2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
40/72

38252015105横が縦より2cm長い長方形の厚紙があります。この4すみから1辺が3cmの正方形を切り取り,ふたのない直方体の容器をつくると,その容積は51cm3になりました。はじめの厚紙の縦と横の長さを求めなさい。2題例厚紙の縦の長さをxcmとして,直方体の底面の縦と横の長さをxで表し,方程式をつくります。容積の問題3cm3cm3x+2-6x-6はじめの厚紙の縦の長さをxcmとすると, 3(x-6)(x-4)=51 これを解くと,  (x-6)(x-4)=17  x2-10x+7=0     =523!4すみから1辺が3cmの正方形を切り取るためには,x>6だから,x=523-は問題にあわない。x=523+のとき,横の長さは(723+)cmとなり,これは問題にあっている。縦523+(cm), 横723+(cm)x=2×1-!-10()2-4×1×7-10()10=2!72例題2で,直方体の容器の底面の長方形について,その縦と横の長さは,それぞれ何cmになりますか。小数第1位まで求めなさい。問3周の長さが60cmで,面積が220cm2の長方形をつくるとき,この長方形の2辺の長さは,それぞれ何cmになりますか。小数第1位まで求めなさい。問45-(正の数)だから,6より小さいねcm)78 3章 二次方程式20151051二次方程式の利用実際の問題を,二次方程式を利用して解きましょう。 前ページの場面で,ステージの縦と横の長さを,方程式を利用して求めましょう。 面積が96m2,まわりの長さが40mである長方形のステージをつくるには,縦と横の長さを,それぞれ何mにすればよいでしょうか。方程式を使って問題を解く手順❶ 問題の中の数量に着目して,数量の関係を見つける。❷ まだわかっていない数量のうち,適当なものを文字で 表して方程式をつくる。❸ 方程式を解く。❹ 方程式の解が,問題にあっているかどうかを調べて,  答えを書く。20-xxステージの縦の長さをxmとすると,横の長さは(20-x)mとなる。面積が96m2だから,  x(20-x)=96   x2-20x+96=0 (x-8)(x-12)=0  x=8,12x=8もx=12も問題にあっている。x=8 のとき,縦の長さ8m,横の長さ12mx=12のとき,縦の長さ12m,横の長さ8m60 2章 平方根2015105 根号をふくむ式の計算を利用して,次の問題を考えましょう。 上の問題で,実際に1円硬貨を置いてみると,直径5cmの円に4枚の硬貨がはいりそうです。 このことを,4枚の1円硬貨を左の図のように並べた場合について調べてみましょう。 この図で,4枚の1円硬貨の中心A,B,C,Dは,正方形の頂点となっています。また,点Oは,この正方形の対角線の交点です。上の図のように,正方形ABCDの対角線ACを延長して,1円硬貨の周と交わる点を,それぞれ,P,Qとします。このとき,線分PQの長さを求めなさい。問3 4枚の1円硬貨が,直径5cmの円にはいることを示すために,上の問3で求めた線分PQの長さが,5cmよりも短いことを説明しましょう。 直径5cmの円があります。 この円の中に,直径2cmの1円硬こう貨かを,重ならないようにして4枚入れることができるでしょうか。平 成 二 十 八 年ACOPQDB上の図で,正方形ABCDの面積を求めなさい。また,対角線ACの長さを求めなさい。問2 正方形の面積=(対角線の長さ)2÷21円硬貨を使って実際に確かめてみよう1円硬貨を使って実際に確かめてみよう点Oを中心として直径5cmの円をかいてみよう11221年からの流れを大切にして,二次方程式の利用題の解決や解の吟味を重視スパイラルな学習の構築と,解の吟味の素地を事前に養う構成(2章平方根,3章二次方程式)利用題を解決する流れをふりかえりできちんと確認√の計算を含む解の吟味の素地を事前に養う構成3年で学習する二次方程式は,中学校数学での数と式領域の学習の集大成とも言える内容です。1年の方程式,2年の連立方程式の内容をふまえた上で,学びを進めていく必要があります。二次方程式の利用場面のはじめに,1,2年で学習してきた「方程式を利用して問題を解く手順」をふり返る場面を設けています。二次方程式では,解が2つある場合が出てくるので,そのような場合に,解のそれぞれが問題にあっているかどうかをきちんと確かめる姿勢を確認しておくことはとても重要です。二次方程式では解が2つ存在することもあり,その利用場面ではこれまで以上に解の吟味が重要です。二次方程式の利用題の解の吟味では,√を含む数の大小関係を調べる必要が生じる場合があります。√を含む数の大小関係は,生徒がつまずきやすいポイントなので,二次方程式の利用題に取り組む前に2章3節平方根の利用で√を含む数の大小関係を調べる活動を経験できるよう構成面でも配慮しています。3年本冊p.803年本冊p.783年本冊p.60●利用場面での解の吟味●√を含む数の大小関係を調べる 素地を養う√を含む数が解に出てくる場合の解の吟味は特に難しい内容です。問題の状況にあわせて,次の2つのことを調べる必要があります。(1)問題にあうための条件は何か(2)それぞれの解が問題の条件を満たしているか(2)を調べる際に,√を含む数の大小関係を調べる必要も出てきます。平方根の章に利用の節を新設し,整数と√を含む数との大小関係を調べる題材を置いているのは,この二次方程式の利用題の場面を見越してのことです。

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る