2020年度用 中学校理科教科書内容解説資料 未来へひろがるサイエンス
14/56

魚   類両 生 類は 虫 類             頭とう頂ちょう部ぶから空気を吸って,肺で呼吸している。   イルカの呼こ吸きゅう孔こう54図       うすい骨ほねのようなもので,皮ひ膚ふの一部が変化してできる。体表のうろこイルカは水中生活をしているが,肺はいで呼こ吸きゅうし,子を産み乳ちちで子を育て,体温が一定であるなどの特徴から,魚類ではなく哺乳類になかま分けされる。脊椎動物の5つのなかまの特徴を整理すると,以下のようになる。 脊椎動物のなかま分け ゲンゴロウブナニホンカナヘビイモリ体表えら  水中で生活するので,えらで呼吸している。子       皮膚の外側が厚くかたくなったもので,水を通さない。体表のうろこ卵卵卵呼こ吸きゅう孔こう一生を水中で生活する。卵生で,殻のない卵を水中に産む。卵は乾かん燥そうに弱い。変温動物。えらで呼吸する。体表はうろこでおおわれている。子は水中, 親はおもに陸上や水辺で生活する。卵生で, 寒天状のものに包まれた卵を水中に産む。卵は乾燥に弱い。変温動物。子はえらで呼吸する。 親は肺だけでなく,皮膚でも呼吸する。体表はうすい皮膚でおおわれ, つねにぬれている。おもに陸上で生活する。卵生で,弾だん力りょくのある殻をもつ卵を陸上の砂すなや土に穴あなをほって産む。卵は乾燥にたえられる。変温動物。肺で呼吸する。体表はうろこでおおわれている。51015202544鳥   類哺 乳 類動 物数動 物数マンボウ3億トカゲ 5~16フナ3000 ~ 14000スズメ5~7トノサマガエル1800 ~ 3000ウグイス4~6イモリ 100 ~ 400ネコ4アオウミガメ  32 ~ 166ウマ1   1回に産む卵や子のおよその数6表6表 からわかるように,動物の種類によって,1回の産さん卵らん(子)数はちがう。産卵(子)数が多いのは何類か。また,少ないのは何類か。考えてみようウサギの出産出産後も親は乳を与えて子を育てる。子は親から食物を与あたえられて育つものが多い。陸上で生活する。前あしが翼つばさになっていて,多くは空を飛ぶことができる。卵生で,かたい殻をもつ卵を陸上の巣の中に産む。卵は乾かん燥そうにたえられる。恒温動物。肺で呼吸する。体表は羽う毛もうでおおわれている。ほとんどが陸上で生活する。胎生で,子は母親の子宮内で(へその緒おを通して酸素や栄養分をもらって)育つ。恒温動物。肺で呼吸する。体表は毛でおおわれている。  親が卵をあたためることによってふ化する。卵   羽毛でおおわれており,体温の維い持じに役立つ。体表   毛でおおわれていて,体温の維持に役立つ。体表キジバトウサギ51015生命  4章 動物のなかま45脊髄脳感覚神経運動神経目うでうでを曲げる筋肉(収縮している。)うでをのばす筋肉(ゆるんでいる。)うでを曲げる筋肉(ゆるんでいる。)うでをのばす筋肉(収縮している。)けんけんけんけん関節うでを曲げる筋肉(収縮している。)うでをのばす筋肉(ゆるんでいる。)うでを曲げる筋肉(ゆるんでいる。)うでをのばす筋肉(収縮している。)けんけんけんけん関節スポーツ万ばん能のうの人のことを「運動神経がよい」といういい方をします。科学的には「運動神経とは,脊せき髄ずいなどの中ちゅう枢すう神経と運動器官である筋肉を結ぶ神経のこと」 ですが,比ひ喩ゆ的に運動能力をさすことがあります。「わたしは運動神経がにぶいから」とスポーツを苦手に思う人もいるかもしれませんが,「運動神経(運動能力)」は鍛えられることがわかっています。目がボールをとらえる。視神経を経て脳に信号が伝わる。ボールの動きの情報を処しょ理りし,バットの動かし方を判断し, 「打て」の命令をくだす。骨格と筋肉が連れん携けいしてバットが振ふられる。左下の例のように,飛んでくるボールを見てバットを振ふる場合,信号が通る道すじは誰だれでも同じです。しかし,簡かん単たんにボールを打つことはできません。くり返し練習することで,体を最適に動かす指令が身につき,また,脳からの信号も最短ルートを通るようになり,上達していくのです。それでも,やみくもに体を動かせばよいわけではありません。最近,科学の力がスポーツの世界を変えつつあります。骨や筋肉,脳や神経,心しん臓ぞうや肺はいなど身体の知識に加えて,運動力学や心理学まで駆く使しして,効果の出るトレーニングや有効な技術の習得法などが研究されています。左ページの実験から,骨と筋肉はたがいに関係し合って動いていることが確かく認にんできる。骨についている筋肉は,両りょう端たんがけんになっていて,関節をへだてた2つの骨についている。これらの筋肉は,48図のように骨の両側にあり,一方が収しゅう縮しゅくするときには他方がゆるむ。その結果, うでなどの関節の部分が曲がって運動ができる。ヒトや魚の骨格のように,体の内部にある骨格を内ない骨こっ格かくという。 運動のしくみ   「運動神経」 は鍛きたえられるか?正しい知識をトレーニングに 生かしたいね。この章の学習を終えたら,基本のチェックにとり組もう。 28                     運動のしくみ48図 5101520生命  3章 感覚と運動のしくみ39まず生命の基本単位である細胞についての理解を深め,続いて器官,個体,動物の分類,そして生物の進化へと視野を広げるように展開しました。これらの学習を通して,生物についての理解を深めるとともに,生命を尊重する態度が育つように工夫しています。生命の基本単位である細胞について,観察をもとに学習を展開しています。また,体の成り立ちや細胞呼吸について,理解の助けとなる資料を豊富にとり上げています。生物の体と細胞1動物のなかま分けから動物の多様性を学ぶだけでなく,軟体動物の解剖を通して生命の精妙さを知り,生命を尊重する態度を養えるように展開しています。動物のなかま4進化の学習を通して,生物を時間的なつながりでとらえる見方や考え方を身につけられるようにしています。生物の移り変わりと進化5実際に体感する実験を設定し,今まで無意識に行っていた刺激に対する反応について認識させることで,実感をともなった理解を得られるように工夫しています。感覚と運動のしくみ3生命を維持するはたらきである消化や吸収,呼吸や血液循環について,物質の移動に着目して学習を進められるように,効果的なイラストを用いて展開しています。生命を維持するはたらき2平成24年度用教科書からのおもな改訂点・脊椎動物のなかま分けを,これまでよりもビジュアルな紙面で構成しています。→p.44-45・「生物の移り変わりと進化」の学習を独立した章にし,この単元の総まとめとして, 進化を扱いました。→p.52-59章の構成と学習内容  p.44-45 2 年脊椎動物のなかま分けでは,生物の特徴を記載するだけでなく,実物写真を入れることで,視覚的に理解が深まるようにしました。動物の生活と生物の進化生命生命・   p.39 2 年運動神経を鍛えることができるのかどうかという,関心の高い話題を「部活ラボ」で紹介しています。各学年の学習内容 2年12

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る