2020年度用 中学校理科教科書内容解説資料 未来へひろがるサイエンス
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〔 結 果 〕班で協力して実験できたのでよかった。もし,鏡の表面がでこぼこしていたり,曲がっていたりしたらどうなるのか疑問に思った。実験した結果は下の表のようになった。実験結果から, 鏡に入る光 の角Aと鏡ではね返った 角 Bは いつも等しくなるといえる。〔 考 察 〕〔 感 想 〕光が鏡などに当たってはね返ることを,光の反はん射しゃという。鏡に入ってくる光を入にゅう射しゃ光こう,反射して出ていく光を反はん射しゃ光こうという。鏡の面に垂直な直線と入射光,反射光の間の角度を,それぞれ入にゅう射しゃ角かく,反はん射しゃ角かくという。    から,光が反射するとき,入射角と反射角はいつも等しいことがわかる(5図)。これを光の反はん射しゃの法ほう則そくという❶。実験1   光の的当てでの光の進み方6図         入射角と反射角は,鏡の面に垂直な直線からはかる。どのような角度で鏡に光を当てても,入射角と反射角はつねに等しくなる。つまり,入射角=反射角となる。   光の反射5図入射角反射角鏡の面に垂直な直線入射光反射光鏡角A0°10°20°30°40°50°角B0°10°20°30°40°50°p.180 の    の光の的当てでは,複数の鏡を使って太陽の光を反射させ,的に当てる。このとき,それぞれの鏡で「入射角=反射角」の関係が成り立っている(    )。❶3図6図感想や疑問に思ったことなども書く。図を使うと,わかりやすい。鏡AB鏡A鏡B鏡C的 510182               ①や②のように,光源から出た光や物体で反射した光が目に届くと,物体が見える。しかし,③のように,障しょう害がい物ぶつがあると,光が目に届かないので,物体は見えない。   ものが見えるしくみ7図??①②③鏡のおくに見える消しゴムの位置   (像)長さは等しい。消しゴムの位置(物体)鏡              点Aに立てた鉛えん筆ぴつを点Bから見るとして考えてみよう。   光の道すじの作図10図   実物の消しゴムと鏡の中の消しゴムの像8図 ものが見えるわけ 10図の点Aに置かれた物体から出た光が,鏡で反射して点Bで見えるとき,その光の道すじを,8図や9図を参考にして,10図に記入してみよう。7図のように,物体があっても,真っ暗で光そのものがなかったり,物体と目の間で光がさえぎられたりすると,物体を見ることはできない。物体が見えるには,光源から出た光や物体で反射した光が目に届とどく必要がある。また,8図のように物体を鏡に映うつすと,鏡のおくに物体があり,そこからまっすぐに光が進んできたように見える。これは物体で反射した光が鏡で反射し,目に届くためである(9図)。鏡のおくに物体があるように見えるとき,これを物体の像ぞうと❶いう。 18点Aに立てた鉛筆の像はどこにできるかな。像の位置がわかれば,そこから光がやってくると考えればいいね。鏡AB光が反射する面像については,p.190も参照。❶   消しゴムの像の見かけの位置9図 51015エネルギー  1章 光による現象183サイエンスアプローチサイエンスアプローチ実験1をもとに,点Aに置かれた物体から出た光が,鏡で反はん射しゃして点Bで見えるとき,その光の道すじを記入して,本ほん冊さつ p.183 のものが見えるわけについて考えてみよう。実験2をもとに,本ほん冊さつ p.189 20図 のように水を入れたコップの中央にストローを立てると,なぜストローは太く見えるのか,太く見えるときの光の道すじを考えてみよう。物体の位置と鏡でできる像の位置実験1からの 作図光による現象光・音・力による現象1 178 195本冊太く見えるストロー実験2からの作図 (a)横から見たとき1B-18-AE-z-ex02(b)真上から見たとき点Aに置かれた物体の像はどこにできていると考えられるか。像の位置をaとして,右の図に示してみよう。❶太く見えているものは,屈くっ折せつによってできたストローの像である。図(b)で, 像の点ア, イから光が出たと考えたとき, その光が点A(目)に届とどくまでの道すじを,点線でかき入れてみよう。❶点Bから鏡を見ると,aから光が進んできたように見える。この光の道すじはどうなるか,点線で右の図にかき入れてみよう。❷図(b)でストローの点B,Cから出た光が水中を通って目に届くまでの光の道すじを,実線でかき入れてみよう(水とコップ,コップと空気の境界で合わせて2回屈折するが,ここでは1回の屈折でかいてよい)。❷点Aに置かれた物体から出て,鏡で反射してから点Bに届とどく光の道すじを,実線で右の図にかき入れてみよう。❸BA鏡コップ水ストロー光が反射する面イBACア18 51015202530平成24年度用教科書からのおもな改訂点・音の学習では,音の発生や伝播など基本的な内容を先に扱うようにしました。   →p.196-205・エネルギー(物理)の学習で今後も必要となる力の見つけ方や表し方は,より丁寧に解説しました。→p.215-217光や音,力に関する身のまわりの現象を紹介して,好奇心を喚起するとともに問題意識をもたせて,探究的な学習を行うことができるように配慮しています。小学校で学習した光の的当てなどをふり返りながら,コップに水を入れるとコインが浮かび上がって見える現象などの課題を提起し,実験結果とその考察をもとに,光の反射や屈折の規則性,凸レンズのはたらきを発見させるように展開しています。光による現象1まず,楽器など音を出している物体のようすを調べ,音の伝わり方と音速をとり上げています。その後,音と振動との関係を,実験を通じて発見させるようにしています。音による現象2おもちゃづくりから導入し,力のはたらきを理解させ,いろいろな力の紹介をしています。次に,フックの法則を実験から見いだし,力の単位(ニュートン),重さと質量のちがいを解説しています。そして,力の表し方を扱った後,圧力,水圧,浮力,大気圧を,実験や身近な現象をもとにわかりやすく扱っています。力による現象3光・音・力による現象エネルギー章の構成と学習内容  p.182-183 1 年 マイノート  p.18 1 年 ルギー 編各学年の学習内容光の反射・屈折の学習では,作図を通じて,その規則性を見いだすことができるようにしています。マイノートにも,本冊とリンクした作図の場面を設定しています。実験を受け,身近な例もとり上げながら,ものが見えるわけを考えていくことができるようにしています。11

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