2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
68/72

66連立方程式の文字消去について、既習事項を活用することで問題解決が図れることを実感させるために定義と性質の違いを理解しやすくするために000(ア)授業のはじめの既習事項の確認に 例1 2章連立方程式 等式の性質 連立方程式の解き方として、1つの文字を含む方程式を導くことができれば、その連立方程式を解くことができる。そのために、等式の性質を活用して1つの文字を消去することを考える。そのもととなる考え方が、MathNaviブックp.8である。 本単元の「ひろげよう」でも、よく似た問題が用意されているが、連立方程式の例となる問題を、すでに小学校で解いてきていることをふり返ることができると、本編の学習内容への理解も進みやすい。特に、MathNaviブックp.8では、「花びん1個」が2つの数量関係を表す条件文のはじめに出てくることや、図でも差し引きの様子がとらえやすいので、小学校の復習(既習事項の確認)として、授業のはじめに読ませたり、解かせたりするとよい。さらに、本編p.38の「ひろげよう」について、学習した後、もう一度このMathNaviブックp.8の例でも、花びん1個の値段をx円,ばら1本の代金をy円として考えさせたい。そうすることで、小学校の学びとのつながりが見え、文字でも適用させていくことの理解が深まり、学習の広がりを実感させることができる。 例2 5章図形の性質と証明 二等辺三角形の定義と性質 証明の基本内容となる三角形を使った問題場面で、仮定と結論を混同する生徒や定義と性質を混同する生徒は、初期の段階でよく見られる。特に、二等辺三角形は、小学校から慣れ親しんできた図形であるので、「2つの辺が等しい」や「2つの角が等しい」ことは知っている。しかし、今後の様々な証明問題にあたっていくときに、定義と性質は区別しておきたい。Math Naviブックを活用した指導Ⅱ2.「学びをつなげよう」の活用例  直角をはさむ2辺のうちの1辺の長さをx cmとすると,残りの辺 の長さが(14-x) cmと表されること,また,2次方程式を解いて得 られた解が,問題の答えとして適切であるかどうかを調べることなど, 数式と図形を統合的に把握する見方や考え方を大切にしたい。  円周角の定理を利用して角の大きさを求めることと,三平方の定理 を利用して弦の長さを求めることを,総合的に活用して問題を解決し ようとする考え方や,円内に3つの角が90°,60°,30°である直角三角 形を見いだそうとする態度を大切にしたい。  座標平面上にかいた図形が,どのような図形であるかということに 関心をもち,三平方の定理の逆を活用して調べようとする態度を大切 にしたい。7指導の要点  直角をはさむ2辺のうちの1辺の長さ をx cmとすると,  x +(14-x) =10   これを解いて,x=6,8 x=6 のとき,14-x=8 x=8 のとき,14-x=6 であるから,どちらの場合も直角をはさ む2辺の長さは,6 cmと8 cmである。             6 cmと8 cm  ⑴ 180 m   ⑵ 216 m  4  :AH=2:  より,   AH=6               AH=6 cm  4  :BH=2:1 より,   BH=2     CH=AH=6   BC=BH+CH=6+2            BC=6+2  (cm)  CA:6=  :1 より,   CA=6              CA=6 cm  また,△ABCの面積は,    ×(6+2  )×6=18+6              18+6 (cm )  中心Oから弦ABに垂線OHをひく。  ∠AOB=120°だから, ∠AOH=60°  4:AH=2:  より,   AH=2     AB=2AH=4                 4  cm  ⑴ AB=5,BC=5,CA=5     ⑵ AB + BC = CA だから,   ∠B=90°の直角二等辺三角形2222222221123445考考考考技技技技考考技技125技技関関17633333333333332222指導書の紹介教科書編集の基本的な考え方やページごとの意図など,ご指導にあたって知っていただきたい事項や, 教科書の記述の背景にある,数学史,数学教育史など,数学をご指導される上で前提として知っておいてい 各領域の指導内容の根底にある考え方や,昨今の数学教育で重視されるポイント,評価の規準や方法につい 通 論詳 説第1部第2部各章ごとの目標・配当時間表から,学習指導案,指導実践例など,指導計画を組み立てる上で必要な情報を集約しています。今回新設したMathNaviブック(別冊)の各コーナーの活用方法や,ICTを活用した指導のアイデアも紹介しているので,授業を計画的に進めたり,多様な授業展開を行うために役立ちます。教科書本冊の各ページごとに,指導の要点や,注意点,問題の略解などを解説しています。生徒に準備させたい準備物など指導の参考になる情報も充実しており,授業に必要な情報がコンパクトに収まっています。※朱註編単体での販売も行っています。MathNaviブック(別冊)についても様々な場面での活用方法をご紹介いたします。ぜひご指導に活かして下さい。①KeirinkanDBSystem 章末の問題には,それぞれの問題で,どのような観点から評価できるかを示しているので,観点別の評価にも役立ちます。指導書付録DVD-ROM(2枚)(第2部詳説に付録します)収録ソフト朱註編(教科書縮刷版)指導研究編(別冊1)

元のページ  ../index.html#68

このブックを見る