2020年度用 中学校理科教科書内容解説資料 未来へひろがるサイエンス
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薬品の中には,そのまま流すと自し然ぜん環かん境きょうに悪あく影えい響きょうを与あたえるものもあるので,必ず指定された容器に集めるようにし,環境をよごさないように注意しましょう。実験を正しく安全に進めるために2実験は,正確かつ安全に進めることがたいせつです。実験の内容をしっかり理解し,先生の指示を守って,事故が起こらないように注意しながら実験をしましょう。実験を行うさいに,自分たちの行動を確かく認にんしてみよう!忘わすれていることはないかな? 実験で使用した薬品や廃棄物の処理については,必ず先生の指示にしたがい,指定された場所に集めるなど,適切に処理しましょう。実験チェックリスト 何を,どのようにして調べるのか,わかっていますか。班はんの中で手順を確認し,協力体制ができていますか。安全眼鏡(保護眼鏡)着用など,実験に適した身なりをしていますか。 危き険けんな薬品,とりあつかいに注意を要する器具類などについては,先生の指示をしっかりと聞き,自分でも調べましたか。 必要な器具や薬品類を用意し,不必要なものを実験台の上に出さないようにしましょう。なお,実験台の端はし近くには,器具や薬品類を置かないようにしましょう。 役やく割わりを分ぶん担たんし,協力して安全に活動しましょう。 しっかりと観察し,正確に記録しましょう。 結果が正しく得られたか,用具や手順にまちがいがないか確認しましょう。 使用した器具類は,きちんと洗せん浄じょうしたり,ふいたりしてもとの場所に返へん却きゃくしましたか。 ガスの元もと栓せんや水道の蛇じゃ口ぐちをしっかりとしめましたか。 机つくえの上をきちんと水ぶきし,手もしっかりと洗あらいましたか。 流しなどに,ごみは残っていませんか。塩酸,硫酸など水酸化ナトリウム水溶液,水酸化カルシウム水溶液など硝酸銀水溶液, 硫酸銅水溶液などしょうさんさんぎんどうすいようえきりゅう廃液の種類によって,指定された容器に分けて入れるものがある。❶ 実験の前は❷ 実験中は 安全眼鏡❸ 実験が終わったら● 廃はい液えきや廃はい棄き物の処しょ理り  廃液処理いすはかたづけて,立って実験を行う。 51015202530112密度は物質の種類によって決まっている値ですが,いろいろな物質からできた物体では平均としての密度が定まり,これがその物体の浮き沈みと関係しています。わたしたちは水泳をするときに水の中に入りますが,人体の密度はいったいどれぐらいなのでしょうか。人体はさまざまな物質でできていますが,骨の平均の密度は約1.2 g /cm3,筋きん肉にくの密度は水よりもわずかに大きい程度です。一方,脂し肪ぼうの密度は水よりもわずかに小さい程度です。また,人間の体重の大部分は水分といわれています。つまり,人体の密度は平均すると,全体でほぼ1 g /cm3なので,わずかなバランスのちがいで,浮いたり沈んだりするといえます。13図のように,水の中にくぎとストローを入れると,くぎは沈み,ストローは浮く。また,水の中に氷を入れると,氷は浮く。水の密度は1.0 g / cm3であり,密度が水よりも大きい物質は水に沈み,密度が水よりも小さい物質は水に浮く。くぎは鉄でできており,水よりも密度が大きい。ストローはポリプロピレンというプラスチックでできており,水よりも密度が小さい。氷も水よりも密度が小さい。このように,液体に浮くか沈むかは,その物質の密度が液体の密度よりも大きいか,小さいかで決まる(14図)。この性質を利用すると,液体への浮き沈みで物質を区別することができる。ものの浮き沈みは密度のちがいにより,液体と液体,気体と気体でも起こる。例えば,15図のように,食用油が水に浮くのは,水に比べて食用油の密度が小さいためである。 密度とものの浮うき沈しずみ 人間の体は水に浮くか沈むか   物質の浮き沈み14図   水への浮き沈み13図   水に浮く食用油15図水に沈むくぎと浮くストロー水に浮く氷エタノールに沈む氷競泳水銀に浮く鉄球 510152025物質  1章 いろいろな物質とその性質133こまごめピペットやスポイトの使い方細口試薬びんびんの栓は横にして置かない。ラベルのとれたものや,薬品名のはっきりしないものは使用しない。せん薬さじ薬さじで底のほうに入れる。薬品のとり方液体薬品のとり方こまごめピペットやスポイトは,液を吸う先せん端たんを上にしない。先端を上にすると薬品などの液がゴム球の部分に入るので,ゴム球がよごれたり,破損したりするおそれがある。こまごめピペットやスポイトの先せん端たんは割われやすいので注意し,これらの器具で溶よう液えきをかき混ぜるなどの操そう作さは行わない。注ぐときはラベルを上にする。ガラス棒ぼうを伝わらせて,少しずつ入れる。薬包紙をのせる。燃えやすい薬品をあつかうとき,火のそばで行わないようにしよう。固体(粉末)薬品のとり方安全眼鏡安全眼鏡安全眼鏡ゴム球を押おしつぶしたままで薬品につけ,親指の力をぬいて吸すい上げる。①ゴム球を押す。②2115実験の注意事項,実験器具の使用方法,探究のしかたなどを掲載し,3年間を通じて必要となる基本的な技能などを習得できるように配慮しています。3年間の学習を行ううえで必要とされる基本的な技能を,身のまわりの物質の学習と合わせ,実験を通じてしっかりと身につけることができるよう,丁寧に記述しています。いろいろな物質とその性質1粒子モデルを使うことにより,状態変化を視覚的に理解できるように心がけています。また,沸点測定などの加熱をともなう実験では,特に安全面の注意に配慮しています。物質のすがたとその変化4溶解度曲線から情報を読みとり,根拠をもって水溶液から溶質をとり出す方法を考えたり,結果を考察したりできるように構成しています。水溶液の性質3酸素と二酸化炭素を発生させて性質を確認する基本的な実験の後に,生徒自らが材料を選択して計画を立て,発生した気体を同定する実験を設定しています。いろいろな気体とその性質2平成24年度用教科書からのおもな改訂点・プラスチックの学習内容を充実し,ためしてみようを新設して密度の学習がより深まるようにしました。→p.134-135・硫酸銅の溶解をイメージしやすくするために,写真と粒子モデルを対比させたビジュアルな紙面を設けました。→p.148-149身のまわりの物質物質章の構成と学習内容  p.133 1 年  p.115 1 年  p.112 1 年物質・エネ 密度の学習と関連させ,「部活ラボ」で人間の体の浮き沈みを扱っています。実験を安全に行ううえでの注意事項を,自分でチェックできる紙面にしています。薬品のとり方など,実験の基本操作を図・写真を用いて丁寧に説明しています。各学年の学習内容 1年10

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