナメルを紙やすりではがす。①② 2本のクリップを消しゴムにさして,コイルの軸じく受けをつくる。 フェライト磁石を消しゴムの上にセロハンテープで固定し,②のコイルを軸受けにかけて乾電池につなぎ,コイルが回転することを確かめる。③④簡かん易い検流計クリップモーター   検流計やモーターをつくってみよう電流を流すとエナメル線などが熱くなるので,結果が確認できたらすぐに電流を流すのをやめる。やけど注意けが注意 510エネルギー  3章 電流と磁界241震源分布には,どのような特とく徴ちょうがあるだろうか。●各地質年代の長さを比べてみよう。●同じ大きさのプラスチック製弁当容器のふた(透とう明めいのもの)を数すう枚まい用意する。それぞれのふたの下と左端はしに基準線を引く。p.68 の    のように,震源の深さごとに色分けをして,それぞれの色ごとに,基準線を合わせながら震源の位置を記入したふたをつくる。震しん源げんの分布を,立体モデルで表してみようp.68 関連①②③9図46 cm, 54 cmの長さの紙テープを2本用意する。46 cm の紙テープは,1 cmを1億年として各地質年代を記入し,色鉛えん筆ぴつで着色する。54 cm の紙テープは, 10 cmを1億年として各地質年代を記入し,色鉛筆で着色する。それぞれの時代に栄えた生物の写真をはったり,名前を書いたりして, 地球史年表を完成させる。地球史年表をつくってみようp.94~95 関連①②③④植物をよく観察し,特とく徴ちょうがわかるようにデジタルカメラなどで撮さつ影えいする。植物図ず鑑かんをつくってみようp.2~9 関連①植物の名前を,図鑑やインターネットで調べる。②撮影した日づけや植物の特徴,日なたや日かげなどの周囲の環かん境きょうなどについて,記録しておく。③身のまわりにどんな植物が生きているだろうか。●p. 8~9の「身近に見られる生物」の植物が,在来種であるか外来種であるかを,図ず鑑かんで調べる。同様に,身近な野草を在来種か外来種か調べ,なかま分けをする。外来種については,環かん境きょう省しょうのWebページ参照。植物のルーツを調べてみようp.8~9 関連①❶❶②日本地図をかき写したふたをつくり,深さの順にふたを重ねて震源の分布を立体的に観察する。④野外で観察するときは,安全とマナーに注意しよう。野外で観察するときは,安全とマナーに注意しよう。( http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html )ガクアジサイ (在来種)ランタナ (外来種)在来種と外来種は,どのような生活をしているだろうか。また外来種は,そのほかの生物の生活にどのような影えい響きょうを与あたえているだろうか。●けが注意けが注意けが注意けが注意本来は分布していなかった地ち域いきに,他の地域から人間の活動によって意図的,あるいは非意図的に移入され,定着した生物を外来種という。外来種に対し,もともとその地域に生息している生物を在来種という。❶科学者テーマ例身のまわりのものからテーマを見つけて探究しよう!234   根の先端近くの細胞の成長のしくみ(模も式しき図ず)2図ソラマメの根の成長の観察分裂して数がふえる。大きくなる。例ソラマメなどの芽生えの根を顕けん微び鏡きょうで観察すると,図1 のように,根の先せん端たん(根こん冠かん)より少し上の部分(a)の細胞は小さくて数が多く,(b),(c)と上にいくにつれて大きくなっていることがわかる。また,細胞の中のようすを見ると, (a) の細胞では,丸い形をした核かくのかわりに, ひものようなものが見える。根は,先端近くの細胞が分かれて数をふやし,さらにそれらの細胞が体積を大きくすることによって成長する。1つの細胞が2つに分かれることを, 細さい胞ぼう分ぶん裂れつという。生物の体は,細胞分裂によってふえた細胞が大きくなることで成長している。細胞分裂は,植物では,おもに根や茎くきの先端近くでさかんに行われている。その部分を成せい長ちょう点てんという。3日後2日後1日後根に等間隔の印をつける。ふたをかぶせる。ピンスポンジビーカー水(c)(b)(a)根冠 (根の成長点を保護している。)成長点0.2 mm0.02 mm0.02 mm0.02 mm   ソラマメの根の先端の細胞 (見やすいように染せん色しょくしてある。)1図発芽して1cm ぐらいにのびたソラマメの根に,等とう間かん隔かくの印をつける。①右の図のような装そう置ちをつくり,ピンでスポンジにとめ,成長のようすを調べる。②継続観察 5101520生命  1章 生物の成長とふえ方5  p.266-267   ① 理科における話し合いと発表2 年  p.5  ② 継続観察3 年  p.241  ③ ものづくり2 年  p.234  ものづくり ③1 年 ②31

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